アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母が作った貼り絵たち。

ウナギ

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 (2017年7月19日  アルツハイマー認知症の診断から約10年5ヶ月)


   盆休み明けの先週金曜日。

久しぶりに行ってみると、元気なんだけどおママはなんだかボンヤリした感じです。
さてはキツ〜イ娘が来なかったから刺激が足りなかったか?(笑)
それとも夏バテか?

 

一緒にお使いに行きました。

蒸し暑くて元気のないジジ。

午後になるとどうしても買い物に行きたくなるおママ。


それで、私がおママと出掛けることになりました。


「スーパーの支払いはこれにして。」
ジジは1月に作った10倍ポイントの貯まるクレジットカードを私に託しました。
「ご飯は炊くから、何でもいい。簡単に食べられるオカズを買ってきて…。」
ジジ…、バテてますね〜。心配です。

 

何が食べたいの?
   ジジが一緒ではないから、おママはスーパーで何を買ったら良いか決められないようです。
「お父さんは何だって?」
ここで何でも良いのよと言えば、余計混乱しそうです。


「お母さんは肉と魚とどっちが食べたいの?」
私が投げかけたらおママは即座に答えました。
「魚かな〜。」


  それで魚のコーナーに連れて行くと、

おママが「食べたい」と言ったのはウナギでした。

 

それも国産一尾1980円也。(o_o)
いくらクレジットカードを預かっているとはいえ…。
いくら2人で一尾で済むとはいえ…。
私だって躊躇しますわ。

でも、ウナギが食べたいなんて、やはりおママも夏バテなのかしら。

その気持ちを無下にはできません。


  ふと横を見れば、中国産一尾998円と言うのがあります。
「お母さん!こっちはいかが?」
貧乏性の娘は安い方を強烈に薦めましたが、それでもジジがいつも買うお惣菜の倍はします。
(一応、確認を取り付けよう。)


  私はジジに電話をしました。
「おママがウナギ食べたいって言うんだけど、中国産一尾998円なのよ。買っていい?」
電話の向こうからジジの溜息交じりの笑いが聞こえました。
「まぁ、良いよ。」
それで、めでたくおママは嬉しそうにウナギのパックを買い物かごに入れました。

 

案の定…。
  ものの数分でしょうか。レジに並ぶ前のことです。
おママは買い物カゴを見て首を傾げました。


「どうして?こんな高いものが入っているの?」


ある程度予想できていたので、私は驚きはしません。
「お母さんが食べると言ったのよ。」
「えーっ❗️そんな事ないわよ。」
「それで、お父さんに電話を掛けたら、買っていいと言ったの。だからカゴに入れたですよ〜。」


「そんなの知らないけど、お父さんが買いたいなら、しょうがないわね。」
「………。」


私の目の前で、絶妙な逆転現象が起きました。


何もジジはウナギがどうしても食べたいわけではありません。おママがそれほどでもなければ、チキンの照り焼きあたりの変更した方が良いのではないか?
そう思って、私はおママに再確認しました。
「お母さんはウナギは食べたくないの?」
すると満面の笑みに乗せて返事がありました。
「あれば私は食べるわよ〜。」

 

実家に戻って、私はジジにカードを返しました。
「食べたいと言い張ったことを忘れるのは、いつものことだから。」


ジジの笑顔に諦観が滲んでいましたわ。
お疲れ様です。美味しかったかな?

 

⬇️この時のクレジットカードです。ジジは実はすでに10000ポイントを貯めおおせて、お米やらペット飲料にかえております。 私の完敗です。

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おママの貼り絵を見て下さり、有難う御座います。