
(制作年月日不明 アルツハイマー型認知症の診断前 2005年頃)
harienikki.hatenablog.com
*今年半分を終えて
娘のアズキには「一端のアニメオタク」と言われている私です。
私の1年の生活のサイクルは4分割されています。
現在、日本のアニメは1クール3ヶ月を基準にしています。3ヶ月毎に視聴しているアニメは一区切りとなり最終回を迎えて一新されるので、録画したものをいつ視聴していくか?どのアニメを配信サイトで観ていくか?を中心とした私の暮らしのリズムは3ヶ月毎に変化していくのです。
全く以って平和ですね。(^◇^;)
私にとって、アニメの視聴はあまりお金の掛からない良い娯楽です。
今回は1年ぶりにアニメのレビューを書いてみようと思い立ちました。超超長文なのでご興味のない方は「さーーーっ」とスクロールしてくださいませ。m(_ _)m
前回はサイゲームズピクチャズのオリジナルアニメ『アポカリプスホテル』でした。
harienikki.hatenablog.com
私は現実逃避の傾向が強いので、ファンタジーやバトル系など非現実な世界観の作品や歴史物が好きです。現実的な話や学園物、ラブコメは興味ないので基本的に観ません。今更、恋愛話には全くそそられませんから。(^◇^;)
2026年の冬クールは大好きな『葬送のフリーレン』の第2期がありました。たった10話しかありませんでしたが、文句なく素晴らしかったです。
そして4月から6月の春クールで、私が一番心を惹かれたのが『葬送のフリーレン』と同じマッドハウスが制作した『淡島百景』です。
awajima-anime.com
これは宝塚音楽学校をモデルとした淡島歌劇学校を中心とした人間模様を描いているオムニバス形式の物語です。原作は志村貴子原作の漫画『淡島百景』。
www.ohtabooks.com
あれぇ?
学園ものは、私、観ないはずだったけど…どうしちゃったのかしらね。
実は私は学生時代から6〜7年間宝塚にどハマりしていました。バイト代を注ぎ込んで、公演があれば毎回、日比谷の宝塚劇場に観に行っていたのです。でも、今は観ないようにしてます。だって、また観始めたら絶対ハマるのがわかっているからですわ。(^◇^;)
それで、ちょっと興味が湧いたので観てみました。
*画風に似合わず挑戦的な作品
水彩画がそのまま動いているようなシーンも多く,実に柔らかで綺麗な作画に心を惹かれました。
第10話(全12話)まで、毎回2話から3話の事なるエピソードが綴られていきます。
どのエピソードも淡島歌劇学校や淡島歌劇に関連する人々の心の機微や葛藤が描かれて、内容は深く心に沁みます。原作の『淡島百景』も素晴らしいのですが、アニメは映像表現としての演出も良く、更に解像度が上がっていました。
しかし、このアニメは視聴者を選ぶというか、万人受けは難しいかな…。
なぜなら、オムニバス形式の物語で、各エピソード毎に時代も主役も変わります。
しかも、それらの時代や人物について,何ら説明がありません。
これは原作漫画も全く同じで、アニメの浅香守生監督は原作の雰囲気をを大事に制作されたらしい。(↓)
youtu.be
今のアニメの傾向としては、世界観や登場人物についての説明が台詞やナレーションでしっかり語られることが多いです。たとえオムニバス形式の物語でも時代や時系列に沿って流れがあればわかりやすいのですが、『淡島百景』はおよそ70年くらいの時間をランダムに飛んでいるのです。
そのため毎回、話が変わるたびに「あなたは誰?」「これはいつの時間軸の話なの?」と視聴者は画面を観ながら自問自答することになります。
まず、その説明の少ないまま語られるエピソード群を前に
「へぇ、今回はその視点なのね」
と泰然自若として視聴する事をお勧めしたいです。(^◇^;)
