アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

青天の霹靂

(2020年2月21日 アルツハイマー認知症の診断から約12年)

harienikki.hatenablog.com

一日違うよ

オネコさんが旅行に行くので、ジジには8月21日水曜から24日土曜までショートステイに行ってもらいました。

そに出掛けに関するゴタゴタは全記事に書きましたが、実は今回は帰宅に関してもちょっと事件(大袈裟です)が有ったのです。

harienikki.hatenablog.com

8月23日金曜日の事でした。

私は本来金曜日は実家当番なのですが、当のジジがいないので、実家にはいきませんでした。

丁度,夕方に銀座にあるクリニックの予約をして、終わったら娘のアズキと合流し、夕ご飯を食べる予定でした。それで午後は早めに家を出て、日本橋で用事を済ませ,まだ時間があるのでスタバでのんびりとコーヒーを飲んでいました。

久しぶりの、都会のど真ん中でブレイクタイムを満喫していると、いきなり私にスマホが鳴りました。画面を見るとジジのスマホからの着信でした。

(また監禁されている❗️)

とかいう妄想話かも知れない。面倒くさいから一瞬スルーしようと思いました。

でもしつこく鳴っているので、私は心を入れ替えました。

「あの、田中太郎様の娘様のお電話で間違い無いでしょうか?私はショートステイの〇〇○のスタッフ⬜︎⬜︎です。」

受話器に向こうは女性の声で,かなり切羽詰まった様子です。

「はい。父がどうかしましたか?」

「いま、ご自宅のお玄関の前にいるのですが,ご家族様がどなたもいらっしゃらなくて…。」

「どうして実家の玄関の前にいらっしゃるんですか?」

「本日23日16:30にお送りすることになっていましたが、ご家族様がいらっしゃらなくて鍵が開きません。」

そうなのです。ジジはドアの鍵を施設に持参していたけど、玄関には暗証番号キーがあるのです。しかもジジは番号を忘れてしまったので開けられません。電話で暗証番号を教えてジジに家に入ってもらっても、今夜は食事もなくどうしようもありません。

harienikki.hatenablog.com

「こちらは24日土曜日の16:30に送っていただくようにお願いしています。1日間違えていらっしゃいますよ。」

「そんな、間違いではありません。施設側では23日16:30でお受けしています。」

そう言われても、困ってしまうわ。

私はジジを施設に連れ帰ってもらうしかないと判断しました。

だって、24日土曜までって申し込んだし、薬も24日昼までの分をセットしています。

「もう一度よく確認なさってください。姉は旅行中で都内におりません。私もこれから診察の予約があるので、今日は全く対応できません。それでお願いしたのですから。」

この女性スタッフは恐らく指示通りに車を運転してきただけでしょうし、玄関前で歩行困難のジジを抱えて気の毒です。でも、仕方ありません。声の主は困惑していました。

「では、もう一度確認して、折り返しお電話します。」

結局

通話を切ってから、私はすかさずオネコにLINEをしました。オネコさんはケアマネさんに予約を依頼する時は、必ずメールでやり取りをしています。その文面を確認してもらうとやはり「24日土曜日16:30の帰宅」で予約が受理されていました。

『ケアマネさんか施設のどちらかがミスったのかもね。』

それから15分以上経っても折り返しの電話がありません。

まさか、歩行困難な高齢者を玄関前に放置する事はないと思うけど、どうなったのか連絡が欲しい。

待っても電話が来ないので、私はケアマネさんに電話をして事情を話しました。

するとケアマネさんも意外そうに言いました。

「こちらの事務所の予定表では、24日土曜日の16:30となっています。必ず予約はファックスやメールで文字の形でしていますし、予約受理の返事も同様にしているので間違いはありません。」

別に私はあなたの間違いを指摘したいわけではない。

「そうですね。とりあえず私が知りたいのは、いま現在,父がどこでどうなっているかです。施設に戻れているのかをケアマネさんから確認して欲しいです。」

「了解しました.直ぐにお返事します。」

切ってから3分もかからずにスマホがなりました。

「お父様は施設に戻られました。明日16:30に御帰宅です。」

まぁ、きっと施設内で連絡ミスでしょう。配車の手配を1日間違えて入力したのだと思います。人間だから間違いはあるし、ジジが予定通り翌日まで泊まれてご飯が食べられれば、私としては文句はありません。

