アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

好きと制約と固定観念のシンフォニー(アズキ)

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(2020年1月31日 アルツハイマー認知症の診断から約12年11ヶ月)

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(2020年1月31日 アルツハイマー認知症の診断から約12年11ヶ月)

 

皆様、こんにちは!

前回に引き続き母の代打を務めます、アズキです。

記事にコメントを付けてくださった方々、本当にありがとうございます!

なかには2年前の代打アズキを覚えてくださった方もいて胸が熱くなりました。

 

母の経過は順調で、来週にもブログ復帰できそうです。

これからも引き続き、母と祖母(と時々アズキ)を応援していただけたら嬉しいです☺️

 

ーーー

 

さて、少し凝った題名を付けてみたのですがいかがでしょうか?

実は最近新しいMacを買い、趣味ではありますが本格的に音楽制作を始めたので、今回はその件について書いていこうかなと思います。

 

もともと音楽活動のようなことはしていたのですが、自分独りで1から楽曲を作るのはこれが初めて。あらゆる教則本・教則動画・定額で使えるサンプル音源を駆使して”ちゃんとした曲”を作ろうともがいていました。

しかし金銭的な事情からまだ揃えられていない音源もあり、見よう見まねでやるにも制約が掛かった状態。とりあえず手元にあるもので”それっぽいもの”を作る日々。

 

「転調するのもいいけど、ベタな進行に別の曲みたいなサビを付けて上手くまとまるのかな?」

「少ないコードで踊りまくれる曲いいなぁ、でもそれって英詞じゃないとしっくりこない気がする」

「歌詞をつけるならメッセージ性とか物語性とかを込めなきゃいけないのかな…」

といった感じで、「好き」と「一般ウケ」とを行き来しながら作曲ソフトと格闘していました。

 

あるとき、ふと思ったのです。

私が作りたい音楽って何だっけ?

 

今まで音楽活動を「承認欲求発散の場」として利用していた私。

「どうせ作るならたくさんの人に聴いてもらえるような曲を作りたい!」YouTubeや各種サブスクを漁ってトレンドを調べていたけれど、これって本当に私が作りたいものなのかな?

 

 

すぐには答えが見つからず、作業する手が止まってしまいました。

 

そんな悶々とする日々を過ごすなか、母からブログ代打を頼まれたのです。

なんとなく昔の記事を読み返しているうちに、祖母が作ったある貼り絵に衝撃を受けたことを思い出しました。

 

その名も「ぶどんくぱつみる」

harienikki.hatenablog.com

貼り絵の元になったのは「ぶどうくるみぱん」の袋。それ以外には何も使っていません。

祖母はこの袋を用いて「文字」という概念すら取っ払った絶妙な配置でハガキに落とし込んでいます。

(完成してから祖母が「ぶどん?何かしら、変ね?」と言っていたようで、加工した図形が「文字」であることは認識できていたのだから驚きです。)

 

つまり、加工した図形が文字であるかどうかなんて、納得のいく作品に仕上げることに比べたら些細なものだったかのように見えるのです。

 

その貼り絵には、私が作曲関係で悩んでいたあらゆる要素を一瞬で吹き飛ばしてしまうほどの威力がありました。

 

そうだ。今はトレンドとか形式とかメッセージ性とかは大した問題じゃない。

「そのときいちばんしっくりくるもの」を作って蓄えておこう。

考えるのは”作る時”ではなく”発表する時”だ。

 

そんな結論に至った今、少しずつ作曲を楽しめるようになってきています。

貼り絵から大切なことを気付かせてくれた祖母に感謝し、いつか本人の前で自作の曲を披露できることを夢見て今日も作曲ソフトと格闘するのでした。〜fin〜

 

アズキ

 

本日アップの貼り絵  

 「お題方式の貼り絵」の貼り絵です。

 (注)「お題方式の貼り絵」とは…?

