アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

リハパンツは1日にしてならず。No.2(2014年の攻防戦)

(2015年8月8日 アルツハイマー認知症の診断から約8年5ヶ月)

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経験者は語る

皆様、リハパンツを履いたことがありますか?

前記事のブクマコメントに体験談を頂きましたが、

 私もしっかり経験者です。初体験はまだ50歳になる前でした。(^O^)

更年期で月経が不順になり、とても重い時期がありました。そんな時に頻繁に使用しました。パンツ型の生理用パットだと思えば、とても安心感がありました。

えっ、履き心地ですか?

悪くありません。夏は少し暑く感じますが、冬はむしろ温かくてお腹が冷えません。

ここ数年は年齢のせいでしょう。おトイレが近くなってしまいました。

そのため、万が一のことを考えて、旅行の時には必ず使用しています。

でも、これはあくまで安心のため。

私もリハパンツの中にしてしまったことはありません。(^◇^;)v

そんな私が初めてリハパンツを履いたのは、2014年の晩秋でした。

 

(↓)全記事の続きです。

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お揃い作戦

ジジがまだ足腰が健在だった頃、趣味は写真撮影でした。重い一眼レフデジカメを持って、サークルのお仲間達と風景やイルミネーションを撮影していました。その頃はまだおママも認知症の症状が軽かったので、同行することもありました。

しかし、2014年頃になると、それもなかなか難しくなっていきました。おママの症状が進み、ジジはおちおちカメラのファインダーを覗いてもいられなくなったのです。

その年の11月に、ジジは念願だった川崎工場夜景見学ツアーに参加できることになりました。

それで、私は仕事中、ジジに誘われました。

「夜だしね。おママも連れて行こうと思う。なんならチャーコさんもどう?夕食付きだよ。参加費出してあげるよ。」

 私はしばし沈黙しました。

つまり、ジジは心置き無く写真を撮るために、私におママの付き添いをして欲しいのでしょう。  ジジも高齢です。行きたいところには行かせてあげたいし、私も工場夜景は興味有りますしね。

「ただ、一つ問題があるんだ。

トイレの場所が少ないんだよ。」

う~ん…。おママは大丈夫か?私共々心配です。

 

そこで思いついたのが「お揃い作戦」です。

 当日の出発前、私はおママにリハパンツを差し出しました。

「おトイレが少ないんですって。安心だから履いてみましょうよ。」

おママは胡乱な物を見るような目をして、

「そんなの履かなくても大丈夫よ!」

案の定、拒絶の意志は固く、おママは目を三角にして釣り上げています。

でも、私も負けません。「ほら!」と自分が履いているところを見せました。

「私も履いているの。お母さんも履いてみましょうよ。」

というと、おママは気持ちを変えて履いてくれました。

 

  結局、この日はおママも私もリハパンツを汚す事はありませんでした。

でも、ジジと私の安心感は大きかったです。

数少ないトイレチャンスの時、私はおママを必ずトイレに誘いました。私が行く時は、ジジのお仲間がおママと一緒にいてくれました。

でも、その方がおママに

「チャーコさんは今おトイレに行ってますよ」

そう声をかけてくださったら、

「あら、チャーコは一緒に来てませんよ!」

と答えたとのこと。ずっと一緒に見学していたのに、おママには最初から居ない事にされていました。でも今思えば、この頃(2014年)はまだ私の存在と名前が分かっていたのですね。(^O^)

 

  実はこれを機に布パンツからリハパンツにシフトしてくれないかなと、下心たっぷりだった私…。しかし、そうは問屋は卸さない❗️結局元の布パンツに戻ってしまいました。

この紙パンツ、翌日にはタンスの引き出しの中にありました。

他の布パンツと一緒にキレイに畳んであったのです。

汚れてないから、いつかまた、使うつもりだったのかしら?

 

成功体験は続かない

何度か履いているうちに、おママも抵抗がなくなるだろう。

私はそう思っていましたが、甘かったです。なぜなら、おママは記憶力が衰えているので、そもそもリハパンツを履いた記憶が失われてしまいます。

つまり慣れようがない❗️(°_°)

まぁ、家に居る時なら、布パンツでも仕方ないです。たとえ最悪粗相があっても、私たちが大変なだけですから。

しかし、外出時はそうはいきません。他所様に迷惑をかける可能性だってあるでしょう。

だから、長時間出掛ける時は、なんとしてもリハパンツを履いて欲しかったです。

 

当時、オネコさんはよくおママと一緒に歌舞伎鑑賞をしていました。

おママは若い頃から歌舞伎が好きだったので、認知症になっても、これだけは楽しめていました。ストーリーはともかく、舞台全体が華やかな色彩に溢れているからかも知れません。

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しかし、ここでも問題がありました。

歌舞伎公演は結構長丁場なのです。昼夜二部制だと公演時間は休憩を含めても4時間近くになります。しかも幕間に用を済ませないと、芝居の途中では行きづらい。

それで、できれば安心のためにリハパンツを履かせたい。

私は何回か、自分は出掛けないのに「お揃い作戦」を試みました。

首尾よくおママに布パンツから履き替えてもらえる事もあったのですが、そうは上手くいきませんでした。

「ほら、私も履いているの。お母さんも履いてみて❗️」

おママは私のリハパンツをしげしげと見て、冷静な声で言いました。

「あら、良いじゃない。でも私はいいわ。履かない。」

考えてもみてください。

いい歳のオバさんがパンツを晒して玉砕する様を…。(TT)

成功率が下がってくると、不調に終わった時に私の精神的ダメージが大きかったので、

この「お揃い作戦」は半年ほどでやめました。(^◇^;)

 

本日アップの貼り絵

2014年〜2015年ごろの貼り絵ファイルから見つけました。

躍動感があって、爽やかな感じがしたので選びました。

今から7年前の作品です。

 

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。