アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

リハパンツは1日にしてならずNo.4(覚悟を持って強硬手段)

(2016年4月4日 アルツハイマー認知症の診断から約9年2ヶ月)

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引き続き、今回もリハパンツ問題です。

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少しづつ軟化?

2015年〜2017年、おママのリハパンツ問題の状況は変化しませんでした。

殆どトイレの失敗がなかったから、もしかしたら、この時期はリハパンツの必要は無かったのかもしれません。

しかし,それ以外の認知症の症状はかなり進行していていました。

おママの頭の中では、実の娘を産んだ記憶も存在もなくなりました。言語能力で言えば、多くの単語が失われ始めました。いつ排尿や排便の感覚が失われても不思議はないように思えました。

それで、私達は相変わらず、やんわりと働きかけを続けたのです。

 

例えば自宅でおママが入浴をする時、ジジはおママの着替えを揃えて上げていました。

そこで何食わぬ顔をして、ジジは布パンツの代わりにリハパンツを用意しました。

大概は、目を三角にして怒りをあらわにしたおママの抵抗に合うのでした。

「なによ!こんなの履かないわよ!」

しかし、疑問を持たずに履いてくれる事もありました。そんな時、私はホッと胸を撫で下ろしましたが、おおかた糠喜びに終わりました。

 

認知症の進行と共に、おママは夏に下着が汗で濡れて不快になると、タンスから乾いた物を自分で取り出し、着替えるようになりました。これは布パンツでもリハパンツでも同じでした。そして、濡れた肌着やパンツを、おママは鏡台の鏡や椅子の背もたれに掛けて干していました。

それらが乾くと、どうするのか? 答えは簡単です。

おママはそれを洗濯したての下着だと思い込み、またタンスに仕舞い込んだのです。

つまり、私たち家族が注意深く観察していないと、汗で汚れたパンツは、洗濯される事なく、繰り返し履く事になりかねません。

無限ループで履き続けるられるパンツよ。(TT)

この時期、私は室内に布の下着類が干してあったら、必ず洗濯カゴへ放り込み、それがリハパンツなら、迷うことなく廃棄しました。

転機

2017年7月からジジとおママはデイサービスに通うようになり、

2018年5月から、おママはそこで入浴サービスを受けるようになりました。

入浴サービスのために、バスタオル1本、ボディタオル2本、着替えを持っていきます。

最初、おママがゴネるとスタッフさんに迷惑をかけると思い、私達は布パンツを入れていました。しかし、徐々にリハパンツに変えていきました。

 

(↓)実は、リハパンツを履いていたらここまでの大惨事にはならなかった❗️

そう断言できる事件がありました。

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この頃(2018年夏)から、私達家族は本気を出してこの問題に取り組み始めました。

おママの着替えの時は、多少嫌がっても必ずリハパンツを履いてもらう。

それでも、自分で履き替えてしまうので、遂にオネコさんが強硬手段を試みました。

「タンスからすべての布パンツをなくして、リハパンツだけを入れておこう。」

この布パンツ撤収作戦は効果がありました。おママはタンスのどこを探しても布パンツが無いので、リハパンツを履くしかなかったのです。

これが、もう1年前だったら、

「どこにやったのよ❗️」

と怒り狂っていたかもしれませんが、この頃のおママは短期記憶だけでなく長期記憶も習慣的な記憶も衰えてきたので、不審に思ってもそれを訴えるまではいきませんでした。

それでも、デイサービスからオネコさんにこんな電話が掛かってきた事もあったのです。

「フキコさんがパンツ履いてませんが…。」

おママはタンスの中に自分のパンツがないと思ったのでしょう。履かずにキュロットタイプのスカートを直に履いていたそうです。(^◇^;)

そんなこんながありながらも、

2019年には、おママはリハパンツを疑問もなく履いてくれるようになりました。

総括

おママのリハパンツ問題は、結局4〜5年掛かりました。

今思えば、「おママはリハパンツを受け入れた」というのは語弊があるでしょう。

認知症の進行により、段々と布パンツの存在を忘れた。その結果でした。

つまり、その時期が来たから、おママはリハパンツを履ける様になったのだと思います。

リハパンツを履くようになっても、2019年〜2022年の後半まで、おママは自分でトイレに行き、殆ど失敗はありませんでした。

昨年(2022年)の秋ごろから、おママは尿意を感じられない事も増えてきました。リハパンツが重たくなったのは、特養に入所する少し前でした。

やはり、おママの認知症は実にゆるやかに進行したのだと思います。

 

これまで4回に分けておママと繰り広げた私達のリハパンツ攻防戦を書いてきました。

過ぎてしまえば何の事はなかったのですが、この間、私はおママがお漏らしをしたらどうしようか、とても不安でした。

介護は十人十色。

おママの例が他の方の役に立つとは思えませんが、自分への忘備録も兼ねてまとめてみました。

終始一貫、お下の話題で申し訳ありませんでした。

お付き合い下さり,ありがとうございます。

(↓)リハパンツを履いていてもこの様なことはありました。(^◇^;)

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本日アップの貼り絵

2016年4月4日の作品です。

シンメトリーが大好きだったおママらしい貼り絵だと思います。

中央ピースはとても細かくハサミを使って切り抜いています。

 

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。