(2019年11月15日 アルツハイマー型認知症の診断から約12年9ヶ月)
(2019年11月15日 アルツハイマー型認知症の診断から約12年9ヶ月)
*「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」とは…。
このシリーズはその月におママが制作した貼り絵の中で、私やオネコが1番気に入った(面白いと思った)作品をご紹介するものです。
「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」というカテゴリーがあるので、もし、ご興味があれば、他の月の「イチ押し」もご覧下さいませ。m(_ _)m
おママは今月11月29日現在で24枚の貼り絵を制作しました。
その中から「今月のイチ押し」を選ぶ判断基準は⬇️こんな感じ…。
①綺麗もしくは興味深い作品。
②制作エピソードがある。
③制作途中の写真があれば尚良し。
④おママの独自性が強い作品。
オネコと私で毎月末に「イチ押しミーティング」を行います。
今月は、まぁ激しく紛糾しました。(^O^)
まるで昔の「土曜サスペンス劇場」の骨肉の争い。それは大袈裟ですが…。*1
それで、今回はっきり分かったのですが、オネコと私で『今月のイチ押し』を選ぶ判断基準が違っていたから概ね紛糾してきたのです。
特に①について相違があったのです。
オネコ→→綺麗であるとか、おしゃれで洗練された完成度の高い作品を選びたい。
私→→→→綺麗であることより、今のおママだからこその、興味深い作品を選びたい。
私はどちらも間違いではないと思うので、今後もミーティングで考えをすり合わせて決めていきたいと思います。
*今月の特徴
2019年11月の特徴としては10月の後半から続いて、おママは今ひとつ制作意欲がなかった事です。
おママが貼り絵制作に取り組めたのは、主に「お題方式」(注1)でした。
おママのアルツハイマー型認知症の症状が進んできた事は否めません。ただ、「お題方式」であっても、おママがハサミを使ってデザインを考え、糊で貼って作品を完成させるというプロセスは、脳に大きな刺激を与えると思っております。
(注1) 今年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。
それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
*朝摘みの葉
前置きが長くなりました。ようやく本題に入ります。m(_ _)m
11月15日の午前中。私は実家へ到着してすぐおママの作業机の上に謎の葉が5枚あるのを発見しました。それはティッシュペーパーに挟まれ、上から本で押しをされていました。
(おママは摘んだ葉を平にしようと思って、上から本を載せたんだわ。)
その葉はどうしたかというと…。ジジの証言では、
「今朝、玄関のあたりで摘んだんだと思う」
ですって❗️
摘んだ葉をすかさず平にするあたり、おママの制作意欲はまだまだ大丈夫そうです。
後日判明したのですが、この葉はオネコによるとアジュガだそうです。
*苦心していました。
私が昼食の支度の合間におママの様子を窺うと、作業机に向かっていました。
おママは平にした葉を茶色の紙の上に並べていたのです。⬇︎
下地の色のチョイスが良いなぁと、思わず感心してしまいました。
さて、葉書の上に配置するとしたら、
「全部はのらないわね。」
そんな事を言いながらおママはお悩み中です。⬇︎
「まぁ、これでいいわね。」
葉書に茶色の帯を掛け、その上に放射状に3枚の葉を配置して完成させるようです。
でも、糊付けする時は一旦葉を取り除いて、帯から糊付けしなきゃね。⬇︎
大きい紙の糊付けは結構大変です。
まだ湿り気のある葉を貼るのは結構難しく、糊がはみ出したり手がベタベタになったりと四苦八苦の末に、おママは何とか3枚の葉を放射状に貼って、完成させました。
葉を貼り絵に使う時は糊付けした後に重しをしておかないと平になりません。今度はティッシュペーパーではなく、ツルツルのクッキングシートに挟んでから本を載せてもらいました。
*しかし、それでは終わらなかった。
昼食後、おママが暇を持て余しているので、私は友人から頂いた包装紙を出して、おママと切り抜いて遊んでいました。
それは草花の包装紙と⬇︎の「箱根ベーカリー」の袋でした。
ユーモラスな大名行列です。侍の背丈は1.5㎝くらいですから、かなり小さい。
そこで、おママは新たに1枚全く別の貼り絵(下の写真で新聞の隣にある作品)を完成させました。
そして、裏に日付を書く段になり、
「ついでにこれにも今日の日付を書いたら」
と、私が先ほどの、本で押しをしていた貼り絵を取り出すと…。
おママはいきなり3枚の葉の間に大名行列を貼りたくなったようです。⬇︎
(これに大名行列か…。まぁ、本人が貼りたけば貼れば良いけど…。)
私は出来栄えには期待しないことにしました。(^O^)
「これがああでしょ。それでこうだから。どうしようかしらね。」
おママは大名行列を小さく分割しながら、かなり吟味していました。
そして遂に完成❗️出来立ての時、まだ生乾きの葉はこんな感じでした。⬇︎
おママは行列の進行方向を揃えたのね。
それに、大名行列の線の色が下地の茶色とバッチリ合っているんですね。
もしかして…、この侍や馬や籠や銭の切抜きが無かったら、画面は寂しかったかも知れません。
勿論、造形的には荒削りで稚拙だと思います。
でも、眺めているとだんだん良く見えてくるから不思議です。
江戸時代、山深い箱根路をゆく行列が目に浮かぶような…。
だいぶ認知症の症状が進んできましたが、まだまだおママの感性は大丈夫だ。
そう思わせてくれた作品です。
そして、同じ日に私が帰った後、おママは朝摘みのアジュガの残り2枚を使って、全く雰囲気の違う貼り絵を制作しました。それが2番目の貼り絵です。
おママは記憶が数分しか保てません。貼り絵を制作していない時は、自分が葉書に貼り絵をしている事なんて全く記憶にないのです。おそらく、アジュガの葉を5枚摘んだ時、それを貼り絵に使おうとは思わなかったでしょう。
だからこそ、おママ自ら摘んですぐ平にするべく本で重しをして、その日のうちに2枚の興味深い貼り絵に結実出来たのは奇跡だと思うのです。
そんなこんなで、この「朝摘みアジュガの奇跡」を『今月のイチ押し』に決定‼️
パチパチパチ👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。
*1:o(^∇^)o