アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

月末企画❗️今月のイチ押し(2017年9月版)

 

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(2017年9月18日 アルツハイマー認知症の診断から約10年7ヶ月)

 

早いものです。9月も今日が晦日になりました。

それで…、恒例の「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」でございます。

今月はいつもと感じの違う貼り絵を選んでみました。

 

真ん中にドーンと「中津名産  丸房露  蜂蜜入」❗️

そんなレトロで趣のあるラベルが貼ってあります。これは魅力的。

 

中津名産…。そうなんです。これは私の九州土産でございます。

⬇️のように半透明の袋から切り出しました。

 

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豊前市のスーパーで購入した庶民的なお菓子です。

1袋に2枚入って、甘さ控えめ。

サラッとしているのに蜂蜜の風味が優しく効いているような…。

美味しい丸ぼうろでした。

 

  貼り絵の四隅と中央にオレンジ系の円形パーツがありますね。

これも美味しい九州土産の包装紙から取ったのです。

元はこれ。⬇️  きれいに包みを開けられなくて、こんな写真ですみません。

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 まず最初、おママは⬆️この包装紙に心を奪われたようです。

お菓子を食べるとすぐに、包装紙を手に作業机に向かって、ハサミで切り始めました。

 

一方、ジジはオネコとのんびり丸房露を食した後、ふと思い付いたのでしょう。
おママの机まで丸房露の袋を持って行きました。

「これ、貼り絵に使うと面白いよ」

しかし…、おママたっら…、にべもなく却下したのです。

「そんなの使えないわよ!」

現実問題、ツルツルしているから糊でハガキに貼れるのだろうか?

そう思うと、私も「貼るのは無理だとおもうよ」と言わざるを得ませんでした。


「とにかく置いておくから」


二人掛かりで却下されて、ジジはちょっと気の毒でした…。


しかし‼️

30分くらい経って作業机を見ると、

おママがこの貼り絵を完成させていてビックリ‼️


明るい色の円形を貼った上から、透明素材に印刷された丸房露を貼ったのが、おママの工夫。

これは見事なシースルーですね。

 

みんなで美味しく食べたお土産の包装を使ってくれた事。

ジジの思い付きが良かった事。

そして、一度は却下しながらも、結局おママは工夫してみた事。

 

色々、考えると感慨深い作品です。

だから、今回はこのシースルー丸房露を今月のイチ押しに決定‼️

パチパチパチ👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏

 

丸房露の重松製菓は公式HPが見つかりませんでした。

重松製菓  大分県中津市大字蛎瀬333   0979−22−3756

 

www.meigetsudo.co.jp

おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

ジジ料理 (ほうれん草のクルミ和え)

 

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(2017年8月28日  アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

 

クルミの効能
  どこかのテレビ番組で仕入れたのでしょう。
「クルミは認知症に効くんだよ!」
以前からジジは強く主張しておりました

 

  確かにネットサーフィンしながら調べてみますと、
クルミ(胡桃)に多くに含まれるα-リノレン酸の一部は体内でDHA(ドコサヘキサエン酸)になるそうです。そのDHA認知症に対して良いのだそうです。

また、クルミにはビタミンEやミリセチンといった抗酸化物質が豊富。これらは脳の酸化を抑制するそうな…。

コリンやトリプトファンという脳に働く成分もあるらしい。それで、認知症予防や認知症の症状緩和に効果が期待されているとか…。

  それで以前より、ジジはクルミを時々買って、おママと2人でポチポチ食べていました。

 

ジジの工夫
  アルツハイマー認知症のおママは、野菜を切るとか、洗い物をするのは出来るのですが、殆ど調理は出来ません。
それで、普段の食事はジジが主導しています。買って来たお惣菜を温めるとか、簡単な電子レンジ加熱調理で、ジジも何とか頑張っています。

 

そんなジジ…、
最近、一手間かけた(?)クルミ料理を思いついたようです。
簡単に言えば、ほうれん草のクルミ和え。(きっと前からありますね。)


ちなみに高齢(89歳)のジジはこんな作り方をします。

材料の目安は2人で少しづつ食べる分量。全て適量、適当です。

(お叱り覚悟www)