でも、肝を冷やしましたよ。

ジジだって、家に帰ったと思ったら、また引き返すのは気に毒だったと思います。

翌日,約束の時間に帰ってきたジジは、申し分なくご機嫌でした。

前日の話をすると、「そうだったね」くらいで拍子抜けするほど普通でした。

恐らく、よく覚えていないのでしょう。

それなりに,記憶が薄れるって、案外幸せなことかも知れません。

本日アップの貼り絵

2020年2月21日の作品です。

この貼り絵も制作途中の写真がないので、私のいない時におママが1人で取り組んだのだと思います。

三角形の花のピースはカレンダーに印刷されていた絵です。

ルノアールの『花瓶の菊』です。

2019年12月2日に、おママはこの絵を貼り絵に使っていました。

(↓)素敵な連作になりました。今回はこの時の残りを活用したのでしょう。

harienikki.hatenablog.com

ピンク色の三角形は請求書の入っていた封筒の内側の模様です。

そして、記憶がなくても何度見てもおママが好んで使った友禅紙「波紋」の紺。

www.ozuwashi.net

(↓)同じ日におママはこの貼り絵も制作していました。

harienikki.hatenablog.com

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

胸のポケットにしのばせて

(2020年2月3日アルツハイマー認知症の診断から約12年)

harienikki.hatenablog.com

8月のショートステイ

夏休みの後半、それも8月の台風の合間を縫うように、オネコさん夫妻は娘の柚ちゃん一家と旅行に行きました。

自分達がジジババ世代になってみると分かるのですが、孫達と旅行が出来る期間は案外短い。だから、たとえ高齢親を抱えていたとしても、そんなチャンスは大事にしたいものです。

このような時、ジジに利用してもらうのはショートステイです。

ショートステイは宿泊を伴う介護サービスで、3食おやつ付。2日以上連続利用すれば入浴もできる、介護者にとっては有難い施設。(^。^)

ジジが昨年から利用しているショートステイは比較的予約が取りやすいのですが、自己負担分はホテル並です。但し完全個室で、歩行器でも入れるゆったりとしたトイレも完備されています。プライバシーは担保されているし、テレビも見放題、新聞も各紙読めるので、まぁ御本人は満足できる施設でしょう。

とは言え、ジジは96歳。それなりにボケてます。

(↓)前回は、前もって数日前から繰り返し伝えていたのに、迎車が到着したら「行くなんて知らなかった」「トイレに行く」と大騒ぎになった前科もあります。それだけでは治らず、夜中にオネコさん宅へ電話をして

「誘拐されて監禁されているんだ❗️」

ということも…。

harienikki.hatenablog.com

それで、今回は数日前から

21日水曜日から24日土曜日までは、用事があってオネコもチャーコも来られません。そのため、お父さんはその間はショートステイに行きます。よろしくお願いいたします。

と書いた紙をテーブルの目に付くところに置いて置き、何度も読んでもらっていました。

その作戦が功を奏したのか、今回はジジもしっかり予定を覚えていたようです。

出かける時の習慣

さて、ジジがショートステイに行く予定をしっかり把握していると、どんな行動を取るでしょうか?

ええ、ジジ自らの判断で外出の準備をするのです。(^。^)

それが全く不要な準備だったりするので、実際に送り出すまで目が離せません。

特に現金や鍵などの貴重品は紛失の恐れもあるので、施設からは持ってこないように言われています。

ところが、ジジはどうしても持って行きたくなるんですね…。

「出かける時は、ちゃんとお金を持っていかないと、なんかあったら困るだろう。」

大人なら当然の思考です。ジジは多少ボケても、そこは揺るがない。

丁度ジジを送り出した直後にオネコさんからLINEが来ました。

『ジジは無事ショートステイに行きました。

いつもの事だが、出る前にジジは密かにクレジットカードとお金をポケットに入れようとしていたから、言い聞かせてやめさせたよ。

しかし、出た後でお財布見たら一万円札がない❗️(千円札は9枚もあるが)

