(2017年5月26日 アルツハイマー型認知症の診断から約10年3ヶ月)
*上の⬆️貼り絵の日
午前中に実家に行ってみると、おママは作業机に向かっていました。
その後ろ姿には没我的な集中力を感じます。この日、午前中は雨降りでした。
「お母さん、手元が暗くありませんか?」
私が声をかけると、おママはようやく我に返って「大丈夫よ」と答えました。
でも、また、作業に我を忘れてしまいます。
近づいて見ればベルンの昔の包装紙の模様を一心不乱に切り抜いているのです。
ここ数日、この模様ばかり切り抜いて、既にたくさんパーツ化しているのに。
「あら、お母さん、そんなに切り抜いているの?無くなっちゃうわよ。」
「いいの、いいの。」
答えながらも手を止めない姿に強い意志?こだわり?を感じます。
同じ単純作業の繰り返しって、人によったら堪え難いかも知れないけれど、私は割と好きな方だし、おママもそうなのかも知れません…。
午後はこれを使った貼り絵をするかも知れない。それで、私はハガキを1枚作業机の上に出して置きました。
* 昼過ぎに様子を見てみると…。
おママは又、模様の切り抜きに没頭していました。
「あら、お母さん、そんなに切り抜いているの?無くなっちゃうわよ。」
「いいの、いいの。」
同じ会話を繰り返した時、私はふと思いました。
おママはこの模様の切り抜きを繰り返す必要があるんだと…。
貼り絵に使うとか使わないではなく、切り抜くという作業自体に意味がある…。
繰り返す作業に心が癒されるとか…?
そんな印象を持ちました。
まさに無我の極み。(笑)
夕方、帰る時に作業机を見たら、
椅子にファイルが出しっぱなしになっていました。
開けてみると、切り抜いたパーツを配した新作が入っていました。(笑)
……。私の考え過ぎでしたかね〜。