 

①小鉢に適量冷凍ほうれん草(バラ凍結のもの)を入れる。
4粒くらいのクルミを①の上に適当に細かく割り入れる。ラップをして、火が通るまで適当に電子レンジでチン!
( ⬇️電子レンジに入れる前) 

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③器を取り出し、火傷しないように慎重にラップを取る。高齢者はここが肝心です。料理をして怪我しては元も子もありませんから。
④そこに醤油or麺つゆorすき焼きのタレをチョロっと掛けて和える。
ジジは甘みとコクのあるすき焼きのタレが好きなようです。器に盛って出来上がり。調理時間10分弱です。

(こんな感じ。⬇️) 

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 過ぎたるは…?
  私も食べてみましたが、普通に美味しいです。
「ほうれん草にクルミの風味がとても合うね!」
それは私もジジに同意しますわ。

 

   このほうれん草のクルミ和えが思いのほか良く出来たので、ジジはすっかり気をよ良くしたのですね〜。
ここ何日も、私の居ない時は、必ず食卓に載せていたそうです。

 

  それで、効果はあったのか?今のところ良くわかりません。

ところが要らぬ副産物が有りました…。


「おママのほっぺたに、ニキビが出来てさ、ちょっと控えようと思ったよ!」

 

嗚呼。
ジジ、過ぎたるは何とかだわよ〜。

 

それにもう1つ敢えて言わせて貰えば、

若い子じゃないんだから‼️
ニキビではなく吹き出物ですよ‼️(笑)

 

おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

粘り勝ち

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(2017年7月10日  アルツハイマー認知症の診断から約10年4ヶ月)

  今日は少し前の貼り絵をアップしてみました。

途中の写真が2枚あるので、それもご覧いただけたらと思います。

 

  制作されたのは7月。

暑い夏がまだまだ当分続くんだ…。私がウンザリしていた頃です。

それでも、おママはコツコツ貼り絵に取り組んでいました。

  この頃、寄木細工柄の千代紙を手にすると、毎日おママの心は新しい興奮と感動に包まれていたのでしょう。

 

⬇️この千代紙が元の材料です。日本橋小津和紙で購入しました。

何度見てもステキな千代紙。

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7月10日の午前中の事です。

 おママが黙々と作業机に向かっていたので、私が覗いてみると、こんな感じでした。⬇️ ブルーのL字のパーツ(ティーパック紅茶の個別包装袋より)が効いてますね。

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「上手くいかないのよ〜。まとまらない。」

おママは私にボヤきます。

「良いじゃないですか。キレイになりそうですよ。」

「そうかしら?」

今年の梅雨頃から、おママは時間をかけて悩み始めると段々ど壺に嵌ってしまいがちです。でも、まだ悩むのを楽しんでいたので、しばらく放っておきました。

 

イメージが固まってきたようです。

20分くらいしてもう一度見てみると、⬇️のようになっていました。

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「中心にまとまってきてバランスも良いですね。」

私が声をかけると、おママの顔に疲労が滲んでいました。

「もう、なんだか分からなくなっちゃった。」

「充分、ステキですよ。それで糊付けしましょうよ。」

「もう、これでいい事にするわ。」

「貼りましょうよ。」

おママが糊を手にしたので、

私はこのまま完成形としてパーツを貼ると思っていました。

 

ところが…、更に。

  この日の夕方、私は帰り際に貼り絵のファイルを開いてみました。

そこに有ったのは、1番上の貼り絵です。

 

   また、若干、変化してますね。

求心力が増して、中央から光が拡散しているように見えました。

貼りながら、おママは更に考えたのでしょう。

最近では、おママが熟考すればするほど、良くなるとは限りません。

 

この貼り絵はおママの粘り勝ち❗️

 

  今回の所要時間はどのくらいだったか…。

私はパーツの切り出しをしているところは関知していません。

構成だけで、1時間弱くらいです。

7月の時点では、まだ、そのくらいは集中できたようです。

でも、9月現在では、少し短くなっているかしら…。

 

おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

 

デイサービスに通い始めて

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(2017年9月10日  アルツハイマー認知症の診断から約10年7ヶ月)

 

家庭訪問
  ジジとおママがデイサービスに通い始めて早丸2ヶ月。

週1回の通所に2人とも慣れてきたようです。ジジの付き添いという名目があるので、おママは嫌がりもせず順調にお迎えの自動車に乗ってくれています。


  さて、最近デイサービスのスタッフの方が家庭訪問にいらっしゃいました。

これまでの通所の様子の説明と、それによって家庭での様子や健康問題で何か変化があったか。

利用者の要望などをこれからの対応に活かすためだそうです。

 

デイサービスでの様子
 この2ヶ月、スタッフから見たジジの様子は…。


「体操やマシーンには積極的に取り組んでいらっしゃり、特にマシーンは朝お見えになったら直ぐに始めて、こちらがストップをかけるくらい熱心です。お家に帰ってから筋肉痛にはなっていませんか?」


   マシーンと言ってもスポーツクラブにある物より負荷の軽い機械ですが、90歳近いジジにはハードに思えます。それでも、ジジは筋肉痛は全くないし、デーサービスに行った日の夜はよく眠れるそうです。
「むしろ、もっとやりたいくらいです。」
良くならないまでも、これ以上悪くならないように、頑張ってくれているようです。

 

  ジジは全体的にあまり心配していません。

家族としては、お昼ご飯を食べると直ぐに帰りたくなるおママの様子はとても気になります。


「お昼ご飯の準備や配膳、それから洗濯物を畳んだり、お願いすると良くやって下さるので、スタッフはとても助かっています。全体でやる体操は参加されますが、マシーンはご主人がやっているのをそばで見ていて、ついでに少しやるくらいです。」


退屈しないように、「これいかがですか?」と進めて下さるようですが、気の向かない事も少なくないようです。一見好きそうな塗り絵はあまり取り組まないらしい。やれば出来るんですが…。ジジとオセロをしたり、何人か集まって歌を唱和するのは楽しいようです。


そんな話を横で聞いていても、おママは腑に落ちないみたいですね。
「私そんな事あったかしらね。でも、まぁ歌は好きよ。」
デイサービスに行った事も忘れてますから仕方ありませんね。

 

スタッフの方から体重や握力の記録を見せて頂きました。
7月8月9月の測定で、2人ともほとんど数値に変化はありませんでした。

体重が落ちなかったという事は、ひどい夏バテはしなかったとも考えられます。


ここ数年、体重も体力も下降線だったジジ。

毎年夏になると乗り切れるか心配になります。


夕方、おやつを食べながらジジと話しました。
「暑かったけど、何とか今年も夏が越えられたという事だね…。」

ジジも安堵の表情を浮かべていました。


8月におママがデイサービスでやった塗り絵です。⬇️

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色鉛筆を重ね塗りして色を混ぜているところもあるらしい…。

気が乗らないわりには、作業は丁寧ですね。(笑)

おママの貼り絵を見て下さり、有難うございました。

チクっと痛い。

 

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 (2017年8月2日  アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

 

チャーコの告白。

  本日アップの貼り絵は前回の写真にもちょっと顔を見せておりましたが、これが正式なお目見えとなります。(笑)

   この貼り絵を撮影している時、おママはこんな事を言いました。

「真ん中のピンクが他と色合いが違いすぎて浮いていて、なんだか…。」

おママには色が問題だったのですね。

実は私も真ん中のピンクのパーツが気になりました。

でも、色相や彩度の問題ではなありません。

告白しますと…、私は先端恐怖症であります。

この貼り絵を見た瞬間、

チクっと痛みを感じました。(笑)

 

昨日(9月25日)の失敗

  最近、おママの入浴援助が私のお役目のようになっております。

実際、この2ヶ月ばかりを考えますと、私は上手くいっていますしね。なんのかんの洗髪もしてますから。

「私が手伝えばおママはすんなりお風呂に入ってくれるわ。」

ちょうど自信もついてきたところです。

 

