(2017年10月25日 アルツハイマー型認知症の診断から約10年8ヶ月)
*この日の午前中、つまらなそうにしているから。
それまで、盛んに貼り絵をしていたというのに、おママはふと制作をしなくなる時があります。
興の乗る包装紙や紙が見つからなくなったり、ヘビーローテションの紙に飽きたり、理由は本人にしか分かりません。
自分の思ったことも直ぐに忘れてしまうので、本人にも分からないですね。
所在なくボンヤリしている時間も脳には必要なことだと思います。
特におママの脳ミソは記憶を保持できないから、常に混乱をきたすでしょう。
頭も痛みますよ、きっと。
そんな時はそっとしておきます。
しかし…!
あまり何日もハサミや糊から遠ざかっていると、使えなくなるのではないか⁉️
そんな不安もあり、
(こんな時は、一緒にハサミで何かを切ってみるのも良いかも。)
それで、切り紙遊びを思い付きました。
*折り紙を取り出して
私は適当に茶色の折り紙を折り畳みました。そして適当に印を書いてみました。
「何してるの?」
流石、ハサミ好き❗️
私がハサミを持ち出すと、おママはすかさず食い付いてくるんです。
切り終えた茶色の折り紙を開くと、それなりの出来でした。
「あら❗️やってみるわ。」
今度は黄緑の折り紙を畳んで、印を書いて渡しました。
重なって厚みがあるのだけど、おママは上手に切っていきます。
開いて満足そうでした。
「せっかくだから貼ってみましょうか。」
ハガキの画面には大きすぎるので、切り分ける事にしました。
あれこれ楽しんで出来たのが、⬆️1番上の貼り絵です。
切り分けて、余りがたくさん出てしまいました。おママはこういうの大好きです。
*午後は悩み抜いたようです。
昼ごはんの後、おママは切り紙の余りで、もう1枚作ろうとしておりました。
⬇️これが途中。
しばらくして出来上がりを見ると、
「ありゃ⁉️ 」
ずいぶん変わりましたね。⬇️おママはどうしてこんなに混み入った構成にしてしまったのかしら?
良し悪しを言えば、かなり微妙です。おママらしくないデザインですわ。
おママは何にこだわって構成したんだろうか?
認知症のおママの考える事は、私の想像を超えております。
これはあくまで私の想像に過ぎませんが…。
⬇️ 中央部分の私が黒くマークした所でしょうか?
強引に2枚の切り紙を寄せて、ハート形と円形を作り出したかったのか?
そこを中心に周辺を見ていくと、
全てがシンメトリーになっているではありませんか…。
一見、私の眼にはグチャグチャにしか見えなくても、
何にでも、おママなりの理由があるのでしょう…。
少し考えさせられました。
頭では理解しているつもりでしたが、
私は自分の基準で、アルツハイマー型認知症のおママの貼り絵を見ていたんだな…。
そう思いました。
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。