そして、ファンタジー物やバトル物のような動きの派手なシーンは皆無だから、画面的には地味め。しかも、驚くことに、歌劇学校を舞台にしているのに、歌劇のシーンがほぼほぼ無いに等しい。
正味24分ほどの時間にこれでもかというほど情報量が詰め込まれたアニメが主流の今、
よくもまぁ、この『淡島百景』がアニメ化されたものだと思います。
緻密な演出、繊細で美しい画面を観れば、計り知れないほどの作画コストがかかっているアニメなのだと分かるのですが、
逆に言えば、「派手な作画はない❗️説明も少ない❗️」この作品は、視聴者が能動的に観ようとしなければ堪能できない。近年の中でも稀に見る挑戦的で尖ったアニメだったと思います。
それでも内容は深く、環境も状況も違うけど、視聴者は毎話どこか経験した事のある心の痛みを感じるのではないかと思います。
淡島歌劇学校寄宿舎に集った生徒や卒業生、親戚縁者、そしてファンや入試を突破できなかった人など、様々な立場の視点から淡島歌劇との関わりを描いた群像劇。
描かれた人々の心の機微や葛藤など悲喜交々なエピソードは一見散発的だけど、回を追うごとに伏線が繋がっていきます。
みんな 淡島に未来を思いたかった
希望を与えられたくて そうして舞台を作り 舞台へ足を運んだ
美しいものに混じる 濁った血のようなものを つまびらかにして
それでも なお光を感じていたい
岡部絵美や小野田幸恵や伊吹桂子の物語は いつだって私たちの日常に在る
誰も知らない未知の出来事ではない
ただかわいそうと呼ばれるだけの人を ただ石を投げられるばかりの人を 私は作りたくなかったし
誰だって望まないことだと信じている 信じたかったのだ
<引用−12話の終盤の田畑若菜のナレーション、「淡島百景』5巻150〜154頁
最後の2話でこの群像劇は一冊の本の出版、それが世に出た後の社会的な波紋へと、集約されていきます。
結論から言ってしまえば、物語の最後はビターエンドでした。
宝塚歌劇の大階段をスターが歌いながら降りてくるような、豪華なグランドフィナーレのようにはいかないのです。
だって『淡島百景』はスポットライトの当たる舞台ではなく、その袖や裏側、外側に息づく人々と、その心の光と影を集めた物語だから。
むしろビターエンドが相応しい。
それでも、未来への光を感じる美しい終わり方だったと思います。
(↓)ファンアートです。背景の風景はアニメのキービジュアルを参考にしました。人物は原作漫画のコマを模写しました。模写ってやはり勉強になりますね。久しぶりにファンアートを描いて、とても楽しかったです。伊吹桂子さんだけ美化して描きました。美人女優だった祖母に「あんたは少しお直しが必要だね」なんてひどい言葉を投げつけられた彼女は、絶対に美人に描いてあげたかったです。

*参考までに…
これからアニメを見る人の参考になればと思い、私のメモを書きを載せます。(ネタバレも含みます。)ご興味のない方は飛ばしてくださいませ。
①キーパーソンは4名
群像劇で登場人物も多いのですが、取り敢えず4名だけは把握しておくと理解しやすいです。因みに伊吹・岡部世代と田畑・竹原世代は親子ほどの年齢差がある。
*田畑若菜(芸名は葉月青ハズキアオ)卒業後淡島歌劇で女優となり引退後は執筆活動。在校中も卒業後も伊吹桂子を恩師として慕う。後に伊吹と岡部の事を題材にノンフィクション作『惜別の日々』を執筆する。
*竹原絹枝(芸名は小鳥遊陽タカナシアキラ)田畑若菜の1年先輩でルームメイト。容姿端麗で佇まいが常に美しい(田畑評)努力家で才能もあり人柄も良い。卒業後は淡島歌劇でトップスターとなり多くのファンに支持され、退団後も女優として活躍。淡島歌劇で『惜別の日々』が舞台化される時、退団者ではあるが伊吹役(だと思う)のオファーを受ける。伯母は岡部絵美の中学時代の親友エッちゃん。
