アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

お菓子の包装紙

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     (2017年4月7日  診断から約10年2ヶ月)

 

  4月はあっという間に過ぎてしまいました。

私には今月だけでなく、毎月そうなのです。

おママの世界にとって、今日が何月何日であるかは無意味な問題です。

流れた月日を数えるより、今この瞬間しか存在しないおママ。

それにひきかえ、あくせく時間に追われている私。

でも同じ時空に生きています。

 

  4月は何度かこの包装紙をつかいました。⬇️

どちらのかしら?

よく見ると(株)ベルンの昔の包装紙でした❗️

 

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   ベルンは関東近郊のデパートに出店しているお菓子屋さんです。

3層のパイ生地にクリームをサンドしてチョコレートでコーテイングした、『ベルンのミルフィーユ』が有名です。(関東限定か?)

 

  もう、20年以上前のことですが、おママはベルンの『世界のお菓子コレクション』という焼き菓子の詰め合わせが好きでした。

初めは誰かから頂いて、美味しかった❗️

自分でも買ったり、人に差し上げたり…。

私も結婚してから一度、おママにプレゼントしたことがあります。

この包装紙はその頃のものでしょう。大事にとっておいたのね。

懐かしい〜。

そう思うのは私だけですね。

過去のないおママにとっては、気の利いた包装紙という認識だけです。

 

「お母さんはこの包装紙のお菓子が好きだったわ。」

「そうだったかしら?この紙は厚くてシワがよっているから切りにくいわ〜。

 

    最近、デパ地下に行き、ベルンのお店でカタログを貰いました。

『世界のお菓子コレクション』は今もあるんですね。9月10月の限定商品でした。

 

  ベルンのHPを貼り付けたかったのですが、店員さんによると、HPはないそうです。

 

  久しぶりにベルンのミルフィーユを食べました。美味しい。

9月になったら、『世界のお菓子コレクション』をおママに上げましょうか。

思い出すわけないけど、昔みたいに一緒に食べたいわ。

 

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        (2017年4月22日診断から約10年2ヶ月)

 

NHK 『認知症 ともに新しい時代へ 第3回
』の感想です。

 

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    (2017年3月21日 診断から約10年1ヶ月    不思議な雰囲気の貼り絵ですね。おママとしては具体的なイメージはないようです。)

 

  一昨晩、何気にテレビをつけたら、
あらっ⁉️夜なのにイノッチ‼️
いえ、そこに反応しているわけではなく…。(笑)
22時15分からNHK綜合で認知症の特集番組をやっていたのです。

それで、MCの1人がNHKの朝の顔V6の井ノ原快彦さんでした。(笑)
内容的には知らなかった事もあり、興味深かったです。

介護のヒントを4つ取り上げていました。

 

『 認知症 ともに新しい時代へ 第3回
驚きの介護術でみんなハッピー!』

www.nhk.or.jp

◉水分補給で症状改善⁉️
えーっ⁉️

   小まめに水分を摂っただけで、症状改善なんて‼️と私も思いました。


   でも歳をとると筋肉量が減ります。そうすると身体が保持できる水分量が減るのだそうです。
しかも認知症になると「喉が渇いた」→「水を飲もう」というふうに思考回路が繋がらない事もある…。(分かる気もするわ〜。)


知らないうちに自覚もなく水分不足になると…。


*身体に活力がなくなる。

                ⏬
*意欲や意識も下がる。

                ⏬
*動かなくなる。

                ⏬
*結果的に尿意を感じにくくなり、トイレに行けなくなる。


   小まめに声をかけて水分補給をしてもらうと、上の悪循環が断ち切られ、結果的には紙オムツが取れる方もいるそうです。(⁉️)

   介護者としては、患者が水分をたっぷり摂ることは尿失禁が心配なところ。
ただ、この番組によると、充分に水分を摂り気持ちもしっかりしてくると、身体も動くようになります。尿意を感じてトイレが間に合うようになる例も多いそうです。

 

   おママの日常を考えると、ご飯の後に少し飲むくらいですね…。
水分補給と言えば熱中症対策と思っていましたが、認知症にも大事とは…。

今よりはもう少し飲んでもらった方が良いかも…。
でも、おトイレが近くなりすぎるのも不安。本当に実践できるかわかりません。💧

『本人のためと、介護者のためが相反する事がある。』
番組でも言っていました。
良いと頭で分かっていても、なかなか踏み出せない場合もありますね〜。(溜息)

