アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

トイレットペーパー VS キッチンペーパー

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(2018年5月30日  アルツハイマー認知症の診断から約11年3ヶ月)

 

私の探し物

私が台所で昼食の支度をしていると、キッチンペーパーが見当たりません。

食器を拭いて➡︎手や周辺を拭いて➡︎シンクを拭いて➡︎ポイッ❗️

私は1枚を3段階に使いまわして、台所仕事に重宝しているものです。

それが何故か無い…。まだ下ろしていないロールが2つあったのに、それも消え果てていました。

「キッチンペーパー知らない?」

「えー。何処だろう。」

ジジとあちらこちら探しておりました。朝ドラの再放送が始まるまでには拵えて食べ始めたいのに…。探し物はいつも悩ましい。(°_°)

 

おママの探し物

私とジジが探し物で右往左往しているまさにその時、おママがバンとトイレから出てきて、

「ないのよ、ない、ないの」

と落ち着きがありません。こういう時は自分の探し物よりおママの方を優先しないと…ね…。

「何が無いの?」

すると、おママはトイレを指差して、

「あそこで、ああする、ほら、あれがないのよ。」

状況から考えると、無いのはトイレットペーパーでしょう。

(まさか、おママよーー‼️お尻拭かずに出てきたのかーーーー‼️)

 

それはおママの気配りです。

私がトイレに駆け込むと、トイレットペーパーホルダーには残り少ない紙が付いていました。

つまり、おママは次に入った人が困るから、新しいトイレットペーパーをホルダーに用意をしておこうと思ったらしいのです。使い切ってそのまま放置する人もいるのでしょう。私は未だにそんな気配りができるおママに感心しました。

そして、ふとトイレの壁面の高いところに設えられた棚板の上を見ますと、トイレットペーパーが入っていると思われる袋が見えるではありませんか。

「お母さん。あれ、有るじゃない?」

すると、おママは必死で言うのです。

「あれ、なんか違うのよ。入らないの。もう、何が何だか分からなくなっちゃったわ〜。」

おママよ、この世の終わりみたいな嘆き方をしないでおくれ…。

 

結局はおママ (^。^)

しかし、私はおママの「入らないの」という言葉が気になりました。

「…ん⁉️ 入らない?何が何に入らないの?」

「もう、何が何だか分からないわよーー。」

悩乱しているおママを横目で見ながら、私は棚板の上に横たわる袋を手にしてみました。

「あ⁉️」

それに私が探していたキッチンペーパーが2巻入っておりました。そりゃ、トイレットペーパーホルダーに入るわけないわ‼️

外袋に入っていたから、まだしもだけど、キッチンペーパーを事もあろうにトイレの棚に載せてしまうなんて…。やる人は1人だけですね。

「何?何のこと?知らないわ。」

おママは既に探し物の事もお忘れになって、小首を傾げて微笑みました。

 

私はキッチンペーパーが見つかり、

おママは12ロールの新しいトイレットペーパーの包みをトイレに納めました。

 

今回のおママは言葉は出なくとも、冴えていたと思います。しかしその時その時で認知力判断力に差があるのです。

(もし万一、トイレにキッチンペーパーを流されたりしたら…。)

1度はトイレットペーパーと思い込んでトイレに持って行ってしまったのですから、そう考えると冷や汗が出ます。物の置き場はよく考えないと…。

 

本日アップの貼り絵

淡いピンクのパーツは何の包装紙から取ったのか分かりません。残骸だけしか残っておらず、手掛かりがないのです。⬇️

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。