アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

お出掛け(2007年)

  2007年1月末にアルツハイマー認知症と診断された当初、

おママはアリセプト服用の副作用で頭痛や不眠、不快感がありましたが、徐々に落ち着いてきました。

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                    <広告写真から切り抜いて貼ったとみられます。>

                        (2007年6月24日  診断から約5ヶ月) 

   

季節は移ろい春から初夏になり…。

 

   ジジの趣味は写真撮影です。

以前から気が向くと、おママを誘い写真を撮りに出掛けていました。
この年も歩いていける距離の公園やお寺だけでなく、
巣鴨の刺抜き地蔵、原宿、井の頭公園…などなど。
おママは
「どうせ荷物持ち」
と文句も言いますが、小ぶりの三脚を持ってジジの後を付いて歩く。

そんな微笑ましい姿が思い出されます。

 

   この頃から、おママのお出掛けには誰かが同行したり、送り迎えをするように心掛けました。
当然の事ですが、診断から日が経つにつれ、アルツハイマー認知症であるとの自覚はおママの頭から消え失せて…。

   そうなると、本人のプライドがこれを認めません。
「1人で行けるわよ。大丈夫よ。いつも、行ってるんだから。」
そう言い張ります。

  そして、私達の都合が付かない時は、1人でも出掛けてしまいました。


  親交の深い友人宅。行き慣れたデパートで開催される旧友の個展。

どちらも自宅から30分から40分くらいの行程で、帰り一緒のお友達がいれば、

まだなんとかなります。

   しかし、肺癌の手術跡の診察のため東京医大の整形外科へ1人で行った時は、先生のお話を家族が確認する事もできず、本当に困りものでした。


  なにより、無事に帰れて良かったです。おそろし〜。(笑)

 

女学校時代から続く仲良しさん達、古典講読会の友人。

皮工芸や工芸金箔のお仲間…。

おママには多くの方々とのお付き合いがありました。

そして、集りや会食のお誘いは多かったと思います。


おママがこれまで培ってきた人間関係は、なるべく断ち切りたくない。

だから、私達はおママが参加できるようにしたいと思いました。
それで、事前に会食会の幹事さんにおママの現状をお話しして、ご理解を頂いてから参加する場合もあったのです。

 

「付いて来なくても大丈夫よ。」
「私もその近くのお店で買いたいものがあるから、ついでなのよ。」

オネコはそう言いくるめて、おママをさり気なく送り迎えしました。

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   <ストールでしょうか?マフラーでしょうか?上の貼り絵と対になっています。>

                          (2007年6月24日  診断から約5ヶ月)