 

◉VRで認知症体験
  認知症の方がどのように見えているか?VRでの体験を紹介していました。
特にレビー小体型認知症の幻覚はなかなか恐ろしいと思います。個々に症状が違うとは言え、想像すら出来ない世界を垣間見る事が出来るのは画期的です。

 

◉ユマニチュード
  150ものテクニックからなる認知症の介護法。最近注目されているそうです。
その基本は「見る」「話す」「触れる」「立つ」だそうです。


目線を合わせて相手をしっかり見つめる。

驚かさないように、優しいトーンで語りかける。

思いやりを込めて優しく触れて。

そして、立ち上がる介助。


  一緒に見ていたアズキが
「これって人として当たり前のことだよね〜」
と言いました。確かに…。
番組のゲストの方も
『ご家族は皆やってますよ。』
と仰っていましたが、現実には介護施設でも在宅でもなかなか難しいのでしょう。
私のユマニチュードもどきは「話す」部分だけです。

以前にも書きましたが、言葉遣いと柔らかい話し方を心掛けています。
いずれ時間ができたら、きちんとユマニチュードを勉強してみたいです。

 

◉寄り添う嘘
  嘘も方便。
オネコも私も必要な時には細かい嘘をつきます。

私なんざ、ちょくちょく嘘つき。


状況や現実を細かく話してもおママに理解してもらえない。

そして堂々巡りになれば、おママも私達も消耗してしまいます。

後ろめたさはありません。
でも、それをテレビではっきり言ってくれるのは嬉しいです。


  ただ…患者は千差万別。

記憶力は衰えても、その場限りの判断力や認知力はしっかりしている認知症の方もいらっしゃいます。

その場合には、よほど上手く嘘をつかないと、逆効果になるかも…。

諸刃の剣のように思います。

 

  思うことも色々ありました。でも、実際の介護施設や在宅の様子も取り上げられて、見応えありました。要は自分で出来そうな事を取り入れればいいのですもの。

今日も長くなりました。読んでくださりありがとうございます。

 

再放送もあるようです。⬇️

認知症 ともに新しい時代へ 第3回
驚きの介護術でみんなハッピー!
4月26日(水)午後10時25分~11時15分(生放送)
5月3日(水)午前9時05分~9時55分 [再放送]

 

ユマニチュードもどき の関連⬇️

harienikki.hatenablog.com

 

 

 

現物は分かるのにね〜。

 

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(2017年4月21日  診断から約10年2ヶ月   真ん中の大きなモチーフは昨日アップした貼り絵の家並⬇️と同じ包装紙から取ったようです。四隅の緑はリボンです。)

 

harienikki.hatenablog.com

 

 

   ジジはこのブログを楽しみに読んでおります。
おママの貼り絵をブログで紹介したいと、最初に言い出したのもジジでした。

89歳という年齢の割にはデジタルに強いのですが、
「印刷するんだ!」
と毎日プリントアウトに余念がありません。(笑)アナログだ〜。

 

  今朝、ジジがブログを開いてプリントしていると、
おママが1階のパソコン部屋に降りてきたそうな。
どうしたの?」
ジジが尋ねると、
ご飯はどうするの?」
と言いながら、印刷された紙を手にしたそうです。


(なんて言うかな?)
おママの発する言葉を楽しみにしていたのですが、

おママは自分の貼り絵の写真と記事をみて、

何の反応も見せずに去っていったそうです。

 

「分かっていて言わないのか…?
いや、自分のだとは分からないんだろうな…。」

 

  思うに、制作中以外は貼り絵のはの字も忘れているおママですから、

分かるはずもないのでしょう。


  それでも、一緒にファイルを開いて現物を前にすれば、まるで制作時の思いを記憶しているかのように、滔々と自作について語ります。

この時は自分で作った貼り絵という認識があるのです。


   一枚の用紙という2次元に封じ込まれると、

おママにとっては余計に自分とは遠い存在に思えるのでしょうね。

ハサミですよ。

 

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(2017年4月7日  診断から約10年2ヶ月  紫の大きなパーツは何かの包装紙です。よく見ると金色のラインで家が描かれています。その上に金色の三角形を貼り付けました。幻想的な不思議な雰囲気だなぁと思いました。しかし、おママ自身の感想や批評は聞き出せていません。)

 

   今日のお昼はお握りでした。

  いつも上手く三等分に切り分けて食べる器用なおママ。

私は先回りして
「お握りを切るナイフが要るわね?」
と聞きました。すると、いつもと違う返事が帰って来るのです。


「お握りはパクって食べるものだから、切らないわよ。」
「あら、そうですか?いつもは切っていらっしゃるわよ。」
「そんなことしないわよ。」

 

そう言われても一応用意しようと思いました。

私がキッチンからナイフを持って食卓に戻ると…。
えーっ!