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

そして、「お題」はこちら。(↓)「シュガーバターの木」の包装紙です。

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 (↑)まずは分割。

 

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 わりと直ぐに構成がまとまりました。

そして直ぐに2枚目に取り掛かったのですが…。

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 ここまでやって、少し疲れたのか、出ていた楊枝で遊んんでいて、なかなか糊付に進みません。

「取り敢えず、貼ってしまいましょう。」

そう勧めても「今はいいの❗️」とやりません。

それで、おやつを食べてから仕切り直しをしました。

気分が変わったのか、デザインも若干変化がありました。(^O^)

 

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

コロナ禍を満喫してしまった20代女性の話(アズキ)

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(2020年5月22日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

 

皆様、お久しぶりです!
チャーコの娘・アズキです。

目の手術明けで安静にしている母に代わりまして、私が数回ほどブログ記事を担当することになりました。
拙い文章で心苦しいのですが、温かい目で読んでいただけたら嬉しいです。

 

 
さて、今年になってから猛威をふるっている新型コロナウイルス
4月には緊急事態宣言も出され、働き方や過ごし方が見直されるようになりました。
私の派遣先でもリモートワークが導入され、現在は自宅で仕事をしています。

コロナ禍で派遣切りに遭う人も大勢いる中で、ありがたいことに”切られる”こともなく、さらにリモートワークにまで対応して頂けるという好待遇。
派遣先に足向けて寝られません。なんて幸運。

そんな”神対応”に支えられた私の1日を簡単にご紹介します。

・始業10分前、ベッドから起きてPCの電源をつけて始業報告
・ミーティング前に朝の支度を整え、何食わぬ顔で電話に出る
・1日の段取りを決めて午前中の仕事を終え、昼休憩へ
・お昼、母の手料理(パスタorうどん)とアイスコーヒーを堪能しながらアニメを数本見る
・リフレッシュが済んだので午後は仕事に集中
・終業と同時におやつタイム

自分で言うのもアレですが、めっちゃ贅沢な暮らしをしていますね。

まず出勤する手間が省けたことで、起床時間が1時間半も遅くなりました。

個人的に「電車通勤」と「密室」がものすごく苦手だったので、そこのストレスがなくなり仕事効率も大幅にアップしました。

で、問題はお昼以降の過ごし方ですね。
一仕事終えた後に母の手料理とコーヒーとアニメが待っているのです。神かよ。
なお、母が実家に行っているときはカップラーメンがほとんど。
昼食ぐらい自分で作れや…とも思いますが、やはり母がいるときはつい甘えてしまいます。(今週から頑張る予定...w)

ちなみに終業間際にはお菓子とミルクティーが出てくることもあります。
そんな贅沢な暮らしをしていたら、リモート前と比べて10kgほど太ってしまいました。

痩せます。

最近の悩みは「リモート解除されたらどうしよう」です。
この自堕落な生活に慣れてしまった以上、社会復帰には時間が掛かりそうです。
あと、出社したときに「誰?」って言われない程度には体型を戻さなければなりません。(マジ)

コロナによって制限されたこと、狂ってしまった予定などは少なくありません。
今のところ身内に感染者・犠牲者が出ていないのはとても運の良いことだと思っています。

けれども、そんなコロナ禍で推奨された”新しい働き方”はどうやら私には合っているようです。


とはいえ、そろそろ早起きの練習ぐらいはしないとな…(遠い目

アズキ

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果物レッスン 2020(夏・キウイ、梨、林檎)

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(2020年3月27日 アルツハイマー認知症の診断から約13年1ヶ月)

 

果物レッスン

アルツハイマー認知症歴13年にもなりますと、

日常生活の中で、おママができる家事は少なくなってきました。

掃除洗濯は勿論ですが、台所仕事も難しいです。

特に調理は火を使いますし、1度に2、3の作業を同時並行させたりします。

並行させないとしても、手順というものがありますから、料理には短期記憶力が必須です。

それでも、おママは長年主婦として台所に立ってきましたから、私が調理をしていると気になる。

 

それで、台所仕事をしたいアピールをするおママの為に、考えたのが果物レッスンです。

必ず私が側で見守らなければなりませんが、包丁を使えるので、おママには達成感と満足感もあるようです。

 

切って、剥いて、また切って、器に入れる。

 

今のおママにはこれも四苦八苦だし、一段と難しく感じるようです。

でも、まだ嫌がらないので、当分の間は「果物レッスン」は続けようと思います。

 

キウイはビタミン豊富

初夏の柑橘類のシーズンが終わって、次に剥く作業のあるポピュラーな果物は梨だと思います。

しかし、それまでに間がある時、重宝なのはキウイです。

季節を問わず店頭にある!

