アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

半分食べてよ〜。

 

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(2017年4月24日  診断から約10年2ヶ月   最近の気がついたのですが…、上部に5つ配された四角は白松がモナカの包装紙でした。マーブル紙は何度か使われている昔おママが染めたものです。)


昨日の夕方のこと。


  あ〜、お遣いから戻ってきたな。「お帳面付け(※注)」を手伝って上げないとな〜。


  私は仕事に区切りを付けて、2階に上がってみると…。
おママはお疲れなのか、テーブルで買ってきたバナナの袋を開けていました。どうも「お帳面」はまだのようです。(笑)


「ね〜、バナナを食べましょうよ。」
「いらないよ。」
ジジは素っ気ない。相撲中継の方が大事なようです。
「そんな事言わないで半分食べてよ。私は1本なんて食べきれないんだから。」
昔からおママはよく半分食べてと言います。これはよくあることなので、ジジも私もオネコも聞き流していました。すると、おママも慣れたもんで、サッサとバナナを剥いて半分に切り、ジジに差し出すのです。
「はい。食べて。」
やや、強引なおママですが、これもよくある事。ジジは相撲中継に気を取られながら仕方なく半分食べました。


  ところが、食べ終わった瞬間に、おママったら…、
「もうちょっと食べたい❣️」
と言い出すではありませんか。(笑)なんだかツッコミどころ満載のおママです。


「そんなら1本食べたら良かったのに。」


私、思わず言いました。
「えっ?なんなの?」
「今、半分しか食べられないからって、こっちによこしたんだよ。」
食べたくなかったのに食べさせられたジジも、言わずにはおられなかったのでしょう。


「なに?知らないわ。そんな事。私は1本食べたわよ。ねぇ〜、半分食べてよ。」


ジジに食べさせた瞬間に忘れるなんてね〜。(笑)
私は少々胃が重い。

 

  でも、ジジはもう食べられないと断るし、オネコは体質的にバナナはダメだし…。なんとも、私はおママの強い視線が痛い。
そして、なんのかんの言っても堂々巡りです。
「あ〜、はい。本当にもう半分食べるんですね。」
おママはニコニコ頷きました。
こっちは胃が重くてイマイチでしたが、おママは頭に糖分が補給されたのか、
「お帳面付け」も順調に済みました。

 

チャーコの嘆息

  あまりおママの言う事を聞いていると良くないかなと思うこともあります。
夕食前だし…。ご飯食べられなくなるし…。
でも、子供の躾と違うし…。
過去と未来の因果関係が欠落しているおママです。
言い聞かせても意味ないし…。
私はいつも「まぁ、いいか…」的になるのです。
おママをめぐる物事が潤滑に動いた方がいい。そんな風にも考えます。
日々、迷いはありますね〜。
まぁ、食べ物に関しては、胃が重くならない程度に…。(笑)

 

※注 「お帳面」おママが買い物をした後に付ける簡易家計簿。その日の支出合計を出し、前日の残高から単純に引いたもの。おママは若い頃銀行勤めをしていたからか、この作業を続けることには強うこだわりがあります。

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