アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母が作った貼り絵たち。

ジジを待つ姿

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(2017年9月21日  アルツハイマー認知症の診断から約10年7ヶ月

ミントグリーンは布リボンです。中央部は下に貼った濃い緑がリボンから透けて見えていますね。9月の貼り絵はパーツの重ね貼りが何点かあります。おママのマイブーム(死語ですかね…(^O^)かも知れません。)

 

 

  昨日、ジジとおママは駅二つ先の商業地にある銀行に行きました。

久し振りに電車に乗ればおママも気散じになりますもの。

嬉しげにシルバーカーを押すジジについて出掛けて行きました。

 

まぁ、その帰りにおママを美容院に連れ込もうと企んでいる私。

ジジと電話で連絡を取り合い、頃合い見計らって、駅の改札口から2人が出てくるのを待っていました。

 

まだ10月なのに、 立っていると足元から寒さを感じるなんて、

今年はずいぶん冬が早いものだと思っていると、

2人が乗っているだろう電車がホームに入ってくる音がしました。

人がどっと改札口に流れてくるのですが、ジジとおママは大抵いつも最後です。

シルバーカーと一緒なのでエレベータを使いますしね。

 

「あ、来た来た…」

最寄駅の改札口フロアーは結構広いので、エレベータから降りた2人は私に気がつきません。こちらから様子を見ていると、すぐに改札口に向かってくると思いきや、ジジは一番奥にあるおトイレに行くようです。

遠目に見ていると、ジジは柱の前でおママにシルバーカーを預け、待っているように言い聞かせてから、男子トイレに入ってしまいました。

「あらっ、おママ1人、大丈夫かな?」

今回は私が見ているから良いものの、おママが状況を忘れて動き出すのではないか?

心配でした。

 

柱の前に立っているおママ。

シルバーカーに手を掛けてじっとしている…。

頑ななまでに微動だにしないその姿。

 

きっと、ジジから言われた「ここで待っていてね」の言葉を忠実に守っているのでしょう。心の中で反芻しているかも知れません。

 

おママのその姿を見つめながら、私はうまく説明がつかないけれど、目頭が熱くなるのを感じました。

 

ものの数分の事でした。すぐにジジはトイレから戻りました。

そして2人は私に気が付き、笑顔で改札に向かって来ました。

ただこれだけの事なのに、溢れるほど胸がいっぱいになりました。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。