ジジったら、一度は一度は断念したのに、

私の目を盗んでポケットに万札入れたのかな…。

通帳やキャッシュカードはオネコさんが管理していますが、ジジはまだある程度自分でもお金を管理したいと思っています。

それで、普段は小ぶりのショルダーバックの中に、数万円ほど入った財布、主に電話料金などを払っているクレジットカードと保険証やスーパーのポイントカードを収納したパスケースを入れて、ジジの分かる場所にしまっています。

「あらら…。」

つまり、ジジは貴重品の入ったショルダーバッグごと持っていくのではなく、

財布を丸々持っていくでもなく、

コソコソと自分の財布から、お札だけ抜き取ってポケットに入れたのか?

(なんだよ、コソ泥みたいな事して…。(^。^))

想像すると笑えます。

恐らくジジ本人も、現金持参が禁止されている事を、薄々認識しているのでしょう。

すぐに施設へ連絡しましょう

しかし、笑ってばかりはいられません。たとえ本当にポケットにお金が入っていたとしても、きっとジジはその事を忘れてしまう可能性が高い。

施設では入浴の後、衣類は他の利用者さんの物と一緒に洗濯をするので、

「洗濯物の山から、誰のか分からない一万札が見つかった❗️」

という最悪の事案が発生するに違いありません。(^◇^;)

更に、オネコさんとのLINEでのやり取りから、ジジの着ているチョッキのポケットには玄関の鍵が入ったままになっている可能性が高いと判明しました。

「お金はともかく、鍵は確認してもらわなきゃならないから、直ぐに施設に電話してみるわ。」

それで,結果は案の定でした。

急遽、施設のスタッフが調べたら、ジジのポロシャツのポケットから両方共見つかりました。一万札2枚は裸のままだったそうです。

これらは施設の金庫で預かることになりました。

良かった。やはり電話して良かったね。施設もウチらもお互い安心だわ。」

でも、ジジはせっかく持っていた万札を取り上げられて不貞腐れているかも?

「お金取られたと思って、また監禁された妄想が起きないといいけど…。」

「ジジがこの件を忘れてくれますように❗️」

幸い今回はジジから不穏な電話はなかったので、無事お忘れになったようです。

(^◇^;)

本日アップの貼り絵

2020年2月3日の作品です。

私が実家にいない時に、おママが1人で取り組んだ貼り絵なので、途中経過写真がありません。それで今まで掲載していなかったのかなと思います。

 

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

月末企画❗️今月のイチ押しリターンズ(2018年8月版)2枚ある

(2018年8月12日アルツハイマー認知症の診断から約11年5ヶ月)

(2018年8月3日アルツハイマー認知症の診断から約11年5ヶ月)

harienikki.hatenablog.com

この8月

暑かったこの夏。

アラ還の身体にはかなり堪えました。

そして、この8月は地震と台風に翻弄されました。

精神的にも結構キツかった。

私は低気圧が原因の頭痛で、このところ何度も鎮痛剤のお世話になっています。

長く居座った台風10号の影響は大きかったと思います。

災害の被害に遭われた地域の方々にお見舞いを申し上げます。

とは言え、まだ終わったわけではなく、この週末は近畿・東海・関東が影響を受けそうです。どうぞ、皆様、急激で強い雨にご注意くださいませ。

「今月のイチ押し❗️リターンズ❗️」とは

昨年の1月におママが特別養護老人ホームに入所したので、もう、新しい貼り絵作品は出来ません。(面会時にシール遊びはしますが…)

