(2021年4月12日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年2ヶ月)
*一周忌
月日が経つのって早いものだなと思います。
コロナ禍の中、末期の胃癌を患ったク義母レバァを看取って、明日でちょうど一年になります。
5月中に一周忌の法要を終えて、あの怒涛の日々を思い起こす事が多くなりました。
私なりに一生懸命やったつもりですが、なにせ在宅で看取るまで、本当に大変だったのは、1ヶ月ほどです。
あれこれ悔いがないと言えば、嘘になります。
2019年の秋に、クレバァはステージ4の胃がんと肝臓への転移が見つかりました。しかし、本人は高齢なので手術も抗がん剤も拒否。
丸山ワクチンのみを受けつつ、自宅で5ヶ月間、普通通りに過ごしました。
その間、食事や洗濯など、「実家に行かない日はお手伝いします」と私が申し出ても、
「いいのよ、大丈夫だから、、チャーコさんはご実家の方だけでも疲れるでしょう。お母様をしっかり見てあげて。」
自宅とクレバァの家は歩いて1分の距離、しかも職住接近です。ダンナが毎日顔を出していました。
私もその環境に甘えて、ほぼ実家の事にかまけていたのです。
いざ本格的に介護が必要になった時に、つくづく思いました。
もっと日頃から声をかけて、クレバァがちょっとした事でも頼みやすい関係性を構築しておけば良かったと。
しかし、クレバァはプライドの高い人だったから、人の世話になったり、弱いところを見せるのは嫌だったのかも知れません。
コロナ前は義姉も月に2回はきていましたが、家事の手伝いは全く求められなかったそうです。後で聞いてみると、
「結局、人に家の中を触られるのが嫌なのよね」
とのことでした。
気持ちはわかるわ。誰だって人の世話にはなりたくないし、他人に家にはいられたくないわ。
でもさ…。いざ、本当に高齢になったら、それでいいのかしら?
クレバァは生き辛くなかったのかしら?
今、私はクレバァの家に住んでいます。
その家財の片付けの時にいろいろ考えました。
そして、これから歳をとっていく自分への教訓としたいです。
主に3つあります。ありふれた事ですが、肝に銘じたいと思います。
*歳をとる心構え その1 プライドより素直なSOSを
あくまで、私が認知症にならずに高齢化するとしましょう。
体調不良や暮らしに問題を抱えたら、早めに身近な人に相談するべし。
義父が亡くなってから、クレバァは全てが面倒くさくなっていたのだと思います。
1年以上体調不良を抱えていたようですが、近くに住む息子夫婦にも、娘にも、果てはかかりつけ医にさえ、それを黙っていたそうです。
癌がもっと早く発見できれば、クレバァはもう少し長生きできたかも知れません。
そして、暮らしのあれこれも、問題を感じながら手をつけられなくなってしまいました。
それが、恐怖のG問題です。あの黒くて嫌なやつです。
奴らはクレバァの家の中を日常的に跳梁跋扈していたのです。これに関して、クレバァは悩んでいたようですが、
「ウチ、ゴキブリが結構出て困っているの」
と息子に打ち明けられたのは、亡くなる2ヶ月前でした。
話を聞いてダンナはすぐにゴキブリホイホイとコンバットを幾つか設置しました。
クレバァが亡くなってすぐに、私が家中にホウ酸団子系の毒餌を100個ほど置いて、引越し前に薬剤散布しました。それで、現在奴らは鳴りを潜めています。
しかし、引越し前の掃除の時、台所、リビングを中心に夥しいフンが見つかり、私もダンナも気が遠くなりました。G達は食器棚の中にも入り込んでいたのです。そして、特に台所のシステムキッチンの中がひどかった❗️
その掃除は、素量もう大変。(涙)
全ての引き出しや物入れはまず掃除機をかけました。アルコール消毒を繰り返しました。そして水拭きと空拭きです。
システムキッチンの掃除だけで、2日かかりました。
必死に掃除しながら、私は思いましたよ。
この、Gの影に怯えながら、ずっとクレバァは食事の用意をしていたのかと。
嫌だっただろうな…。早く相談してくれたら、その悩みを軽減できたかも知れないのに。
プライドが高くて、なくなる少し前まで、告白できなかったのでしょう。
*歳をとる心構え その2 便利なものは使うべし
クレバァのシステムキッチンにはビルドインの食洗機があります。
しかし、クレバァは家を建て替えてから20年、1度も使った事がなかったのです。
以前私はクレバァに聞いた事があります。
「食洗機をなんで使わないんですか?」
「私が歳をとって、洗い物ができなくなったらと思って、お父さん(義父)がつけてくれたの。でもね、私はまだ大丈夫だし、そういうものは使わないのよ。」
笑顔で答えるクレバァは、その時70代でした。
(いつ使うんだ?)
私は呆れて二の句が告げませんでした。
長年、主婦として台所に立ってきた矜持があるのでしょう。
食洗機なんか使ったら、負けだわ❗️という意識があったのでしょう。
でも、本当に高齢になって食器洗いが出来なくなってきた時に、説明書も行方不明になった食洗機を使いこなすのは無理でしょう。
結局、現在この食洗機は私によってフル稼働しています。
システムキッチン内で唯一Gの侵入痕がなかった場所ですし、使えるだけ使い倒すつもりです。
まだ、新しいものに挑戦できるうちに、便利な家電はどんどん活用するべし!
*歳をとる心構え その3 捨てましょう
とにかく、物を捨てられない人でした。
親の代からの不要物が物入れにひしめき、押し入れは使っていない古い布団に占領されて、義父母の布団はしまう場所すらなかったようです。(要するに季節に合わない布団も出しっぱなしになります。)
私はこれらを鬼の形相で処分しました。実際、ダンナには「鬼!捨て魔!」と罵られました。
私達の生活に要らないものをとっておく必要はありません。
不要物はさっさと捨てるべし❗️
決して、不要物の処分を娘にはさせません❗️
私ったら、まるで、亡くなった姑の悪口を羅列しているようですね。
でも、クレバァとの思い出は良い事の方が断然多かったです。
最後まで色々な事を教えてくれました。感謝しています。
そして、家族みんなでお見送りできたのは、本当に幸せな事だったと思います。
クレバァのお気に入りで、最後の枕元にも飾っていた額紫陽のダンスパーティー。
クレバァを偲んで久しぶりに水彩絵具で描いてみました。
難しいです。上手く描けませんでした。
クレバァはきっと優しいから「あら良いじゃないの」と言ってくれるかも知れません。
でも、来年はもう少し上達して、軽やかで華やかなダンスパーティーにしたいものです。
*本日アップの貼り絵
私の大好きな作品です。
私のいない時に、おママは「お題パック」を使って制作しました。
(この「お題パック」から、こういう作品になったか…。)
かなり感心しました。
「お題パック」はこちら。(↓)
昔、おママっが買ったと思われる謎の紙を使っています。
(↓)不思議なクリーム色の形はおママが自分で切りました。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
(↓)関連作品です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。」