アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

月末企画❗️今月のイチ押し‼️(2017年8月版)

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(2017年8月21日 アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

 

「これはとても好き。ほんと好き。」

写真撮影の時におママは言いました。

嬉しそうに、微笑みながら。

 

画面では拡大しても見えにくいかもしれませんが、

金色のパーツは紙ではありません。

恐らくですが、ポリエチレン製の袋から切り出しています。

元はこれです。⬇️

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  素敵な袋ですね。先月、デパートで贈答用に6箱ほど神戸風月堂さんのプチィゴーフルを買いました。その時、小分けの袋として貰ったものです。

 

まさか‼️このツルツルの袋を越前和紙に貼るとは思いもよりませんでした。

 

「お母さん、これは紙じゃないから、ちゃんと付かないかもよ〜。」

「大丈夫よ、付くわよ。いつもやってんだから。」

おママ…、その自信はどこから来るの?

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⬆️  私の心配をよそに強引に切り進めるおママ。

 

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⬆️なんのかんのと、貼れてしまいました。(笑)

 

「これで良いかしらね?でも、ちょっと寂しいわね。」

「そうね〜。」

「付けるとしたら何が良い?」

そう聞かれたから、私は答えました。テキトー。

「ピンクにすれば〜。」

 

それからしばらくして見たら1番上の完成形に仕上がっていました。

 

なかなかオシャレ❣️

しかも、本人もお気に入りのようですから…。

 

この強引な割にエレガントな貼り絵を、

今月のイチ押しに決定〜‼️パチパチパチ🎵

👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏

 

fugetsudo-kobe.jp

おママの貼り絵を見て下さり有難うございます。

いつもと違うから?

 

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2017年7月20日  アルツハイマー認知症の診断から約10年5ヶ月)

 

  今日(8月30日)は珍しくオネコとおママと3人で出掛けました。

用事があって銀座へ行ったのです。

おママとオネコは実家から連れ立ち、私は現地で落ち合いました。

その用事については、また後日ゆっくり書いてみたいと思います。

 

  銀座で用事が済んだら、3人で昼食を済ませて帰途に着きました。


 それで実家最寄りの駅から、お留守番だったジジに、私達はお決まりの電話をしようと思いました。

買い物は有りますか?

夜のおかずはどうしますか?

そんな内容ですね。

 

オネコが
パパちゃんに電話しようね」
と言ったら、おママは
「えっ?誰か居るの?パカちゃん?バカちゃん?」
ですって❗️(笑)
ジジがかわいそう。(笑)

 

   でも考えてみれば、ジジを「パパちゃん」と呼ぶのは珍しいのではないかしら?

オネコもあんまり使わないような気がします…。

おママはジジの事をいつも「お父さん」と呼びますもの。

あまり慣れてない単語が出てきて、誰のことだか分からなかったのでしょう。

 

パパ=お父さん

 

という図式がおママの頭から欠落していて、

しかも「ちゃん」がついた日にゃ…。仕方ないです。

ちょっとおママを弁護してみました〜。

 

おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

 

 

ノウゼンカズラと赤ちゃん

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(2017年8月5日  アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

 

   昨日(8月28日)はおママの入浴を諦めました。(笑)

時として、諦めも肝心。(笑)

それで、夕方6時近くなってから、ジジとおママはお買い物に行きました。

ちょうど私の帰宅に合わせて、出掛けたのです。

ふと気がつけば、少し日が短くなりましたね。

暦の上では秋ですが、本当の秋も近づいているのでしょう。(希望的観測)

 

今日のテーマは言葉。「かわいそう」についてです。

大した話ではありません。m(_ _)m

 

ノウゼンカズラ

  夕方の風に吹かれて坂道を下っていると、突然、おママは道端に屈み込みました。

ジジは日が陰って元気にシルバーカーを押して坂道をどんどん下ってしまうしまうし…。

「どうした❗️」

私は気にも留めませんでしたが、ノウゼンカズラの花がパラパラと落ちていたのです。上を見上げれば、その御宅の高い塀の上から蔓がはっており、朱がかった橙の花が無数に咲いています。

おママは路傍に落ちた花を拾おうとしていました。

(そんなの、拾わないの❗️)

私はそう言いたかったのですが、

「咲いたのに落ちちゃって…かわいそう…」

おママのその言葉に、私はきゅっと自分を抑えました。

ノウゼンカズラの花はまだ綺麗に咲いているのに、時期が来るとポトンポトンと落ちてしまう。おママはそれを哀れに思ったのかしら?無常観に心打たれたのかしら?