しかも、1個百円ほどです、まとめ売りのパックだと、もっと安い。(^O^)

一応、すぐ剥いて食べるので、私はバラ売りを1個づつ買って実家へ持っていきました。

キウイは多少滑りやすいのですが、気を付けてもらうのもレッスンのうちです。

しかし、皮は剥きやすく、おママもそれほど大変ではないらしい。

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 剥いたら、縦半分に切ってから、横に3分割。これで、1人2切れづつ食べられます。

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待てど暮らせど…

今年の夏はやはりどことなく違いました。

例年では8月初旬から、スーパーの店頭に梨が並べられ、1個百円前後で幸水二十世紀梨が買えたものです。

ところが、なかなか出回らない。

「そろそろキウイを食べるのにも飽きてきた頃だから、梨がいいのだが…。」

ようやく8月下旬近くになって店頭に出るようになったら‼️

1個298円でした。2個パックは698円…。お高い…。

おママの「果物レッスン」用なんだから、ジジがお金を出すんだから、何も私が躊躇しなくてもいいのです。しかし、やはり私は主婦でしたわ。

昨年の3倍近い値に恐れをなして手が出ませんでした。

 

ところが…、ふと横を見るとリンゴがあるではないか❗️

それも1個198円。梨より安かった。

その為、今年は「梨レッスン」より先に「林檎レッスン」になってしまいました。(^O^)

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 おママなりに考えております。

 


2020年8月24日12:40〜

この動画はテレビの音声が入ってしまい、あまり良いとは言えませんが…、現在はこんな感じだという一例として、載せてみました。

 

でも、器に盛り付けたら良い感じになりました。(^O^)

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 まだ旬じゃないからお味はどうかと思いましたが、食べてみると甘味と酸味のバランスも良く、とても美味しかったです。

 

嬉しそうに林檎を頬張るおママに私は聞いてみました。

「お母さん、今食べているのは何かしら?」

「なんだろう、わからないわ。」

「果物なのよ。お母さんがさっきむいてくれた果物なのよ。」

「そうだったかしら。」

「この果物の名前は何でしょう?」

おママは笑顔で思案していましたが、

「これ、いつもの、あれよ、よくある、あれ」

知っているようなのに出てこない。

 

「おいしいわね〜。」

 

しまいには笑いながらこの一言で済ませようとしました。

「林檎よ。」

「あぁ、りんご、りんご。」

ふと考えてみれば、

美味しければ、名前なんてどうでも良いのですね。(^O^)

 

 満を持して登場❗️

9月に入り、スーパーの梨も少しお手頃になってきました。

2個入り498円❗️

実は私は瑞々しい梨が大好きなんです。正直、嬉しい。

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おママは頑張って剥いてくれました。 

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 きれいに盛り付けできました。

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(↓)過去の「果物レッスン」です。

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

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果物が高くて困惑…チャーコはチベットスナギツネみたいな顔になっている。

 

本日アップの貼り絵

果物の盛り合わせのような気分で選んでみました。

制作途中の写真がないのが残念です。

今までの切れ端で構成したようにも見えます。(^O^)

 

主に使用されたのが、2月に小津和紙で購入した千代紙です。

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ティッシュボックスの取り出し口も使われました。

下の写真の黒丸の部分です。過去におママはこの部分を残しておき、何度も貼り絵に使ってきました。 

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 (↓)こちらもその一例です。

harienikki.hatenablog.com

 

(↓)こちらの作品でも使われて包装紙も今回小さく登場しています。

harienikki.hatenablog.com

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私、チャーコは来週の月曜日に白内障の手術を行います。

そのため、来週はあまり読者登録をさせて頂いているブログを拝読する出来ないと思います。眼の方が落ち着いてきたら、またお伺いします。

更新の方はどうしましょう。

私は1週間ばかりお休みしますが、娘のアズキが代打を務めてくれるとか?くれないとか?

