アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母が作った貼り絵たち。

記憶についてNo.9 家族を忘れて② (2015年 春頃)

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            (2015年4月8日 診断から約8年2ヶ月)

 

🌺あれから(前記事)取立てて何もなく…。

  年が明けて2015年となりました。

おママはアルツハイマー認知症の診断から8年目を迎えました。

元気ですし、目立った変化はありませんでした。
しかし、ジジもオネコも私も漠然とですが、おママの症状は進んだなと感じていました。

やった事は忘れる。
何度こちらが伝えても、キレイさっぱり忘れてくれます。
気がかりになると、繰り返し同じ事をしつこく聞いてきました。
それは緩やかですが確実に進んでおり、運命は許してはくれないようです。

 

時々、おやっと違和感を感じる事もありました。
でも、おママは母であり、私は娘であるという基本軸はぶれていない。
そう思いました。

 

私が希望的観測に基づいて接していたから?
おママが上手に分からなくなっている事を取り繕っていたから?
きっと両方でしょう。

 

🌺ついに…分からなくなったのか⁉️

2015年の春。桜が咲く頃。


   ジジとおママは公園にお花見に行きました。勿論、ジジは写真を撮るためです。
満開の桜の中を平日でも沢山の人が行き交う園内。ジジが写真撮影に夢中になっていると、後ろからおママに声を掛けられました。

 

「あなたは田中太郎さんですか?」

ジジは暫しシャッターを切る手を止めて、不安そうなに佇むおママを見つめました。
「そうだよ…。」
「あー、良かったわ。」
おママは微笑みました。
ジジの頭の中は真っ白になったそうです。ひらひらと舞う桜の花びらを残して、

ジジは直ぐに帰り支度をしました。

 

「ついに、分からなくなってしまった‼️」
ジジは帰宅するなり、留守番をしていた私に訴えました。
ショックでしょうね。長年連れ添った妻に顔を忘れられた?のですから。
少なくとも、おママは大勢の人の中から「田中太郎・私の夫」を見つけ出す事が難しくなったのは確かです。


私達は急にその現実を突きつけられてしまいました。


でも、逆に「田中太郎・私の夫」という認識があるのは、せめてもの救いでした。

 

読んで下さりありがとうございます。

次回に続きます。

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