アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

絵を描きたい❗️ チャーコ今年を振り返る


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(2019年10月28日 アルツハイマー認知症の診断から約12年8ヶ月)

 

 今年の挑戦

このブログはアルツハイマーとともに 〜おママの貼り絵日記〜」というタイトルです。

その名の通り、アルツハイマー認知症歴12年の我が母「おママ」が制作した貼り絵をアップする事を主眼としているので、あくまで主役はおママの貼り絵です。

 

でも、1年ほど前のブログ2周年の頃から、私はちょっとした願望が芽生えました。

(私もカットのようなイラストを描いてブログに載せたいな…。)

 

 しかし、私はあまり絵が得意じゃないのです。

一応、美術系の学校を出ているのですが、美術史・美学などの理論系の比重が高い学部でしたし、受験の時も学科がかなり重視されていたので、私はろくにデッサンの修練も積まずに入ってしまいました。

(私には描けない…。)

それが長年コンプレックスになっていたのに、50歳を過ぎて俄然描きたくなってしまったのです。

 

以前、おママから言われた一言、

「あなたは何をしている方なの?」

これが、私の心に突き刺さったていたのかもしれません。⬇︎

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一昨年から、私は趣味で仏画を習っています。こちらは先生の下絵を写し、岩絵具で彩色するので、どちらかというと1からオリジナルで描くわけではありません。

(イラストって描けるかな…。)

自信はないし、それをネット上に晒すなんて恥ずかしい…。(^◇^;)

 

でも、この年になったら少々面の皮も厚くなり、心臓に毛も生えるんですね。

今年の3月、キャラクターデザインも決めないうちから見切り発車的に始めてしまいました。(^O^)

それから9ヶ月。描いた枚数69枚。

案外、楽しくて、更に宵っ張りになってしまうほどです。

 お世辞にも上手いとは言えません。

でも、チャーコの今年の総括として、描いていて印象深かったイラストを何枚か振り返ってみたいと思います。

 

 空想の世界や子供の頃のイメージを描く楽しさ

改元記念、令和の由来をイメージして描いてみました。高松塚古墳の壁画を元におママを若くして万葉三美人⁉️(3オバさん)にしました。

この改元の頃は日本中が湧き立っていたように思います。そのウキウキ感のまま、装束の裳裾の色を塗り分けるのが、とても楽しかったです。

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上野動物園のシャンシャンが2歳になった時のイラストです。

私が小学生くらいの時に思い描いた空想の世界を描いてみました。

実際はパンダを見に連れて行ってはもらえなかったし、大きなパンダのぬいぐるみは持っていませんでした。それにパンダと一緒におやつをいただくなんて不可能ですもの。

でも、このイラストを描き上げた時、心が癒されたような不思議な感触を覚えました。そして、絵は自分に纏わりついていた澱を落とすために描いてもいいような気がしました。

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まだ私が幼い頃、親子3人でディズニー映画『ファンタジア』を観に行ったときのイメージです。生まれつき視力の弱かった私は 、いつもこんな少し不安げな顔をした幼女だったのではないか…? 過去の自分を見つめ直すような気分で描いた事が思い出深いです。

 

 

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これは現在のオネコと私姉妹のイラスト。

でも、子供の時から私達ってずっとこんな感じだったかも…。

第一子長女のオネコは賢いし、シッカリしているから、いつも旗を振ってボンヤリしている妹を導いていた?

私はなんとなく服従型で、それに従う方が居心地が良かったのでしょう。

今も私は依頼心が強いから、その傾向が拭えません。

オネコの側から見たらかなり異論はあるでしょうが、

そんなイメージで「ウッシッシ!」とほくそ笑みながら描いたイラストです。

 

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 心の風景を描いてみたい…。

老いていく親の姿は、それを追っかけるように歳をとっていく私の心の中に、この先ずっと生きると思います。

記事の場面をそのまま描くのではなく、心象風景に浮かぶ親の姿を、ちょっぴり哀愁を感じながら描いてみたくなりました。そうなると、やはり後ろ姿かと…。

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同じく後ろ姿です。自分で撮影した写真を横に置いて描いたので、それほどデッサンのの狂いはないのではないかと…。 

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落ち葉のエピソードは、記事の内容のまま描いたら、私の精神上よくないような気がしました。でも、何か描かないと気持ちは沈んでしまいそうです。

心の中のイメージを自分なりに昇華できたように思うイラストです。 

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ジジとおママの若い頃を描いてみる 

消えかかった60年前の写真を見ながら描き起こしました。

おママのドレスは忠実だと思いますが、顔は上手く描けませんでした。似ていないのが残念。でも、まぁ良いか…。

ジジの方はわりと似ていると思います。タキシードの型もどことなく昭和な感じがします。

不本意な所も多いのですが、両親の60年を感じながら描けたのは良かったかも…。

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まだ、20代のおママは銀行勤めをしながら芹沢圭介先生(人間国宝 型絵染の染色家)の工房に染色を習いに行っていました。その姿を想像して描きました。

私がまだ中高生の頃、おママが若い時に着ていたグリーンのベストがありました。ウール地で温かく、私は気に入っていました。

「そのベストは元々スカートとお揃いだったのよ。よく着てスカートはダメになったけどね。」

おママがそう言っていたのを思い出して、イラストの中のおママに着てもらいました。

帽子は私が勝手に拵えたものです。

親の若い頃を想像しながら描くのは妙なものですね。

 

昔は結婚と同時に仕事や習い事を止めて家庭に入るのが当たり前だった。

おママはそんな時代に青春を駆け抜け、結婚した世代の人です。

当時のジジの勤務地は小樽だから、ジジに理解があっても染色は習い続けられなかったね。心残りだっただろうね…。切ないね。

そんな事を思いながら、夜中にメソメソしながら描いたイラストです。

デッサン的には「あれ?」ってなところもありますが、キリッと前を向いたおママに描けたかな…?

 

昨日、天袋の箱を整理していたら、芹沢圭介先生の工房に通っていた時の道具が見つかりました。ノートやお道具が綺麗に残っていて、なんと「芹沢」と領収印のある月謝袋まで出てきました。おママはずっと染色を習っていた時代を大切にしていたのでしょう。古い月謝袋を見て、私は胸が熱くなりました。

いづれ、これらの道具類を見直して記事にしたいです。

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 今後の目標

今年はイラストを描く楽しみを知りました。

来年はもう少しデッサンのシッカリした絵が描きたいなぁと思います。

それと同時に、私の心象風景を画面に落とし込めるようになりたいです。

 

自分でも意外だったのですが、私は子供を描くのが好きなようです。

私達姉妹の子供時代を昭和感たっぷりに表現したいし、

両親の子供時代や若い頃の写真を見ながら描いてみたいです。

 

 でも、気負わずボチボチ続けていこうと思います。

あまり睡眠不足にならないように、時間の使い方も見直さないといけませんしね…。

 

私の拙いイラストにお付き合いくださり、ありがとうございます。

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。