どうなることやら…。

では、みなさま、良い週末をお過ごしくださいませ。

 

 おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

クロード・モネにインスパイアされて❗️連作の楽しさ

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(2020年5月18日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

電気屋さんからもらったカレンダー

壁掛けカレンダーは月が変わると、ピリピリってめくります。

めくったその要らなくなったカレンダーは皆さんどう活用されていますか?

 

昭和一桁、捨てられない世代のおママは、勿論❗️捨てません。

特に電気屋さんから毎年頂くカレンダーは西洋の名画選ですから、勿論❗️捨てません。

溜まりに溜まっております。

 

最近は、私がこっそりゴミを丸めて捨てたり、掃除機のゴミ袋を取り替える時などに使用しております。(^O^)v

でも、おママが「これきれいね」なんて言ったら、別の用途を考えざるを得ません。

 

クロード・モネ様、申し訳ございません。

おママがコラージュするのに、使わせていただきます。

本当に、ごめんなさい。m(_ _)m

 

それで、今回はこちら。(↓)

おっと、写真を撮り忘れて、おママが折り目をつけて素手の切断していました。

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クロード・モネ 『オランダのチューリップ畑』

色彩が広がるチューリップ畑に風車。

そして青い空に白い雲。

この素晴らしい田園の空気感。

実物が見てみたいです。所蔵はオルセー美術館、制作年は1886年です。

 

おママの制作風景

1枚の絵画はそれが完成形です。おママは本能的にそれを感じるのか、あまり絵画を分割するのは好みません。

しかし、今回はハサミが滑らかに進みました。

色彩ごとにブロックができているから、分けやすかったのかも知れません。

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「ここも切って…。」

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「こんなふうに、しても良いわよね。」

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更に分割していくおママ。主に三角形のパーツがたくさんできました。

 

そして、構成です。(↓)

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お気に入り、手毬の千代紙を手に取って、切り抜き始めました。

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(↓)1枚目のイメージはまとまったらしく、2枚目の構成に突入です。

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(↓)2枚目はすんなり決まって、糊づけも簡単に出来ました。

そして、3枚目の構成に取り掛かる。

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この日はとても意欲的に取り組んだおママ。

恐らく、クロード・モネの力なのだと思います。モネがキャンパスに吹き込んだ色彩の息吹が、おママの創作意欲を刺激したのだと思います。

 

(↓)4枚目はちょっと趣向を変えてみたようです。

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完成‼️

1作目

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(2020年5月18日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

2作目

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(2020年5月18日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

3作目

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(2020年5月18日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

 

そして、本日トップ画像の貼り絵が4作目でした。

クロード・モネ様。有難うございます。

敬意と感謝を込めて…。m(_ _)m

 

(↓)こちらも電気屋さんから頂いたカレンダーを使っています。

harienikki.hatenablog.com

 

おママの貼り絵を見てくださり、有難う御座います。

『コーヒーを淹れただけなのに』

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(2020年6月7日 アルツハイマー認知症の診断から約13年4ヶ月)

 

悪夢を見た

9月7日月曜日の明け方頃、

私は鮮明にして衝撃的な悪夢を見て跳ね起きました。

全身、冷や汗をかき、悪寒に襲われ、それから先は殆ど眠れませんでした。

 

鮮明な夢を見て、醒めてからも覚えている事自体、最近の私には珍しいのです。

「あ、夕飯の後、トリプタノールを飲んでいなかった。」

緊張型頭痛の予防薬として、昨年の秋から、私は「トリプタノール錠10」を毎日半錠づつ飲むよう処方されています。実際、飲んでいた方が頭痛のコントロールは上手くいくので、続けています。ただ、このお薬は半錠でもよく眠れてしまうのです。

だから、覚えているような夢を見る事さえありませんでした。

薬を飲み忘れたせいか…?

