(2020年6月26日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年4ヶ月)
*制作時間の悩み
最近のおママは放っておくと眠っています。
ロッキングチェアでグッタリしていたり、1階寝室のベットで横になっていたり。
本当に眠っているのか、眼を瞑って休もうとしているのか傍で見ていると分かりません。
これは私達の想像ですがおママは頭が疲れるのだと思います。
アルツハイマー型認知症のおママでなくても、私だって根を詰めて考えていると、
「脳が震えるぅ〜‼️」(←リゼロのペテルギウスのネタ)
となりますもの。おママだったらさぞや……。
ここ数ヶ月、おママは私が選んで「お題」にした紙と、数ある切れ端の中で自分が選んだ紙を組み合わせて貼り絵をしています。
それでも、デザインや紙をどう切るか?どう組み合わせるかは、おママが決めて貼っています。おママの脳にはかなり負担なのではと思います。
しかし‼️
おママには貼り絵制作を続けて欲しい。
でも、あまり集中しすぎると、おママは疲れすぎてしまい、かえってデザインをまとめられなくなるという逆効果に陥る。
おママが集中しすぎて限界に達する前に、オヤツ休憩を入れたり、
「今はもうやらない」
とおママが言ったら、さっさと止めて続きは次回(次に私がくる日)に持ち越すようにしています。
*意固地にさせちゃう時もある…。
しかし、私も人間ですから、しばしばおママの機嫌を損ねることがあります。
6月22日月曜日の例ですが…。
広いダイニングテーブルで貼り絵をしていたおママ。
3枚一緒にイメージが膨らみかけたのですが、1枚完成出来たところで限界に達しました。
それがこちら(↓)
白地にクリーム色の模様が入った菱形は小津和紙の包装紙(和紙を買うと店員さんが包んでくれる包装紙)を使っています。赤い三角は元が何であるか不明です。
(2020年6月22日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年4ヶ月)
*おママ爆発
「もう今はやらないわ。」
「じゃあ、続きはまた今度ね。」
「そうね。」
「ここはご飯を食べるテーブルだから、お母さんの部屋の机の上に置いておきましょう。」
私が糊付けされていない紙片の載ったハガキを大事に移動させようとしたら、おママが激しい口調で言いました。
恐らく「ご飯を食べるテーブル」も「お母さんの部屋の机」もおママは理解できなかったと思われます。
「ちょっと❗️ダメ‼️ あなた❗️どこへ持っていくのよ❗️」
「え、分からなくならないように、お母さんの作業机に置いておきますが。」
「そんなの、勝手に私のものを持って行かないで❗️
私が、自分で分かるようにしておくのよ❗️」
おママ、そんなに叫ばなくたって良いでしょう…。私は捨てるわけじゃないんだし。
おママが分かるようにしたって、おママは直ぐに分からなくなるじゃないの。
私は内心思いましたよ。(^◇^;)
しかし、おママは眼を三角に吊り上げて怒っています。
「それをここに置きなさい!」
私は仕方なく、平らにして持っていたハガキを、ダイニングテーブルに置きました。
それでおママがやったことは、ハガキを一枚一枚ティッシュペーパーで包み、ダイニングテーブルの上にある新聞紙の下に滑り込ませたのでした。
(これは絶対、分からなくなる。行方不明になる。)
私は確信しましたが、怒っているおママの前ではなすすべもありませんでした。
しかし❗️
5分後、私は新聞紙の下から例のブツを救出し、おママの作業机に移動させました。
その時、おママは自分が貼り絵をした事も、怒った事も忘れていましたから。
今のおママは忘れてくれる。
だから、おママを意固地にさせるほどの事ではないのです。
私もまだまだ未熟です。
もっと良くおママの感情の起伏を見ていれば、怒鳴られる事もなかったのだと反省してます。
あ、途中になった2枚ですが、6月26日金曜日に仕上がりました。
おママはご機嫌で制作中(↓)
そして、出来上がったのが本日アップの貼り絵とこちらです(↓)
(2020年6月26日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年4ヶ月)
*綺麗すぎる「お題」
6月22日の昼下がり、おママはやることもなくロッキングチェアにもたれ掛かってぼんやりしておりました。
それで、私は又おママが昔に買い集めていた大判の千代紙やマーブルペーパーから「お題」を考えてみました。
それで私が選んだのはこちらです。(↓)
綺麗でしょう。(^O^)
マーブルペーパーのようにも見えますが、それに似せて作られた模様で、印刷されています。
認知症になる前のおママは、もしかしたら自分でこの紙を貼り絵に使っていたかもしれません。しかし、どうも大判の紙にハサミを入れた形跡がなく、私が最初のようにも思えました。
この紙を見せた時、おママは「きれいだわーー」と声を上げました。
眠そうな半眼だったのに、おママの目は急にパチリと開きました。
「これを使って遊んでみましょう。」
私の言葉に、おママは紙を眺めました。
しかし、この綺麗さにおママは圧倒されたのでしょう。
「もったいないわよ」
と躊躇していました。
でも、10センチ幅に切っておママに渡すと、模様の流れを指で辿りながらイメージを膨らめていきました。
そして切り抜き始めると、見えていなかった形がおママの目に浮かぶのか、どんどんハサミが進んでいくのでした。(↓)
でも、この作業は結構おママの眼と頭に負荷がかかったかなぁ…。
こちら(↓)一番下のブルーを使っています。
おママのお気に入り。(↑)小津和紙の千代紙です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。