おママは既に手近にあったハサミで✂️

お握りをぱっつん!ぱっつん!と切り分けている⁉️
そのハサミはキッチン用ではなく、文房具のハサミです。

(一応、貼り絵用とは別のハサミ)
大胆だわ〜。

 

「お母さま。ハサミで切ったんですか⁉️」
おママはヘヘッと笑いました。
「キレイに切れたわ。」
そして、自らキッチンの流しでハサミを洗い、美味しそうにお握りを頂いていました。

 

  私が1つ気になったのは、ジジが目の前で起きた出来事に何ら反応を示さない点です。
(こりゃ、ジジも周りの様子に気付けなくなっているのか⁉️)
私は暗澹たる気分になりました。

 

  突然、こちらが思いもかけない事をする…。

このくらいなら、まだ笑い話で済みます。(笑)

でも先々、重大な事故に繋がる事や、誤食誤飲が起きる可能性も考えなくてはね…。😅
そんな不安がよぎります。

 

 それで、この事をオネコに話したら、
「あー、あの家ではキッチンハサミと文房具のハサミが区別されてないから無理もないのよ。そう驚くことでもないよ〜」
と…。
だから、ジジは平然としていたのね…。


  これは些細な事ですが、普通でないことが常態化すると、それが普通になる。

その一例です。


これはキッチンハサミ❗️
これは紙や袋を切るハサミ❗️


 なんて、今更徹底するのもナンセンスですね。こだわっても仕がないし、
「まぁ、いいっか」
と言う気分で軽く受け止めようと思いました。(笑)💦

ジジとポイント

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(2017年3月1日 診断から約10年1ヶ月 黒い模様のモチーフはかなり以前に入手した包装紙から切ったようです。)


   今年になってジジはガラケーが壊れたので、買い換えました。
その時、携帯会社のクレジットカードを年会費1万円払って契約しました。

ポイントが10倍貯まるやつです。

 

harienikki.hatenablog.com

 

   今日の午後、ジジが得々として私に語りかけてきました。

 

例のゴールドカードね、すでに12000ポイント付いてるよ。10倍って言うのはすごいもんだな〜。」

 

   1月にオネコと2人掛りで物申した私としては、何と言葉を返したら良いのでしょう。負けを認めるようなものですから。(笑)
「どうやって貯めたの?」
「薬局の支払いは全てカードにしたんだ。」
その他、1人で買い物に行った時とか…、だそうです。

 

やるな…。ジジ…。(笑)
ポイントを貯めるのが1つの楽しみになったようですね。

 

  頻繁に書いて申し訳ないのですが、ジジがこれだけしっかりしてくれているから、成り立つ実家の現状だと思います。

 

   高齢の夫婦で片方が認知症になると、もう一方は大変です。
でも、娘としては、それでも両親が揃って暮らしている事は本当にありがたいです。

 

しかし、ひと月前くらいから、先の事や通帳、印鑑のしまい場所や、相続はこうしたら良いなど、私達に言っていました。
足腰痛くて弱気になったのかも知れませんね。

これで心配ないよ。」

なんて言われると私の方が余計に心配になりますよ…。

まるで言い残すみたいで悲しい。

 

ところが、ジジが今日、知人に話しているのを聞きました。

家内が1人残ると可哀想だから、先に死ねませんよ。」


久しぶりに聞くこの言葉に、私はホッとしました。
その心意気をサポートしていかなくちゃ❗️改めて思いました。

もしかして、ジジはポイントを貯めるのが、新しい生活の張りや目標になっているかしら?(笑)

 

  もし、認知症の片親だけ残されたら…⁉️
そう思う此の頃、アルツハイマー認知症のお母様の事を書いていらっしゃるブログを拝見しています。
お母様はお一人になってからアルツハイマー認知症と診断されだそうです。そのお母様に心を配っていらっしゃる御様子を読むと頭が下がる思いがします。そして、とても勉強になります。

 

お薬飲んだぁ?