 

おママは嬉しそうに、ノウゼンカズラの花一輪を手提げにしまい込みました。

そして、坂を下りきったシルバーカーのジジを2人で追いかけました。

 

赤ちゃん編

  ノウゼンカズラの花を拾ってから、商店街を歩いていると、

抱っこ紐でまだ小さな赤ちゃんを抱いているお母さんとすれ違いました。

おママはさも愛おしそうに小声で私に言うのです。

「ねぇ、あの赤ちゃん、小さくて、かわいそうね!」

小さくてかわいそう…? 文法的には合ってますが、なんか変。

「小さくてかわいい?」

「えっ?……かわいそう?」

「かわいいじゃないの?」

「………?かわいい?かわいい…。」

おママは小首を傾げました。

「かわいい…か?」

単純な言い間違いでもなく、「かわいそう」と「かわいい」を混乱したのですね。

でも、ほんの6〜7分前、おママは「かわいそう」を正しく使っていたのですから、私は狐につままれた気分でした。

でも、おママ自身はひょっとしたら、本当に小さいから可哀想と思ったのかも知れませんし、それ以上、深追いする事はやめました。

 

  きっと、おママの頭の中では「かわいそう」の中に「趣がある」とか「可愛い」も含まれているんですね。

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(2017年8月28日撮影)

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

 

その一歩が重いこともある

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(2017年8月11日  アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月

 

    買い物の時間帯

  私が実家を出るのは、たいてい夕方6時より少し前。

最近、おママの入浴援助をしていますが、帰宅時間との兼ね合いで、それは5時前から始めたい。

時間を更に逆算すると、

ジジとおママのお買い物はその前という事になります。3時半くらいから。

 

おママはなぜか午前中には買い物に行きたがりません。

 

この午後の時間帯、今の季節は暑いですね。

特に先週のような酷暑では、アスファルトがたっぷり熱を含んでいて、歩くのも辛い。

私が一緒に行っても良いのだけど、入浴援助の準備や自分の体力を考えるとキツイかな〜。

それに何気におママはジジと行きたがります。

 

それで先週水曜日の午後の事。

ジジは暑さバテしておりました。

降り注ぐ太陽の熱気とアスファルトの照り返しにシルバーカーを押す歩みも重くなりました。

すると、元気なおママは言うのですって。

「いつもは話しながら歩いているのに、今日はどうして何も言わないの?」

ジジは暫し返答に窮したそうです。

「私は暑くてあまり身体の調子が良くないんです。それで歩くだけで精一杯だから、話はできないの。」

なんとか言い返してみたものの、

「ふ〜ん」

とおママは分かったような分かってないような…。

 

やはり買い物の時間を見直そうか。

  この話を聞いて、陽気の良い季節は兎も角として、暑い時期の買い物時間帯は考え直したほうがいいと、私は思いました。

 

   昨年くらいまで、ジジとおママは夕方5時〜6時頃に買い物に行っていました。

それは夜でも入浴拒否がなかったからです。

そして、夏場は日が陰ってから出掛けた方が楽だと説明すれば、なんとなく分かってくれたのです。

しかし、最近は午後3時になる前から、

「買い物に行かないと、困っちゃうわよ、どうするのよ」

と落ち着きがなくなりました。

こういう些細な点に認知症の進行を感じます。

 

「買い物の時間を遅くするしかないね〜。」

「遅い時間にしようと思っても、おママが納得するかは分からないよ。」

私が提案しても、ジジは懐疑的ですが、ジジだけでなくおママだって体力を消耗しますもの。

 

それにしても、

「いつもは話しながら歩いているのに、今日はどうして何も言わないの?」

この発言にはビックリです。

おママに「いつもは……」という記憶があるとは思えません。

アルツハイマー認知症になってからこのかた、

ジジとおママはずっと一緒に買い物に行っていました。

それで、漠然と残っているイメージがおママのこの言葉を生み出したのでしょうか?