一昨年まで、「月末企画❗️今月のイチ押し❗️」は当ブログの月末恒例行事でした。

オネコと私は「イチ押しミーティング」をして、特に印象に残る作品を選んできました。

それはすぐに意見が一致することもありましたが、紛糾する(大袈裟です)こともしばしば…。

しかし、それも出来なくなりました。寂しいものです。

「今月のイチ押し」は今見ても素敵な作品が多いです。当時を思い出して、今、感じることもあります。

そこで考えたのが「リターンズ❗️」。

6年間72枚の中から、私が特に好きな作品を再びご紹介する企画です。

(↓)先月の「イチ押しリターンズ❗️」です。

harienikki.hatenablog.com

紛糾の末

2018年8月末の「今月のイチ押し」は2枚ありました。

これはオネコさんと私で毎月話し合っていた「イチ押しミーティング」で納得の1枚を決められなかったからです。

一応、「おママのオリジナリティが高い」と言う理由で、私はオネコさんが選んだ作品に譲った形になりましたが、どうしても気が済まなかったのです。

基本的に私以外の人にはどーでもいい事でした。でも私的には治らなかった。

おママの制作を見守っていた私のこだわりだったのでしょう。

それで「オネコselect」「チャーコselect」と2度に分けて、しかも月を跨いで9月に入っても「月末企画❗️」に記事を書いたのでしょう。

思えば、6年間の中で、こんな事は時々ありました。

今、再び

見返してみて、どちらも綺麗で素敵な作品だったと思います。

「オネコselect」はすっきりとした構成です。

改めて見ると、この作品の主役はチューリップではなく、中央の三角形を組み合わせた部分だったと思います。元の紙が何であったかはわかりませんが、水色地に白いストライプが入っていたのでしょう。その白い線を有効に活用しているのが、おママの主眼だったのではないか。

残念ながら,私のいない時に制作されたので、途中経過の写真がなかったのです。

多分,それで私は渋っていたのでしょう。

harienikki.hatenablog.com

チューリップの紙について、おママは遡る事5ヶ月前から、目にする度にどうするか考えては纏まらず忘れるを繰り返していたようです。(↓)同年4月9日撮影。

(↓)因みに上の写真で途中になっていた貼り絵は、こんなふうになりました。

harienikki.hatenablog.com

一方「チャーコselect」の方は躍動感があります。

おママが一生懸命切り抜き並べて楽しんだ姿を、私は見ていたからこその共感もあったと思います。

harienikki.hatenablog.com

(↓)元々はこれでした。

2017年の秋に、おママは楕円形の取り出し口の部分を面白がって、貼り絵に活用していました。

harienikki.hatenablog.com

それで、「お題」にしてみたのですが、、おママが強く心を惹かれたのは箱に印刷されていた野菜の写真の方でした。

(↓)細かく切り抜いているおママ。

(↓)次におママは並べて楽しんでいました。

結局、6年後の今現在で考えても、甲乙付け難い。(๑˃̵ᴗ˂̵)

本当にどっちでも良かったと思います。

2018年の8月、おママは39枚の貼り絵に取り組みました。

ハガキ大ですから小さな作品ですが、暑い夏にも関わらず、おママは精力的だったと思います。

ほとんどこれしかやることがなかったとは言え、そのエネルギーは素晴らしかった❗️

 

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

 

ジジとカップ麺

(2021年3月12日アルツハイマー認知症の診断から約14年1ヶ月)

harienikki.hatenablog.com

想像以上に出来ない

前々回の記事で、私はこんなことを書いていました。

災害時に私やオネコさんがジジの食事の用意が出来なくても、

ジジが何か温かいものを自分で食べられないものか…。

harienikki.hatenablog.com

今後、オネコも私も実家に行かれず、ジジは温かい食事を摂れない事だってありえます。

電子レンジは使えないけど、ジジは電気ケトルでお湯を沸かすことはできます。

インスタントのカップラーメンはあまり好まず食べなかったけど…。

背に腹は変えられません。

時々、食べさせて慣れてもらおうかな…。

でも、お湯を注ぐのは危ないかな?(^◇^;)

ジジは96歳。歩行器がなければ屋内の移動すらままなりません。

認知症テストはしていませんが、年齢相応にかなりボケてます。

食器を自分で食器棚から出して食べ物を載せる。

そんな行為も難しくなっています。

私が思いつくのはカップ麺くらいなものでした。

でも、オネコさんはカップラーメンは無理だと思う」との見解でした。

ものは試しです。実際にジジにカップ麺に挑戦してもらうことにしました。

実は2022年の夏に、ジジがコロナで入院、私とおママも感染して実家で自宅療養をしました。その時に自治体から支援物資を頂き、その中にカップ麺がたっぷり入っていたのです。それで、今からちょうど2年前ですが、その時はまだジジも自分でカップ麺を作って食べていたはず…。

その時に割と口に合って抵抗なく食べていた商品を今回も用意してみました。

マルちゃんの「麺づくり」です。

https://www.maruchan.co.jp/products/search/mendukuri_toridashishio.html

それでやってみて、どうだったか?

