(2022年11月4日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年9ヵ月)
*2年前
おママが特別養護老人ホームに入所したのは2023年正月明けです。
貼り絵制作はその直前の2022年12月19日まで続けていました。
しかし、この年の11月から12月、認知症の症状が進んだおママは、ハサミを持つのも糊をつける事も、直ぐに判らなくなっていました。
そのため作業中、一回一回、私はハサミの持ち方使い方をおママに教えていましたが、思うようにできないとおママ自身ハサミを持とうとしない日もありました。
(あんなにハサミで紙を切るのが好きで、上手だったのにね。)
そう思うと、私は悲しくて仕方がありませんでした。
私がもう少し粘れれば、もう数日可能だったかも知れません。
でもこれが限界だったと、今でも思っています。
そんな「おママの貼り絵」の最晩期で、まだブログに掲載していなかった貼り絵が5枚ほどあります。私としては印象深い作品でした。
それらをこの11月と12月でご紹介していこうと思います。
*欠片を楽しむ
2022年11月4日。
この日はおママに好きな紙片を選んでもらいました。
紙片は今までの貼り絵制作で出来た切れ端のようなものです。当時のおママにとってはハサミがうまく使えなくなっていたので、これらがとても良い材料となりました。
おママが最初に選んだのは赤と黒の紙片です。形も面白いですね。
おそらく,これらの作品の残りだったのでしょう。(↓)1ヶ月前の2022年10月はまだハサミが上手に使えていたのに❗️日によって出来る時もあったのですが、おママの急速な衰えに、私の気持ちがついていけませんでしたわ。
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年11月4日11:27〜(2分11秒)
クリーム色の缶の蓋をまるで画面のように見立てて、おママは選んだ紙片を並べていました。今,動画を見返していると、
(ハガキ大だけではなく大きな画用紙にたくさん貼ってもらっても良かったな)
と思いました。
「……いいからってね、ちゃんともらったほうがいいよって、みんないっていたのよ。なにをすんですか、ぜんぜんだめですよ、なんていってね……。」
おママは紙片を選びながら、ずっと話をしていました。
これは思い出の断片なのでしょうか?
それとも,ただ思い浮かんだ言葉を話していただけなのでしょうか?
私には判然としませんでしたが、おママが楽しそうなので良かったです。
*ハサミを使ってみる
おママは赤と黒の紙片を手に取って、人差し指で「こうこう…」と縦方向に触れていました。切ってみたいようです。私はすかさずおママにハサミを持たせ、一緒に手を動かしながら切り方を教えました。するとこの日はなんとなく切れそうな感じがしました。
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年11月4日11:31〜(1分27秒)
ハサミで紙片を縦にさん分割しています。おママの思うままにハサミは曲線を描き、予想外の面白い形が生まれました。
おママはそれらをハガキの上に載せて、楽しそうに構成していきます。
(↓)さらに形を整えてみる。
赤黒ピースを上手に3分割出来たので、おママもとても嬉しそうでした。
*他のピースと組み合わせる
(↓)色と形の組み合わせは楽しい作業ですね。
<おママの貼り絵制作動画③>
2022年11月4日11:37〜(1分57秒)
赤と黒の3本のメインピースは既に糊つけ済です。おママの指に糊が少し残っていてベタついていました。そのため、小さなピースがうまく配置できないのですが、おママはそれも楽しいのでしょう。まるで「箸が転んでも可笑しいお年頃」ですね。(๑˃̵ᴗ˂̵)v
(↓)糊つけは順調にできました。(^O^)
(↓)使用した紙片の元はこんな紙でした。
江口宝飾さんから頂いたカレンダーの写真です。
(↓)美味なる高級塩昆布❗️花錦戸「まつのはこんぶ」の包装紙です。
頂き物で、ジジもおママもご飯のお供に大喜びでした。
(小津和紙で購入した友禅紙2種。
おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。