 

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(2017年4月14日診断から約10年2ケ月)

  今日は日曜日❣️
私は実家に行きませんでした。
ジジとおママはどうしていたのかしら?
夕方、オネコからLINEがきました。
16時頃、オネコが様子を見に行った時、
「二人ともいなくて、薬飲んでなかったのよ〜!」
あら〜。日曜日はお薬を飲み忘れることが多いのが悩みの種ですね〜。

 

  おママのお薬は現在、次の4錠です。
血圧のお薬2種
アリセプト5mg
メマリー20mg
この4錠を処方箋薬局で一包化してもらっています。
1日分ずつパックにしてあるから、とても助かっています

 

   アルツハイマー認知症の診断から10年のおママは、
絶対に自分ではお薬を飲みません。
まず、処方されているお薬がある事すら、知らないレベルですから。
(困ったもんだ〜。)

  普段は朝食後にジジがおママにお薬をすすめますが、
ジジも89歳ですから、忘れる事もあり…。(当然です。笑)

 それで、私が実家に行く日は、昼前に必ずお薬を飲んだか確認します。
飲んでなければ昼食後に飲んでもらわなくちゃ。

 

「いつもお薬飲んでたかしら?」
と首をかしげるおママに、私は有無を言わせません。
毎日飲んでますよ〜。」

笑顔でパックを開けて4錠のお薬とコップのお水を差し出し、
目の前でおママに飲んでもらいます。(一歩間違えば怖い娘だ。)

 

   認知症の方の服用は、誰かのサポートがないと難しいと思います。


おママは、今までジジや娘達が目を光らせているから、

いえ、見守っているから続けられました。


  今後、今の環境に変化が起きた時の事を考えると少し不安です。
私がおママに電話で「お薬飲んで」と言ったところで、受話器を置いた途端に忘れるでしょう。
なるべく今の状況が保てるといいなぁと思います。

 

  患者のご家族の方はどんな工夫をされているかしら?
少しググってみたら
⬇️のサイトが参考になりました。

読んでくださってありがとうございます❣️

 

認知症の人への服薬介助の工夫 | 公益社団法人認知症の人と家族の会

 

草間彌生さま

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(2017年4月26日 診断から約10年1ヶ月  『草間彌生 わが永遠の魂』展のチラシを使わせて頂きました。裏面のあちこちを工夫しているようです。)

 

   新国立美術館(六本木)で『草間彌生わが永遠の魂』展が開催されています❗️
私、草間彌生さま大好きなんです❤️
ゴールデンウィークに観に行く予定です❗️
と、宣言しておりますが、GWは家族の出入りも多く、本当に行かれるかどうかはまだ分かりません。(笑)
是非、行きたいものです。

草間彌生 わが永遠の魂|企画展|展示会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

 

  冷たい雨の降っていた3月最後の日曜日の事。
オネコがLINEで言ってきました。

 

おママは私が持ってきたチラシを切り抜き中」

「⁉️」

 

なるべく貼り絵の材料の元を知りたい私。
(なんのチラシか?)と思いました。
すぐにおママにに渡さず、せめて写真を撮って残して欲しいものです。

  すると、さすがのオネコ。
「これです」
と送ってきたのが、これです。⬇️

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わ〜〜。草間彌生さま❣️

それでおママが作ったのが、今回1番上の写真で御紹介した貼り絵です。

 

あれっ⁉️
⬆️写真のチラシには貼り絵のパーツが無い⁉️(なんだよ〜。)

 

   後日、オネコによると、
「おママはチラシの裏にあった写真を使ったのよ〜。」


なんで、チラシの裏も写真に撮らなかったのかしらね…。


それで私はオネコに苦言を呈しました。

「チラシを貰うなら最低3枚ね。それか、裏もキレイだったら、裏表の写真を撮ってね〜。」嫌味な妹だ。(笑)

するとオネコは…。素直に頷きました。


はーい。でも、まさか裏を使うとは思わなかったのよ。まさに、おママに裏をかかれたわ❣️

オネコ…。言うよね〜。(笑)


  楽しげにそう言うオネコの口調や雰囲気が、当のおママに似ていて、

私は思わず笑ってしました。

 

  ファイルには表面を使った貼り絵もありました。(また御紹介しますね。)


  おママは裏表の部分を活用し、1枚のチラシを上手に使いきったのですね。

パチパチ👏

 

  今日はおママの事よりオネコの話題になりましたが…。

読んでくださって、ありがとうございます。

チラシの裏面です。⬇️ 後日入手しました。草間彌生さまのチラシですから❣️)

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