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

 

 

 

賞味期限

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(2017年8月6日  アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月

貼り絵の中の花形はどの包装紙から取ったのかしら。全く不明です。でも、よく頑張って切り抜いたと思います。特に左下の花は細い直線まで丹念に切りました。)

 

今日はジジの話です。

 

8月25日賞味期限の食品

  割と保存のきく真空パックの燻製肉やハムなど、冷蔵庫に入れておくとついつい忘れてしまいますね。私なんぞもアルアルな話なので、ジジの事をとやかくは言えません。(笑)

 

  先週、実家の冷蔵庫のチルド室の中に、8月25日賞味期限のピザと真空パックの鳥の燻製を発見!

私が気が付いたのが8月21日月曜日だから、余裕を持って消費できるはず。

そう思っていたのですが、高齢世帯には簡単なことではなかったようです。(笑)

 

  経  緯

月曜日  

鳥の燻製は小振りの骨なしで、切るのも簡単な商品です。

「切って夜のおかずにしてね。」

と私は言ったのだけど、うっかり忘れてジジは夕方のお使いの時に、お惣菜を買ってしまった❗️仕方ない。

「明日はデーサービスだから昼は向こうで食べるでしょ、明日の夜のおかずにしてね。」

私はそう言って帰宅したものの…。

 

火曜日

昼はデーサービス。夜はオネコが夕食を届けてくれたので、鳥の燻製は食べない。

 

水曜日

昼ご飯にピザは3人で消費できた。それで十分。鳥の燻製までは食べられない。

「夜に鳥の燻製を切って食べればいいね。私が帰る前に切りますよ。」

ジジに言ったのですが、おママとお使いに行った際、すっかり忘れて(?)お惣菜を買ってきてしまいました。

仕方ない。それで私は帰り際に、

「明日は私は来られないけど、昼か夜に鳥の燻製を切って食べてね」

とジジにお願いしました。

 

金曜日  (ついに賞味期限の25日がやってきた!)

   昼前に実家の最寄りの駅から電話すると、

「お昼のおかずにイカのフライでも買ってきて」

とジジが言うのです。

「鳥の燻製があるでしょう。それを食べよう。」

「いや、昨日食べたから、もう無いよ。」

「そうなんだ。優秀だね〜。」

しかし、実家の冷蔵庫には件の鳥の燻製が有った‼️

いったい、いったい、ジジは昨夜何を食べたんだ?

妄想なのか⁉️

「えーっ!まだ有ったの?」

他人事のように言うジジ…。思い違いでもしたのか?……?

「夜は必ず鳥の燻製を食べようね。私が帰る前に切っておきますから。」

そう言う側から、この日もおママとお使いに行って、お惣菜を買ってきてしまいました。それも鳥の照り焼き。(笑)

「鳥の燻製があったのに。」

「あ、忘れた…。」

 

仕方ないか…。

  元々、賞味期限は消費期限と違い、そんなに厳密に考えなくても何日か遅れても大丈夫なのです。

 

  しかし、そんな風に構えていると、高齢世帯の冷蔵庫の中は賞味期限切の食品で埋め尽くされてしまいます。

だから、娘は心を鬼にして、親の冷蔵庫をパトロールしなくてはと思います。

 

万一食当たりにでもなったら、親も子も大変ですから。(本音)

 

   しかし考えてみれば、先週の鳥の燻製問題は致し方無い事かも知れません。

 

   アルツハイマー認知症のおママに食事の準備は無理というもの。

89歳のジジだって、先週の酷暑で体力気力が減退していたので、賞味期限切れの食品の事など忘れても仕方がないでしょう。

 

それに、買い物に行くと、見た物を食べたがるおママです。

「鳥の燻製が賞味期限だから、それを食べるんだよ。」

と説明するのも大変です。エネルギーを消耗するに違いない。

そんなこんなで、件の燻製が食べられないのも仕方ない事でした。

 

 では、消費期限、賞味期限切れを防ぐにはどうしたら良いでしょうか?

 

  食品を買わずに宅配食にするとか?