福岡に友人が2人いるので、台風10号の事がとても気になっていた事も原因かもしれません。

 

それはコーヒー

私はコーヒーを淹れるのが好きです。

毎晩、自分とダンナ、アズキの為にハンドドリップします。

それも、ポットに3人分を1度に抽出するのではなく、ひとり分づつ3回に分けておこないます。面倒だけど、私はコーヒーを淹れている時の香りが大好き。

アロマを楽しむようにコーヒーの粉に湯を注ぎ、嗅覚と味覚で堪能しきるのです。

これは至福の時…。

 

私はいつものように小振りのヤカンを右手で持ち、細く湯を注いでいました。

よく蒸されたコーヒーの粉は、芳醇な香りとともに膨らんでゆきます。

「ほら、こんな感じよ。」

私の左隣にはアズキがいて、淹れ方を見て覚えようとしている。

私は1杯分の抽出を終え、ヤカンをコンロに戻そうとした刹那、

なぜか掴んでいたはずの右手を放してしまったのです。

あまりに突然でした。私は目の端で、熱い湯を湛えたヤカンが、私の足を狙って落ちていくのを感じた瞬間に、

「危ない❗️」

隣にいたアズキを思いっきり左手で突き飛ばしました。

 

そこで、目が覚めたのです。午前4時39分でした。

 

熱さも痛みもありません。だって夢だから。

しかし、恐らく熱湯から逃れられなかったであろう私の右脚と右足の甲に、痺れるような違和感が残りました。

昼頃まで恐怖の残像が残って、ザラザラとした気分に囚われていたのです。

 

あの時、とっさに娘のアズキを突き飛ばして守ろうとした…。

夢だけど、自分を褒めたい。

この事を当のアズキに話して、

「お母ちゃんに感謝せよ❗️」

と言ったら、

「そんなの、知らんわ‼️💢」

と言われてしまいましたわ。

ま、当然ですわね。夢ですから。

 

 おママとコーヒー

「 コーヒーが認知症に良いらしいよ。」

ジジはテレビや新聞で仕入れた情報は、すぐに試してみたくなるほうです。

 

この話は数年前から知っておりました。

一時はコーヒーの生豆に含まれる「トリゴネリン」という成分が物忘れに良いらしいと、「トリゴネコーヒー」を買ってみた事もあります。

「おママは(頭が)ハッキリしてきたようだ。」

ジジはそれなりに満足はするのですが、おママ自身は好き好んで飲むわけではない。

結局、ジジが必死に飲ませなきゃ飲まないのです。これは、すすめる方も疲れてきます。

それで、一時のブームのように過ぎ去ってしまいました。

 

最近、おママの認知症の症状が更に進んできました。

気になるジジとしては、「またコーヒーでも…」と思ったようです。

 

今度は毎朝、牛乳にインスタントコーヒーを入れてるとか…。(^O^)

「おママは飲むと少しシッカリしているような気もするが…。」

今回はジジもあまり期待はしていないのかも知れません。

コーヒーはどちらかというと、

あくまで、「アルツハイマー認知症予防に有効かも知れない?」という段階なのでしょう。

 

  (↓)認知症予防とコーヒーについては(↓)こちらをご覧くださいませ。

coffee.ajca.or.jp

ザックリと要約してみると、こんな感じです。

カフェインではなく、コーヒー豆に含まれる微量の「ピロカテコール」が有効なようです。

本来このピロカテコールは化学物質の中では「劇物」なので、微量が含まれたコーヒーを日に3杯くらい長期に亘って飲むくらいが良いとか…。

やはり、ミルクや砂糖の入っていないブラックが望ましい…。

 

私のような未来の認知症患者が、今からブラックコーヒーを飲んでいたら良いのかも?