2年前は出来ていた事が、私の想像以上に難しくなっていました。

個人差がある問題なのでなんとも言えませんが、90代後半に一人でカップ麺を作って食べるというのは、かなりハードルが高かったです。(^◇^;)

何が難しいかって…

それは全ての工程です。

カップ麺を作るって、それなりにポットからお湯を注げる年齢になれば,多くの人があまり考えないでも出来る事です。しかし、ジジの場合は認知機能が衰えてきたせいか、どうしたらいいかが分からなくなっていました。

①まず、容器を保護しているフィルムを剥がすのに四苦八苦。目と手先も衰えているから余計に難しい。

②容器の蓋を剥がすのが困難。どうやったらいいか分からないので,私が説明した後に実行。左手で容器を固定して、右手でベリッと剥がそうとしたら、上手く支えられずに容器を転がしてしまったのです。

③私がカップの中から小袋を取り出すように説明したら、何とか小袋を外に出せたが、

「これ,どうするの?」と途方に暮れていました。(↓)

④私に促されて、かやくの小袋を開けてカップの中に出していますが手先がうまく使えず難儀していました。

⑤歩行機に電気ケトルを乗せてテーブルまで運びお湯を注いでいます。写真では難なくやっているようだけど、実際はポットを持つ手が震えてかなり危険。それでも、このタイプのカップは広口なので安定感があるけど、カップヌードルのような形状のカップだと余計に危険だと思いました。

「何分待ったらいいの?」

ここまでの行程は全て私の懇切丁寧な説明と手ほどきが有ったから出来ました。

ところが、ここにきて、ジジは颯爽とポケットからスマホを出して時計がわりに時刻を見つめているではありませんか❗️しっかりしている事をアピールしていました。ただし、ストップウォッチ機能があることはご存知無い。

⑥4分後、蓋を完全に剥がす時がまた危険。左手で容器を支え切れず、容器からお湯が溢れそうになりました。結果として、蓋を取り除いたのは私です。後から粉末スープを入れるのですが、モタモタしているうちに湯気で湿って全部容器に投入する事ができない。これも最終的には私がやりました。

結論として、ジジ一人では無理。

オネコさんの言う通りでした。

食べてはみたが…

麺を食べるのは問題なかったのですが、

「やっぱり、そんなに美味しくない、こんな容器じゃなくて、チャーコさんが作ってくれるような食器(ラーメンどんぶり)に入ったお蕎麦の方がいい」

とご不満のようでした。

「でも、私もオネコさんも来られない時に、お父さんが一人で食べられないかと思ってやってみたのよ。」

「インスタントでも袋に入った麺をどんぶりに入れてお湯を注ぐだけのが良いよ。」

チキンラーメンね。」

「そう、それ。チキンラーメンならどんぶりで食べられるじゃない。そっちがいい。」

つまり、使い捨ての容器では味気ないのでしょう。

「気持ちはわかるけどさ…。」

一人でどんぶりを食器棚から出せるのか?

食べた後に、一人でどんぶりを洗えるのか?

やっぱり、姉の言うことは正しかった。

能力的な問題以前に、

ジジは感覚的に、カップ麺は無理でした。(°_°)

本日アップの貼り絵

2021年3月12日の作品です。

カップラーメンのイメージに合うかなと思って,選んでみました。

「お題パック」を使っておママが一人で取り組んだ作品です。

*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について

2019年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。

その「お題パック」は(↓)これでした。細かい切り落としばかりですね。殆どはゴミ箱に行くような紙片ばかりです。

(↓)元々は「シュガーバターの木」の包装紙でした。美味しいお菓子です。でも、この包装紙の商品は現在は販売されていないかもしれません。期間限定だったかも?

www.paqtomog.com

ちょうどこの2021年3月12日に、おママはこのお菓子の包装紙をハサミで切って遊んでいました。その残りを集めた「お題パック」だったのです。

(↓)チャーコは夕食の準備で忙しく、ほとんど見守りはできませんでしたが、おママは一人で楽しんでいました。

写真の中で制作中だった貼り絵はこんな感じに仕上がりました。(↓)

