アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母が作った貼り絵たち。

記憶について No.34 おふくろの味

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(2018年3月15日 アルツハイマー認知症の診断から約11年1ヶ月)

 

 おでん談義

私は学生時代の友人達のグループLINEに参加しています。

入れ替わり立ち替わり何人かがそこでLINEの会話をしていて、さながらキャンパスの学食か軽食コーナーに集っていた昔のように楽しいものです。

 

かなり前のことになるのですが(2017年12月4日)、

Mちゃんが「おでんを作った❗️」と言いました。それは出汁から取ってこしらえたおでんらしい。寒い季節柄、グループLINEは「おでん談義」に大盛り上がりでした。

その時、私はふと思いました。

(ウチは娘もダンナもあまり練り物を食べない人達だし、せいぜい大根とコンニャクと竹輪麩くらいだから作らないな…。)

そうなんです。我が家はおでんといえば出来合いの、アレです。コンビニ…。(^O^)

 

だから私はLINEに爆弾を投下してみました。

「おでんってコンビニで買うものでしょ。」

案の定、お料理上手なFちゃんからは非難轟々。σ(^_^;)

すると、その日おでんを作った当のMちゃんが言い出したのです。

「チャーコんちのおでんの味が、私のおでんのルーツ」

えっ?

私はこの一言に軽く頭を殴られたような衝撃を受けました。

(チャーコんちって、私の実家のことよね…。つまり、おママの作ったおでん?

娘の私がコンビニでおでんを買い、Mちゃんがおママのおでんを継承しているの?)

一瞬、昔おママが作っていたおでんが目に浮かんだのですが、娘の私はおママから作り方を習ってませんでした。

 

LINEの内容はこんな感じ⬇︎です。実際はもっと長いのですが、ちょっと簡略にしました。右側が私、チャーコです。左側がMちゃんとFちゃんです。因みに、この2人はおママがアルツハイマー認知症である事は知っています。

 

( ⬇︎2017年12月4日のLINE画面を模して作ってみました。)

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よみがえる記憶

この時、LINEをしていて、私の海馬の底から少しづつ記憶が蘇ってきました。

学生時代、関西出身のFちゃんは寮生で、九州出身のYちゃんは下宿生でした。

この2人はよく遊びに来てくれたっけ…。

 

おママは私の友人が来ると、普段食べるような何気ない料理を作り、まるで家族のように同じ食卓を囲みました。

それはご馳走ではない、ご馳走。そして、とてもフランクなおもてなし。

ママ自身、私の友人とのお喋りがとても楽しかったようです。

 

Mちゃんは自宅通学だったので、FちゃんやYちゃんほどは来なかったはず。

でも、Mちゃんが来てくれた時に、おママがおでんを大鍋でたくさん煮て、Mちゃんが喜んで食べてくれていた情景が浮かんできました。この時、Fちゃんも一緒だったのではないかな?

(あの時、Mちゃんはおママに作り方を聞いていたのか…。)

懐かしさで胸がいっぱいになりました。

 

私はすぐにオネコに電話して、この事を伝えました。すると…。

「おママのおでんに鶏肉は入っていなかったわよ。私は鶏肉が好きだったから、入っていたら必ず覚えているはずだもの。」

えーーーーーっ❗️手羽元が入っていましたけど…❗️

おママのおでんには、1人2本づゝ分の手羽元が煮込まれており、育ち盛りの私は3本食べて叱られた記憶がありますもん。Mちゃんと私の記憶が一致しているので、ここだけは譲れません。

私も私だけど、オネコさんもオネコさんだわ。

姉妹揃ってよくもまぁ…。おふくろの味を忘れたもんだわ…。

 

自己弁護をするならば…、

オネコの夫は鶏肉を好みません。結婚してからは鶏肉なしのおでんを作り、もっぱら婚家の味にならって料理をしていました。それはそれで良い事だと思います。

そして、オネコも私も食物アレルギーのある子供を育てました。幼児期にはかなり厳密な除去食療法をしていたのです。

使える食材で何とか食べる事を考えていたし、その後は仕事が忙しくて、おママの料理を思い出す余裕もない年月がありました。

私がおでんを作らなくなったのにも、一応理由があります。σ(^_^;)

練り物は卵白の成分が入った物が多く、私は娘のアズキのことを考えるとおでんは作れませんでした。成長して除去食療法をやめてからも、彼女はあまり練り物を好まず、結果的にコンビニで食べたい具材だけを買っておりました。( ´∀`)

 

記憶の曖昧さ

 記憶とは不思議なものです。

「自分に都合の悪いことから忘れる。」

これは私がオネコからよく言われるフレーズですが、ソックリそのまま彼女にお返し出来ると思います。それに、これって誰にでもよくある事かも知れません。

もしかしたら、

「自分にはどうでもいい事から忘れていく」

「どうでもいい事は覚えているのに、肝心な事は覚えていない」

そんな相反する現象もあります。

おふくろの味は、どうでもいい事ではありません。しかし、かなり長期に渉って思い起こすゆとりがないと…、忘れちまうんですね…。笑笑

全くもって、記憶とは一筋縄にはいかないもののようです。(^O^)

 

おママのおでん

Mちゃんが教えてくれた作り方と私の記憶(いい加減な記憶)をもとにするとこんな感じでした。

① 出汁は昆布。煮込む10時間以上前から鍋の水に昆布を浸けておく。

②鍋を火にかけ昆布出汁をとる。Mちゃんは沸騰する前に昆布を取り出し、更に削り節を入れて一瞬沸騰させキッチンペーパーで濾して出汁を取るそうです。

恐らくおママは昆布だけだったと思います。何故なら、出汁昆布はおでんの鍋の底に最後まで残っており、私はクタクタに柔らかくなった昆布を割いて食べていましたから。σ(^_^;)

③別の鍋で手羽元をサッと軽く下茹でする。それとは別に、大根も別に下茹でする。コンニャクも下茹でが必要ですね。

④練り物類は全部ザルに入れ、ヤカンの熱湯を回し掛けして、余分な油を取る。

⑤出汁に酒を適当に入れ、醤油大さじ6杯くらいを入れる。醤油の量は鍋のサイズ次第で味の様子をみながら増減する。(このアバウトさがおママの料理らしい❗️)

Mちゃん曰く、おママはたぶん塩と香り付けに濃口醤油も極少量使っていたらしい。

⑥全部具材を入れてコトコト煮込む。

 

普通のおでんだと思います。煮汁はとても白いです。

不詳の娘チャーコも作ってみました。⬇︎

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⬆︎盛りすぎですね。(^O^)

 

美しかったです。料理下手の私でも、ちゃんと出汁が取れました。*\(^o^)/*

おママが認知症になる前にもっと習っておけばよかったわ…。

 

おママの味を友人のMちゃんのおかげで継承することができました。

何十年も経つのに、おママのおでんを覚えていてくれて本当にありがとう。

m(_ _)m

おママは幸せ者だと思います。

 

本日アップの貼り絵

ちょうど一年前の貼り絵を探してアップしてみました。(^O^)

 おママの貼り絵を見て下さりありがとうございます。