(2015年8月11日 アルツハイマー型認知症の診断から約8年6ヶ月)
*突然の下血
おママにリハパンツを履いてもらう。
このミッションは不調のまま2014年は暮れて、2015年を迎えました。
なんでもそうですが、無理強いは上手くいきません。
私達も諦める事なく、それとなく機会を見つけては、おママに働きかけていました。
しかし、リハパンツを見ただけでも、
「これは私のじゃない❗️」
と強い抵抗を示す事も多く、そんな時は私達もサッパリと引き下がるようにしていました。
実のところ、おママはガブガブ水分を摂る方ではないし、トイレの回数も多くありません。お小水でパンツを汚す事はほとんどなかったのです。
ところが、2015年の夏に、おママは突然の腹痛と血便に襲われました。
午前中に私は保険業務のために実家に出勤しました。そしてこの事を知り、トイレへ向かったおママの様子を伺うと、それはもう下血状態でした。この時,布パンツが血液で汚れていたので、「いあぁ❗️」と泣かんばかりに抵抗するおママを宥めつつ、私は強引におママにリハパンツを履かせました。
「いつものパンツは洗濯しますから。」
非常時です。私はこんな時は有無を言わせません。(^◇^;)
そして、ジジと2人がかりでおママをかかりつけ医のクリニックへ連れて行ったのです。
診断は虚血性大腸炎でした。
便秘がちなおママの事ですから、強烈に息んだ時に虚血になったのかもしれません。
*自宅療養
治療法は下血,血便が治るまで絶食しながら安静にするしかないのです。
かかりつけ医は早速大きな病院に紹介状を書き、その日の午後から入院できる手筈をとってくれました。
しかし、認知症のおママは、何故自分が入院しているのか、何度説明しても理解も記憶もできません。「家に帰る」「なんでこんなところに入れられたんだ❗️」と言って看護師さんを困らせたり、逃亡しようとする可能性もありました。この当時は、まだ自分の思う通りにしたいと考えて、それをおママなりに実行する能力がありました。
それで、ジジとオネコと相談の上、かかりつけ医と先方の病院の医師にはお詫びのお電話を掛けました。私達は自宅療養でおママを看ようと決めたのです。
かかりつけ医からは往診で点滴をする事はできないと言われました。そして、摂取した水分量と食べた物、そしてトイレに行った時の状況を記録するようにアドバイスをされました。脱水症状にはなって欲しくなかったし、私は夜中のトイレの事も考えて、2日間泊まり込みました。
水分補給は白湯か経口補水液、絶食中にお腹を空かせたら飲まそうと経口補水液のゼリーやウイダーも用意しました。
結局、腹痛自体は1日ほど終わり、下血は2日続きました。やはりおママは自分の体の異変を感じていたのか、腹痛がなくなっても下血のある間は大人しく、さほど食べたいと言って家族を困らせる事はありませんでした。
*非常時のみ着用
しかし、おママはトイレに行く度に私が着いて来るのが嫌だったらしく、
「来なくていいです❗️」
と怒っていました。ええ、勿論、私の手にはリハパンツが握られていましたわ。
非常時です。私はこんな時は有無を言わせません。v(^O^)v
おママは血液の付いたリハパンツを見て
「あぁ、どうしよう…」
と毎回嘆きましたが、逆に私はリハパンツが有り難かったです。
ささっと新しいのに取り返えれば良いのですから。それにリハパンツがなかったら、寝巻きだってシーツだってかなり汚れたと思います。
そして、私はしめしめと思いました。
(今回の騒動で、おママは数日間リハパンツを履き続けている。それだけ継続していたら,おママの記憶から布パンツは消滅して、今後はずっとリハパンツだけで通せるかもしれない。)
が、しかし…。そうはならなかった…。
既に短期記憶は半日と持たない状態だったのに、当時は長期記憶や習慣性の記憶は健在だったのでしょう。虚血性大腸炎ごとき(涙)では、おママは布パンツを忘れる事はありませんでした。
下血もなくなり、普通に食欲も戻って排泄も順調に回復したら、おママはサッサと自分で履き替えてしまったのです。
仕事の合間におママの様子を見てみると、布パンツを履いているではありませんか❗️
それで、そのおママが最後に履いていたリハパンツはどこに行ったのでしょう。
洋服ダンスの中でもなく、ゴミ箱にもありません。
でも,すぐに見つかりました。
取り込んだ洗濯物をきれいに畳んで重ねた、その一番下から出てきました。
まるで洗濯物の仲間のように、きちんと二つ折りにされて隠れていたのです。
それを発見した時、私は得も言われぬ敗北感に目眩を感じました。
まぁ、非常時のみ着用であっても、
この非常時には履いてくれたのだから、良しとしましょう。(°_°)
*本日アップの貼り絵
2015年8月11日の作品です。今から8年前ですね。丁度、おママが虚血性大腸炎になった頃の作品です。しかし、この年の夏は数日のブランクはあっても制作はコンスタントに続いていたようです。おママは体力が戻れば直ぐに貼り絵に取り組んでいたのでしょう。
この作品も紅茶の個別包装袋を使っています。(↓)
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。