毎晩せっせと淹れましょう。

 

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コーヒーのふわふわって膨らむ感じを描きたかったけど、難しすぎた…。(^◇^;)


www.sawaicoffee.co.jp

 本日アップの貼り絵

雰囲気的にコーヒーをイメージできそうな貼り絵を探してみました。

どれにしたら良いか悩んでいると、アズキが指差しました。

「これはコーヒーに合いそうなお菓子をお皿に載せたみたいよ。」

それで、選んでみました。(^O^)

 

 この作品は、私がクレバァを看取ってお葬式を済ませた頃、ちょうど私が実家へ行けない時期が続いていた時に、おママが制作したいものです。

あまり何日も貼り絵をしていないと、おママはハサミも使えなくなりそうです。

それを心配したジジが、このような「お題」をおママに出してくれました。

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 撮影は全てオネコさんです。(^O^)

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おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

生命の尊厳

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(2020年3月16日 アルツハイマー認知症の診断から約13年1ヶ月)

 

7月24日金曜日

梅雨も開けないまだ7月の昼前。

おママは朝から何をするでもなく、無気力に過ごしておりました。

そして、おママが望んだことと言えば、

「外を一回り歩きたい」

でした。

ジジとしては、これはちょっと困った事でした。

 

なにせ、認知症歴13年のおママは最近自分の名前すら覚束ない。

1人で外を歩かせるわけにはいかないのです。

 

天気も良くない。

ジジはシルバーカーを押しながらでないと外を歩けません。

雨が降れば傘がさせないのです。

 

しかも、私が最寄駅に着いて電話がきたら、買い物を頼まなければなりません。

「天気が良くないし、チャーコもそろそろ来るからダメ」

とジジは諦めさせようと言いました。

 

しかし、そんなことを言われて飲み込めるおママではありません。(^◇^;)

暫し、この押し問答が続いたとか…。

しまいにおママは、

「そんなこと言っていたら、私は動けなくなるから、

もう死にたい❗️」

という始末…。

さすがにジジも困惑気味。

「何も出来ないなら死にたい。」

言い張るおママに、ジジはこう言い聞かせました。

「無理に死ぬことは、決してやってはいけない事なんだよ。」

「死ぬ時は、たぶん一緒に死ぬんじゃないかと思うよ。」

そうしたら、おママはようやく黙りました。

 

「死にたい」の意味

この話をジジから聞いて、私が最初に思ったのは

「おママは死と言う概念がはっきりと意識できているのか…」

と言う事でした。

日常使う箸や茶碗、ポピュラーなバナナやリンゴのような果物でさえ、実物と名称は結びつかなくなっているのです。

トイレに自ら入っても、その排泄の場が「トイレと言われている」事は分からない。

ちょっとした感情表現も言葉で言い表せなくなっているのに、

「死にたい」

を的確に言葉にできたなんて❗️

私は軽く殴られたくらいの衝撃を感じました。

 

どちらも大切だが

今でもですが、これから、おママはもっとアルツハイマー認知症の症状が進んでいくでしょう。

きっと、自分で口に食べ物を運ぶ事も、トイレに行く事もできなくなると思います。

それは遠くない将来です。

 おママは何も分からず、動けず、何も出来なくなったら、もっと「死にたい」と思うでしょう。しまいには思う事すら出来なくなるかも知れません。

こうなってくると、おママの「生命の質(QOL   Quality of Life)」はどうなるんだろう。

 

「生命の質(QOL   Quality of Life)」

人間としていかに生きているか。生きている状態の質を重視するべきという考え方。

 

医学用語的には、尊厳死を考える上で対立する概念として、

「生命の尊厳(SOL   Sanctity of Life)」があります。

こちらは生きている人間の生命そのものが神聖であり、生命は尊いものである。だから、いついかなる状態でも死を選ばず生を選ぶという考え方です。

 

QOLについては、6月に自宅で看取ったクレバァの癌闘病の時にも常に思い考えた事です。いかに、残された時間を、クレバァが日常の中でクレバァの願う通りに過ごしていくか。これは本当に、大切な事だったと思います。

 

でも、同時に「生命の尊厳」は絶対に大事だと思うのです。

 

「無理に死ぬことは、決してやってはいけない事なんだよ。」

ジジの言う通りだと思います。

 

どちらも尊重されなければならない事です。

でも、介護者の立場から考えると、私はやはり「生命の尊厳(SOL)」に重きを置かざるを得ません。

 

 ジジはポツンと私に言いました。

「おママも、やれることが一つでも有れば、生きられるのではないか?」

 

あぁ、そうかも知れない。

やはり、ママが今も辛うじてやっている事を、続けていくしかない。

そう思いました。

 

 (↓)用語について、参考にさせて頂きました。

http://ai-medica.jp/blog/2016/0420_211834.html

 

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いっしょに頑張ろう!

