(2019年2月6日 アルツハイマー型認知症の診断から約12年)
前回の続きです。ジジとおママは年に一度の健康診断を受けておりました。
*指示が理解できない。
次は心電図。
どなたもご経験がおありだと思いますが、心電図を取るときは素足になる必要があります。靴下を脱いだだけで素足になれるなら、検査着に着替えるのは上半身だけで良いはず…。しかし高齢女性の常として、おママも下半身は重装備です。
ガードル、タイツ、更に足先は靴下2枚…。(^O^)
しっかり上下ともお着替えが必要になりました。
「えーっ、どうして~?」
「心電図を測る為にお着替えが必要なの。出来る?」
「出来るわよ…。」
しかし、納得してないから、余計に動作が鈍いのですね。見るに見かねて、私が「お手伝いします!」と強引に着替えさせました。
「芙貴子さん、横になって下さいね。ちょっと冷たいけど、すみません。」
看護師さんに言われて横になるものの、手足や胸に器具を付けられて、おママはどうも落ち着きません。
「冷たい…。」(¬_¬)
「お母さん、すぐ終わるから我慢してね。」(^_^;)
不安顔のおママに看護師さんは言いました。
「芙貴子さん、手足を動かさずにダランとしていて下さいね。」
計測開始。しかし、おママは直ぐに足を動かし、両手を胸のあたりで組みました。
当然の事、心電図の波形はエラーとなり、看護師さんは用紙をビリッと切って新しくしたのです。
「芙貴子さん❗️手は真っ直ぐにして力を入れないで下さいね。足も動かさないで。」
計測開始。しかし、おママは急に掌を握りしめて足をバタつかせました。
「お母さん、動かないで…。」
すると、おママは私を見て、にっこりと笑いました。(°_°)
当然、今回もエラー。看護師さんはビリッと用紙を切りました。
「芙貴子さん‼️動かないで下さい。」
私はおママが気が散るといけないので、カーテンに身を隠しました。
しかし、3度目の正直とはなりませんでした。
カーテンの隙間から様子を伺っていますと、おママは直ぐに手足を動かすのです。多少イラついている看護師さんは心電図から用紙を切り取りました。
その激しいビリビリッという音に、私は申し訳なくて肩をすぼめました。
しかしながら…。「動かないで下さい」と言われると、おママは動くのです。
もしかして、「動かないで下さい」を「動いて下さい」と誤解しているのかしら?
看護師さんはおママが認知症であることを知っています。だから仕方がないと思ってくれます。でも、これって認知症でなかったら、かなりの意地悪ばあさんですよね。
(^O^)
*過保護なムスメ⁉️
その後、体重身長を測るおママを見守りつつ、私は「動かないで❗️」と声掛けをしました。
先生に促されておママが1人でレントゲン室に入る時も、先生の指示通りに出来るのか心配でたまりませんでした。
「お母さん、私はレントゲン室に入れないから、先生の言う事をよく聞くのよ…。」
そう言いながら、私は自分が何者なのかと思いました。
(娘が小さい頃はこんな気持ちだった…。)
その当時、私は「過保護な母親」と言われていましたわ。
全て検査が終わり、手際よくおママを着替えさせて、一瞬ホッとしました。
でも、重大な(笑)懸案事項が残っておりました。そうです。採尿です❗️
恐らく、去年まではコップを渡して「おしっこを取って来てください」と言われれば出来たのでしょう。でも、今のおママの記憶力では、かなり怪しい。
トイレの個室に入る前に言って聞かせても、おママは便座に腰掛けたくらいで忘れそうです。
(仕方ない。ここはサポートが要るわ。)
「お母さん失礼します。おしっこを取らなければならないから、一緒に入りますよ。」
「はいはい。」
しかし…、まぁ…、私はコップをあてがうも、上手くお小水を受けられなかったんですね…。チャーコ、過保護の末に失敗の巻です。(ToT)
すると、おママが急に語気荒く言いました。
「ダメじゃないの❗️かしてごらん❗️」
そして、私からコップを取り、上手に自分でやってのけました。
おママ…お小水を止めてたのね…。えらい…。
「ほら、ごらん。」
採尿のコップを看護師さんに渡そうとトイレを出たところで、私はジジと看護婦さんの会話を立ち聞きしてしまいました。
「芙貴子さんはもうお着替えができなくなってしまったんですか?」
「あ…、いや…、出来るんだが…。」
確かに、時間をうんとかければ、まだ出来るんです。でも、こんな場合は時間かけていられませんよね…。
私は何だか過保護を咎められたような気がして滅入ってしまいました。
しかも、当のおママには「ダメじゃないの❗️」と叱られたし。(°_°)
なんでしょう。この日の私は完全に空回りしていました。
*結果は (^O^)
後日結果が出ました。
予想通り、おママはコレステロールの数値が高く、ジジは低過ぎです。
血糖値は2人とも正常な範囲。他、ジジは貧血気味です。
ジジの心電図の結果のところに「右脚ブロック」とありましたが、取り立てて何も言われていないので、まだ治療の必要のない段階のようです。
それにしても、おママは指示通りに検査を受けるのが難しくなってきたようで、来年はもっと大変になるでしょう。
おママが何かの病気になって入院したらと考えると、目眩がしそうです。
そうならないためにも、健康診断は受け続けてもらいたいと思いますが、
今後、どうなることやら…。(^。^)
*本日アップの貼り絵
広告の写真を使っているようです。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。