もしかしたら天地が逆かしら? どっちでもいいですね。(๑˃̵ᴗ˂̵)

(2021年3月12日アルツハイマー認知症の診断から約14年1ヶ月)

 

(↓)同じ2021年3月12日にはこれらの貼り絵も制作していました。

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

(↓)関連作品です。

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

 

おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。

おママの手遊び(てすさび)2 紙テープの栞

(2022年12月18日アルツハイマー認知症の診断から約15年10ヶ月)

harienikki.hatenablog.com

てすさび

おママはとても手先の器用な人でした。

おそらく、これは若い頃から、いえ、きっと子供の頃からだったのでしょう。

ほんの少しの暇な時間でも、手を動かして何かをやっていました。

それは若い頃の染色だったり、裁縫や手編みだったり、

中年期は革工芸からルリユール(ヨーロッパの伝統的な本の装丁技術)まで、

趣味として続いていました。

そんな大袈裟なことではなくても、ちょっとした材料があれば、手遊び(てすさび)で一人の時間を楽しむことができました。

(↓)認知症になっても到来物のお菓子の包装材を使って謎の工作を実に精巧にやってのけておりました。

harienikki.hatenablog.com

今回ご紹介する「おママの手遊び」は、細い紙テープを組んで作った栞です。

「本日アップの貼り絵」の中央にドドンとロケットみたいに縦に貼り付けてある。

それなのです。

使用した紙テープはピンクと水色の約7ミリ幅です。その2本をどのように組んだのか。どんな資料を参考にしたのか。私には良くわかりません。

おママが自分で作ったことは間違えないのですが、それがいつであったかも不明です。

私がブログを始めた2016年の12月には既におママの作業机の上にありました。

「きっといつか、おママはこの栞を貼り絵に活用するのではないか?」

そう思っておりました。

 

このおママ手製の栞は1枚だけだったのでしょうか?

大抵おママは試行錯誤を繰り返しながら何本か拵えると思うのです。

そう思っていたら、最近思いがけず、見つけました。

先月末に書いた「今月のイチ押しリターンズ」でご紹介した写真の中にもう1枚写り込んでいました。

赤い矢印のところです。ハガキより小さい用紙に、既に貼り付けていました。組み方が明らかに違うので、おママは幾通りかの組み方を試していたのかもしれません。

「なんだ、おママはやっぱり昔手遊びで作った栞を貼り絵に使っていたのね。」

ちょっと嬉しかったです。

残念なことに、この写真に写っている作品は現時点で見つかっていないので、何処に行ってしまったのでしょう。(^◇^;)

harienikki.hatenablog.com

取り敢えず、最後に残った1枚の栞が紛失せずに「おママの貼り絵」に納められて、良かったと思いました。

本日アップの貼り絵

2022年12月18日の作品です。

おママは年が明けて2023年1月に特別養護老人ホームに入所したので、15年以上続いた「おママの貼り絵」の最晩期の作品です。

この時期のおママはもうあまりハサミが使えなくなっていました。

私が一生懸命おママの手に握らせても、私が切るところを見せても、なかなか切れなくなっていました。だから基本は貼るだけでした。

この日は(↓)このような材料を揃えてみました。

「もう、明日、貼り絵ができなくなっても不思議でない」

そんな状況だったので、実は是非ともおママに使ってもらいたい物があったのです。

それが赤い矢印のところに有る紙テープの栞でした。

今までも、何度か「お題」の中に混ぜていたのですが、イマイチ関心が向かなかったのですが、ようやくおママは興味を持ってくれました。(↓)

画面の真ん中に貼ろうと決めたようです。

(↓)下地にやわらかな色合いの紙を貼っています。

(↓)こうしようかな。

(↓)気が変わりました。上部の左右に対となるピースを配置したいのですが、新たに切らないとダメなようです。

おママが大好きでよく貼り絵に使ったハワイの包装紙。これを手にしたおママはご機嫌でした。

自分ではなかなか持てなくなったハサミを、私がおママに手に握らせてみました。

すると思いの外すんなり進むではありませんか。(↓)

youtu.be

<おママの貼り絵制作動画>

2022年12月18日 10:44〜(1分27秒)

