(2018年9月1日 アルツハイマー型認知症の診断から約11年7ヶ月)
*またかのネタですみません。
当ブログはアルツハイマー歴11年のおママが作った貼り絵と、私達家族のエピソードを中心に更新しております。
そんなこんなですから…、おママが見当識障害のために自分の年齢が曖昧になっている件は、このブログでは頻出のあるあるネタです。
でも、毎回ちょっとずつおママの表現が違っているので、何度も書きたくなってしまいます。
m(_ _)m
*しおれるおママ
昨日(10月19日)、
お出掛け前にトイレに行ったジジを、おママと私は玄関の内で待っておりました。
いつもなら、お出掛け前のおママは、
「どこへいくの?」「お父さんはどうしたの?」
をひっきりなしに繰り返しているのに、この時は不思議と静かにジジを待っていました。その沈黙が気になります。それで私はおママに話しかけてみました。
「寒くない?」
するとおママは少し俯き加減で呟きました。
「私は歳をとったみたいなの。」
ふむふむ。そりゃ、そうですよ…。
「なんか。すごく歳をとったみたいなのよ。」
その呟きには、おママなりの深刻な思いが秘められているようでした。
「どうして、そう思ったの?」
「ウチに、ほら、すごいお爺さんがいるでしょう。それを見て、やっぱり私はおばあさんになったんだと思ったのよ。」
おママはそう言って肩を落としました。すっかり萎れて頭を垂れているではありませんか…。
「そうですか…。」
(この時点で、一緒に暮らしているジジを配偶者だと認識しているのかしら…。)
それも微妙です。大体、そんな風に言ったらジジが気の毒ですわ。
「お母さんは歳をとったのよ。」
「そうなのね…。」
すっかり肩を落として落胆しているから、なんとか慰めなきゃ。
「よく頑張って生きてきましたよ。偉いと思います。」
「そうよね…。でも、私は一体、幾つになったの?」
「84歳です。」
「えーーっ。じゃあ、あのお爺さんは幾つなの?」
「90です。」
おママは眉間に皺を寄せてうなりました。
「そんな歳なの? えーっ。なんだか、もう、よく分からないわよ…。」
「だって、お母さんは84歳で、お父さんは90歳なのよ。」
おママは諦観を滲ませて微笑みました。そして一言。
「もう、どうでもいいわ。」
*浦島太郎のように感じたか⁉️
認知症で記憶障害も見当識障害も進んできたおママには、時間や月日の流れを認識するのは難しい事です。
だから、高齢なジジの姿を見た時、おママは玉手箱を開けた浦島太郎みたいに、
(突然、歳を取ってしまったじゃないの〜)
そんな印象を持ったのかもしれません。
例えば、
52歳の私が、一瞬で時間が飛んで84歳になってしまったら⁉️
それはかなりキツイ事だと思います。
でも、考えてみれば、ジジの姿を見ることによって、おママが:浦島太郎の玉手箱を開けてしまったとすると…。
ジジが少々気の毒であります。(^O^)
*本日アップの貼り絵
確かオネコがおママに上げた展覧会のチラシ⬇︎を使っています。
平紐を大胆に貼り付けていますね。(^。^)v
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。