*伊吹桂子 祖母の代から3代に亘る淡島歌劇出身のエリート家系。しかし本人は自分に華がないことも理解していて、容姿端麗で才能もありスター性を兼ね備えた岡部絵美を羨望の眼差しで見て親しくしていた。しかし、ある事をきっかけに桂子がリーダーとなって岡部絵美を孤立させ、結果的に退学に追い込んだ。後に淡島歌劇学校の教師となる。
*岡部絵美 中学時代の親友エッちゃん(竹原絹枝の伯母)によると「絵美ちゃんが淡島を目指したのは必然じゃった」というほど美人でスター性に恵まれていた。歌劇学校では将来を嘱望されていたが、同級生の羨望はやがて嫉妬と憎悪に変化した。そして歌劇学校を退学して芸能界を諦めた。
②電話から推察する時系列
原作もアニメも全く年代的な説明はないのですが、人物同志の年齢差や物語中に使われる電話によってある程度推測は可能です。
<ざっくりと固定電話時代>
山路よし子(伊吹桂子の祖母 芸名 日柳夏子)は戦前から戦後に淡島歌劇に在籍、退団後もずっと舞台女優だった。
山路ルリ子(伊吹桂子の母)は1950年代前半に在学在団か?その後結婚して伊吹姓になった。
伊吹桂子・岡部絵美世代は1950年代後半生まれか?淡島歌劇学校時代は1960年代後半から1970年代初頭か。
浅上レオ(本名 浅香みどり)の代表作は『エリザベート』のトート役。宝塚歌劇での『エリザベート』の初演は1996年なので、トップスター浅上レオの全盛期はおそらくこの頃だろう。宝塚歌劇でもトップに上り詰めるのは入団から7年から10年くらいはかかると思うので、彼女が歌劇学校に在学していたのは1980年代後半ではないか。
山県沙織(芸名 鏑木夕希)四方田かよ(芸名 悠木みほと)と武内実花子の在学中は まだ携帯電話はあまり普及していなかったようだ。固定電話がまだ主流か。武内は実家への連絡に歌劇学校寄宿舎の公衆電話を使っていた。ガラケーが普及する少し前の1990年代中頃か。
<ガラケーが普及した世代>
田畑若菜・竹原絹枝世代はガラケー時代。寄宿舎生活で個々に二つ折りのガラケーを所持している。おそらく彼らが歌劇学校に在学していたのは2000年代初頭から半ばごろか。
ガラケーは、1990年代後半から一般に普及し始め、特にiモードなどのサービスが開始された1999年以降に爆発的に広がったと思う。私(チャーコ)が初めてガラケーを購入したのは2001年の3Gサービス開始頃。ここから2011年頃までが日本のガラケー文化の全盛期だったようだ。
<スマホ世代 すでにSNSも普及している>
小鳥遊沙羅・藤沢江里・雅楽川静香と一年先輩の柳原加代子世代が在学していたのはスマホ時代。かなりSNSも普及して,ほとんどの登場人物がLINEを使っている。これは私の想像だが、彼らの在学期間は2010年代の後半からコロナ禍前ではないか。
田畑若菜が岡部絵美の実家に電話をした時、岡部絵美の弟夫妻から画面越しで顔が見えるオンライン電話を提案された。オンライン電話やオンライン会議が普及したのはコロナ禍以降なので、田畑が『惜別の日々』の取材をしたのは2022年から2023年以降か。
因みに漫画『淡島百景』の最終巻である第5巻が発行されたのは2024年5月です。作者の志村貴子さんは「あとがき」で5巻準備中に「そうこうしているうちに現実に悲痛な事件が起こりました」と、この問題に心を痛めて一旦執筆が止まったそうです。宝塚歌劇団がパワハラを認めて謝罪会見したのは2024年3月でした。
私たちはみんな傍観者で 共犯関係だったと思う。
引用−竹原先輩の言葉『淡島百景』5巻147頁、アニメ12話終盤
それでも淡島歌劇に未来や光を感じていたかった。
*本日アップの貼り絵
制作年月日は不明です。収納されていたファイルから考えて2005年年ごろの作品だと思います。
広告写真を使っているので、私の想像ですが、『銀座百点』に掲載されていた画廊の広告ではないかと思います。東郷青児の絵かな。
クラフトパンチを上手に使ってピースを組み合わせていて、とても綺麗な作品です。

おママの貼り絵を見てくださり,有難うございます。