おママはまず長方形に切りました。

そしてハガキの画面を確認して、右ピースと対になるにはどのように切るべきか考えていました。

マ「これとこれのなかが……これだよね。」

ハサミで指し示しながら確認しています。

チ「頭いい❗️」

そして完成しました。

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

地震に台風の夏

(2020年1月23日 アルツハイマー認知症の診断から約12年11ヶ月)

harienikki.hatenablog.com

冴えない夏

お盆の休みが終わると、8月の後半は駆け抜けるように終わるでしょう。

私は夏に弱い体質なので、毎年8月は心身ともにパッとしません。

今年はさらに負荷がかかってる印象です。

台風5号で大きな被害を受けた地域もあって、更に猛烈な台風が連休終盤に関東を直撃する可能性もありました。

私は台風が近づくと頭痛に襲われると言うこともありますが、ストレスの主な原因は8日に発表された「南海トラフ地震情報『巨大地震注意』」でした。

harienikki.hatenablog.com

私の希望的観測通り、8月15日木曜日の夕方に解除されました。

実のところ、我が家も実家も非常食は1週間分にも満たない備蓄です。その補充にはそれなりに日数がかかりますから、心底ほっとしました。だからと言って、もう危険がないと言うわけではないので、しばらくの猶予がもらえたような気がします。

アマゾンに注文した非常用トイレは最初は8月20日に到着するはずが、翌日には9月7日に変更されていました。きっと注文過多になったのでしょう。

今まで気にはなっていたけど購入には至らなかった非常用トイレですが、今回の「南海トラフ地震情報」に背中を押されたのは良かったと思います。

今後の検討していくのは「ポータブル電源」とか「ポータブル蓄電器」といわれるものです。でも、結構高額なので、なかなか手が出せませんね。

台風7号

8月16日金曜日は台風7号が関東に上陸又は最接近と予報されていました。

この台風はのろのろと速度が遅い上に勢力が強い。当日は首都圏の在来線は一応動いてはいましたが、新幹線は事前に東京名古屋間が終日運休と発表されていました。

丁度、16日金曜日は私の実家当番の日。

前々日からオネコと連絡を取り合って、暴風雨で私が実家に行かれない場合について話し合っていました。実家から歩いて7分ほどの場所に住んでいるオネコさんだって、暴風雨の中を歩いてジジに食事を届けるのは無理でしょう。

「そうか…。もう電子レンジが使えないから、ジジは温めて何かを食べることはできないんだ。」

(↓)結局、電子レンジはまだ買いなおしていません。

harienikki.hatenablog.com

「前日にたくさんパンやおにぎりを買っておいて、適当に1人で食べてもらうか。」

でも、温かいものが食べられないのは気の毒かも。

あれこれ考えたのですが、結局、私は前日15日木曜の夜遅くに実家に行きました。

いわゆる「前のり」ってやつですね。(๑˃̵ᴗ˂̵)

実家最寄りの駅に着いたのは夜の22:30でした。スーパーは午前0時までやっています。店内はその時間でもかなり混雑していました。私もでしたが、明らかに夜のうちに翌日の食材を全て購入しておこうと言う感じで、パンや牛乳の棚は空っぽ。肉も残りわずかでした。

なんとか必要なものを購入して、実家へ到着すると、廊下までジジのいびきが轟いておりました。

ジジは恙無く、何よりです。

台風が再接近した16日、私は実家で頭痛に見舞われましたが、なんとかジジの食事は用意できました。結果的には外出しないで良かったです。夜遅くまで暴風雨は断続的に吹き荒れていましたから、もう一泊して土曜日にジジをデイサービスに送り出してから自宅に帰りました。

今回は私が「前のり」してなんとか凌ぎましたが、今後、オネコも私も実家に行かれず、ジジは温かい食事を摂れない事だってありえます。

電子レンジは使えないけど、ジジは電気ケトルでお湯を沸かすことはできます。

インスタントのカップラーメンはあまり好まず食べなかったけど…。

背に腹は変えられません。

時々、食べさせて慣れてもらおうかな…。

でも、お湯を注ぐのは危ないかな?(^◇^;)