 

本日アップの貼り絵

 3月16日制作ですから、かれこれ半年前の作品です。

この日のおママがとても意欲的で、下記の記事(↓)の貼り絵もやったのですよ。(^O^)

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

 

 材料はお馴染みの「小津和紙」で2月に買った千代紙です。

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 この千代紙はまだ充分残っているので、又おママに使ってもらいたいです。

 

実はこの作品の制作途中の写真を撮っていなかったのです。がっかり…。

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www.ozuwashi.net

 

 おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

芋けんぴ と かりんとう

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(2020年8月7日 アルツハイマー認知症の診断から約13年6ヶ月)

 

年齢を重ねて分かる味

今週の月曜日(8月31日)に実家へ行ってみると、ダイニングテーブルの上に食べかけの芋けんぴの袋とまだ買ったばかりのかりんとうの袋がありました。

 

芋けんぴは土日に2人でファミリーマートに行った時に、おママがジジにねだって買ってもらったのでしょう。

かりんとうについても似たようなものです。

「それはね、午前中にクリニックへ行った帰りに買い物をして、おママが買えというから…。」

話を聞けば、2人きりでクリニックに薬を処方してもらいに行ったとか…。

しかも、買い物までするのですから、ジジもおママも元気です。

でも、お疲れでしょうから、かりんとうでも芋けんぴでも食べて下さい…。(^O^)

 

おママと芋けんぴを食べていて、ふと思いました。

私はいつから芋けんぴかりんとうを食べるようになったのかしら?

 

私が子供の頃は高度成長期。

お菓子も次々と目新しいものが出てきました。

正直言って、芋けんぴかりんとう「おばあちゃんのお菓子」と思ってました。

実際、同居していた父方の祖母やおママが食べていて、勧められたことはありました。

でも、イマイチ、食べる気にはならなかったです。

(チョコレートやクッキーの方が良かった…。)

 

若い頃は和菓子は好きだったけど、不思議と芋けんぴかりんとうはイメージが違いました。きっと、昔の私には地味なお菓子に見えたのでしょう。

若い頃の私って、お菓子も見かけばかりに囚われて、浅はかだったのね。(^◇^;)

 

それが、今はとても美味しい。

これは大人の味って事ですか?

年齢を重ねてしみじみ感じる美味しさです。

芋けんぴかりんとう結構コーヒーにも合うんですよ。

私はコーヒーはブラック派です。

芋けんぴかりんとうの甘い風味が、ブラックの濃い味わいに良く響きます。

 

おママが袋から小皿に芋けんぴを出しました。

「あなた、いかが? どうぞ。」

「ありがとうございます。美味しいですね。」

「美味しいわね。もっと、どうぞ。」

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おママの話し方だと、全く私を娘とは思っていなくて、まるでお客さんの扱いなんですけど…。(^O^)

ポリ、ポリ、ポリ…。

それでも、

細長い芋けんぴを摘みながら、おママと一緒に口に運んでいるたら、

私は何だか幸せな気持ちになりました。

私がこの美味しさを感じるようになるまで、おママが元気でいてくれて、

一緒に「美味しいわね」と言いながら食べている。

 

些細な事なんですが、ほのぼのと思いました。

 

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芋けんぴシスターズ⁉️ 違う‼️親子です。

 

 

本日アップの貼り絵

 2020年8月版の「今月のイチ押し」と同じ日に制作されて、材料となった紙片も同じ小袋の中から出てきたものです。

harienikki.hatenablog.com

 (↓)これです。

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 8月7日に制作されたもう一枚も、構成が出来上がるまでに、紆余曲折ありました。

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 更に糊付けの段階でも変化して、ようやく完成しました。

こちらは少々「幻想的な華」でしょうか。(^O^)

 
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。