でも、ジジは「毎日その日の気分で、自分で食べるものを選んで食べたい」と言う欲求がまだあります。それはとても大事な事でしょう。

今まで2人が元気だったのも、食に対する積極性が有ったからだと思います。

 

それに、日々のお買い物はおママの楽しみの1つですから、奪うのもいかがなものか。

 

  当面、なるべくジジには買いすぎないように気を付けてもらい、

オネコと私で厳しく冷蔵庫をチェックをしていくしかありませんね。(笑)

 

8月25日賞味期限の鳥の燻製ですが…。

結局、私が自宅へ持ち帰り、夕食の野菜スープに入れて、煮込んで食べてしまいました。

美味しゅうございました。(^o^)/

 

 

 

 

   

 

 

  

CROWN クラウン

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(2017年8月5日  アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

 

    これ…。

今月のおママの貼り絵で、私が1、2を争うほど大好きな作品です。

 

私には堂々たる王冠に見えます。

6種類もの紙を使い、実にゴージャス。(褒めすぎか!)

 

私の目には王冠にしか見えないのですが、

相変わらず、おママにはそんな意図もないようです。

 

   写真撮影の時、おママが言及したのは、中央部分の四角い6個のパーツについてだけでした。

「これ、端っこに黒と白の線があるでしょう。その向きを揃えたのよ。」

おママは得々と語りました。制作時の記憶があるような口ぶりで、本人もかなり気に入っているようでした。記憶は無いのですが、作品を目にすると語りたくなるのでしょう。それが核心をついているから面白い。

「確かに効いていますね。」

「赤だけでなく、わざわざその部分を切り落とさないで残したのよ。」

おママは自信を持って、クラウンの中央部分を指し示しました。

「なるほど❗️」

このラインはフィルムの端っこのようですね。しかし、私にはどのような紙を使ったのかは全くわからないのです。

色もいい赤。

王冠に嵌め込まれたルビーでしょうか?

 

この貼り絵、「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」にとっておけば良かったかな〜⁉️

 

⬇️こんな例もありました。

harienikki.hatenablog.com

 おママの貼り絵を見て下さり有難う御座います。

 

 

自問自答

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(2017年7月31日  アルツハイマー認知症の診断から約5ヶ月)


坐骨神経痛の私。

神経痛をブロックするお薬がなくなったので、今日は整形外科に行きました。
せっかく行くんですもの。

リハビリをサボりがちなジジと外出したがりなおママも一緒です。

 

おママを待合室で1人にしないために


  前回同様、ジジが先に処置室に入って、私はおママと待合室に残りました。


なにせ自分の用事ではないし、おママはなぜここに居るのかよく分からないようです。
「どうしたんだっけ。」
「お父さんが機械で腰を伸ばしているのよ。終わるまで待っていましょうね。」
「あぁ、そうなのね〜。」
そんなやりとりを繰り返した後、おママは入口が気になるようで、何度もチラチラ見始めます。
(外が気になるのかしら?出て行きたいのかな?)
私は急に不安に襲われました。目を離した隙に出て行かれたらと思うと背筋が凍ります。
とりあえず、おママは立ち上がって外に行こうとする気配は見せません。しかし、ずっと入口を見つめていました。
その視線の先には…。
午後の診療開始から間もないのに、既に入口には靴が私たちの物を含めて7足ありました。


おもむろに、おママは言うのです。
「ねぇ、私の靴はどれだったかしら?」
あー。
(そうか、おママは自分の靴を確認したかったんだ。)
「あの端っこにある、茶色のよ。」
「そうよね〜。」


おママの表情はパッと明るくなりました。

そして、気が済んだのか、しばらく何も喋りませんでした。

 

もしかしたら、

アルツハイマー認知症の人は、忘れて分からなくなった事をしょっちゅう自問自答しているのかしら?
この時は、たまたま隣に連れがいて聞くことが出来た?


忘れて答えの見つからない事を自問自答し続け、ふとした弾みに自問自答していた事も忘れてしまう?


  ご機嫌さんで待合室に座っているおママを見ながら、私はそんな気がしました。

 

ここからは付け足し。(^o^)
  それで、ジジのリハビリが終わる前に、私は診察室に呼ばれてしまいました。

仕方ないから、先生に断っておママも一緒に入れさせてもらいました。


私ときたら情けない事ですが、

ベッドにうつ伏せになり先生に腰を押されれば、
ぎぇー❗️
仰向けになるよう言われて、
いたーい‼️
その都度、おママは心配そうです。
最後は起き上がれなくて、
「お母さん❗️手、手を貸して〜〜。」

結局、今日はアルツハイマーのおママの手を借りて診察室を出た私でございます。

とほほ…。

 

harienikki.hatenablog.com

おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。