本日アップの貼り絵

2020年1月23日の作品です。

私が実家にいない時におママが一人で取り組みました。その為、途中経過写真や動画はありません。

前記事,全然記事でご紹介した作品に使われたのと同じマーブルペーパーが登場しています。丁度台風の話題に合うかなと思って載せました。(๑˃̵ᴗ˂̵)

マーブルペーパー4枚は、ほぼ三角形ですが、各辺のカットが素敵ですね。

おママはピンキングハサミを何本か持っていて、ギザギザだけでなくこんなカットも楽しんでいました。

(↓)こちらの作品にも使われていました。

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

(↓)このハサミです。結構切るのが難しいです。

(↓)このマーブルペーパーです。

(↓)関連作品です。

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

昭和人・平成人

(2019年11月25日 アルツハイマー認知症の診断から約12年9ヶ月)

harienikki.hatenablog.com

 

台風五号のお被害のあった地域の方々にお見舞いを申し上げます。

 

終戦から79年の日に思う

www3.nhk.or.jp

昨日は8月15日。終戦記念日でした。

私は戦後生まれですが、戦争の惨禍は繰り返してはいけないし、今後もその記録や記憶を大切に継承していきたいと思います。

私なりに、このブログでも、地元台東区が大きな被害を受けた東京大空襲についてまとめてきました。それはライフワークとして続けていきたいです。

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

それでも、終戦から79年と聞くと、改めて第二次世界大戦が遠い歴史になっていくような気がします。

私は昭和41年(1966年)生まれです。

両親のジジは昭和3年,おママは昭和8年生まれ。昭和一桁世代ですね。

だから、私にとって子供時代の高度成長期や学生時代のバブル期でも、

両親には、それはガッツリ「戦後」でした。

この「戦後」って感覚は、世代によってかなり違うと思います。

昭和時代は本当に長い。

昭和元年は1926年12月26日から始まり、その終焉は昭和64年(1989年)1月7日でした。その初年は6日間、最終年は7日間でしたから、

実質は62年と13日。

うーむ。やはり長いですね。

ジジやおママのような昭和一桁世代や、戦中戦後の混乱期の記憶がある世代にとっては、今もずっと「戦後」かも知れません。

いえ、きっと昭和のどこかの時点で「戦後」は終わったのでしょう。

その区切りの時期は、個人個人で、それぞれ違うのだと思います。

しかし、昭和の中盤に生を受けた私にとって、「戦後」とは親世代の記憶に共感して学ぶものでした。

つまり,私は幸いなことに、自分が生きた昭和は「戦後」ではなかったのです。

私の昭和は、ほぼ22年間。

平成は30年と4ヶ月。

あれれ…。平成の方が長いですね。

しかも社会に出て、結婚し子育てに明け暮れ、それが一段落して又働き、人生で一番忙しく充実したかった時期は、バッチリ平成時代なのです。

そう考えると,ジジやおママは昭和生まれの昭和人ですが、

私は昭和生まれの平成人なんじゃないか…?

還暦間近のオバさんが何を世迷言を言ってるんだ❗️

そう笑われそうですが、

終戦の日に改めて自分にとっての昭和や、生きてきた時代を考えると、

「私は昭和生まれの平成人。もしくは昭和と平成のハイブリッドだ❗️」

と思いました。(^◇^;)

これからも令和の時代がずっと平和でありますように。

 

(↓)こんなことを言ったら、絶対に平成生まれのアズキに呆れられそうですね。

因みに、娘のアズキは今年の秋に30歳になります。(๑˃̵ᴗ˂̵)

本日アップの貼り絵

2019年11月25日の作品です。

前回の記事でご紹介したこの作品(↓)と同じマーブルペーパーを使っています。

harienikki.hatenablog.com

写真のデータを探していたら、制作途中の写真が1枚みつかりました。

グリーン系のピースは写真です.きっとおママの好きだった『銀座百点』に掲載された広告写真の一部ではないかと思います。

harienikki.hatenablog.com

www.hyakuten.or.jp

 

おママの貼り絵を見てくださり,有難う御座います。