ところがです…。

ダメだった…。

  昼から午後にかけておママはご機嫌でした。夕方は買い物にも行き、ほぼ絶好調でと思われました。

(火曜日はデイサービス、今週の水曜日は親戚がお墓まいりに連れていって下さる。あれこれ考えると、今日は外せない。)

私は強い決意のもと、おママにお風呂を進めました。

 

「おつかいに行ったから汗をかいたでしょう。お風呂の支度ができましたよ。」

「そうなの?」

「どうぞ、どうぞ。下着も用意しましたよ。」

おママは一瞬その気になり、立ち上がりました。そして、いつもと同じ事を言いました。

「私は今日は無理だわ。フラフラするの。頭がフラフラして、ダメだと思う。」

たいてい、私が「それでも汗を流すとさっぱりしますよ」と言えばなんとかなるものなのですが、昨日のおママは頑として翻意しませんでした。

 

だから、ちょっと気分転換をさせようと私は画策しました。仕切り直しですね。

 

  30分ほど、私はおママと書類をシュレッダーにかける作業をやり、また入浴に誘いました。

きっと、さっきのことは忘れているから大丈夫。

そう確信していたのに、ダメでした。

 

「あなたには申し訳ないけど、私は今日は無理なの。気分が悪いのよ。」

「でも、お母さん、何日も入っていないのよ。」

「そうよ、私は身体の調子が悪いの。あと2日くらいは無理なのよ。申し訳ないけど、絶対に今日は入れないの。」→このところ、元気そのもの。

「でも、お母さん、明日も明後日もお出掛けだから入ったほうがいいわ。私がいるうちに入った方がお父さんも良いと言っているわ。」

「いいのよ。今は入らないわ。夜になったらちゃんと入れますから❗️」→話が変わった!

 

私の「でも…、でも、…」攻撃にも、一歩も引かないおママ。

私はいけないことですが苛立ちました。。

 

「でも、夕ご飯の後だと疲れちゃうでしょ。明日と明後日はお出掛けで人に会うからキレイにしておいた方がいいわ❗️」

「どこにも出掛けないわよ。私は関係ないもの❗️」

「でも、行かないと…。」

「私は胸が苦しくて、絶対に出掛けるなんて無理なのよ、行きません❗️」

 

そこまでおママが言い切った時点で、私はようやく目が覚めました。

(マズイ…。この言い争いを一刻も早く忘れてくれ〜。)

 

深い反省と自己嫌悪

「絶対出掛けないわよ‼️」

  そう言い切ったマイナスの気分が残ってしまい、翌日デイサービスに行く時に一悶着があったらどうしましょう。

ジジも大変だし、迎えにきてくれるスタッフの方にも迷惑がかかります。2日後のお墓まいりもそうです。

 

  いつも、おママの記憶がなくなる事を嘆いている私ですが、この時ばかりは直ぐに忘れて欲しかった。なんと私はご都合主義なんでしょう。

  おママが認知症のになって10年以上経つのです。それなのに私はまだ負のスパイラルにはまってしまうなんて…。学習できない私…。

 

  結局、私は入浴援助を断念しました。帰り際、ジジに言われましたよ。

「ごめんね。夜、(ジジが)入った後にすすめてみるから。」

「髪の毛洗うのはできないね…。すみません。」

「まぁ、それはまた…。」

本当に申し訳ない…。・

 

  帰途の電車の中で、私はなんとも言えない無力感と自己嫌悪に襲われました。

吊革に掴まって揺れていると、ここ数ヶ月の自信も崩れ去って行くように思えます。

自分の言動を1つ1つ反芻しました。

どこがどうとは言えませんが、私は慢心していたのでしょう。

アルツハイマー認知症のおママを侮っていたのかもしれません。

おママはそんな私の心を見透かして、反発したのでしょうか。

胸がチクっと痛みました。

 

そして、思い起こしたのが上の貼り絵です。(涙)

嗚呼、チクチク痛いよ〜。

 

1日経って実家に電話してみると、ジジの明るい声がしました。

「あれからね〜、私がお風呂に入った後に、おママも入ったよ。今日はデイサービスもちゃんと行けたから。」

ホッとしました。

 

おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

記憶について No.22 お父さんに言われたのよ〜。

 

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(2017年8月3日  アルツハイマー認知症の診断から約10年6ヶ月)

 

  夏の昼下がり…、

  私は写真撮影をしようと、貼り絵のファイルを開きました。

その前日に制作したばかりの、1番新しい貼り絵が目に入りました。

「あら、ステキじゃない。」

「そう〜?」

嬉しそうに言いながら、おママはクスクス笑います。何かを含んだような微笑みが気になりました。どうも褒められて嬉しいだけではないようです。

「どうしたの?」

するとおママは言ったのです。

「お父さんにこれを見せたらね、『口(クチ)が開いているから好きだ』と言うのよ。やぁね〜。」

「…………⁉️」

これって…。

内容は謎めいていますが、文法的には別に問題のない発言です。

しかし、おママはアルツハイマー認知症

それなりの時間、人の発言を覚えているなんて❗️

驚くべき事です。

 

記憶が1日以上、保たれた件。

「いつ言われたの?」

おママは小首を傾げながら言いました。

「見せた時に。」

何時ジジに見せたのか⁉️

おママはよく出来上がったばかりの貼り絵をジジに見せにいきます。

私は貼り絵をファイルから取り出して、裏を返しました。日付は8月3日。

1日前です。

私の予想が当たっていれば、普段はすぐに記憶を失くすのに、おママは前の日の事を覚えていたのです。

(快挙だ‼️)

この件をジジに聞いてみると、やっぱり…。

「昨日、見せにきたんだよ。」

「『口が開いているから』と言ったの?」

ジジは満面の笑顔で頷きました。

 

ツボにはまったか?

私の今までの経験上、おママがふいに思い出す記憶には法則があるように思います。

 

よほど嬉しい記憶。

よほど印象的な記憶。

よほど可笑しかった記憶。

などなど…。

 

あくまで私の推測ですが、「よほど……」という具合におママの強い心の動きが伴っているようです。

今回はジジの『口が開いているから』発言がよほどおママのツボにはまったのでしょう。そして、おママは1日の間に何度も繰り返しジジの言葉を反芻したのかもしれません。だから、記憶は保持された?

 

何のお口が開いてるのよ❗️

申し訳ございません。

このようにお怒りの方もいらっしゃるでしょう。m(__)m

今回アップした貼り絵に口(クチ)も唇も関係ありませんものね。

 

貼り絵には紫の六角形を6個繋げたドーナッツ型のパーツが4つあります。

そのそれぞれを拡大して見て頂くとわかるのですが、真ん中は元々周囲と同じ紫の六角形でしたが、切り抜かれていてハガキの白地が見えているのです。

 

器用に真ん中を切り抜いているから「まるで口(クチ)が開いているみたいだ!」とジジは感嘆しての発言だったようです。

 

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(2017年8月4日撮影)

 

  きっと、予想外の感想におママはツボったのでしょう。

ジジの言わんとしている事は分かりますが、私は開いた口が塞がりませんわ〜。

 

おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

 

良い紙ね〜。(再アップ)

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(2017年9月7日 アルツハイマー認知症の診断から約10年7ヶ月)

 

昨夜は頭痛で、ブログをお休みしました。毎日更新が目標だったので残念です❗️

今回は、23日の午前0時半から午前11時までアップされていた「良い紙ね〜。」に大幅加筆して再度アップしております。読んだオネコから、この貼り絵について新たな話も聞けたので、出直し致します。m(__)m

 

私が旅行に行っている間に…。

おママは精力的に貼り絵に取り組む日もあれば、何日も1枚もやらない事があります。

それは何によるのか?

体調か?気候か?単なる気分か?

他に何か理由があるのか?

何をどう考えても、それは私達の推測の域を出ません。

 

私は今月思い切って九州に行きました。

旅行中とその後の土日を含めて、私は1週間実家に行きませんでした。

その間、おママはほとんど貼り絵をしなかった…。かろうじて日曜日に1枚やっていたようですが、6日間ブランクがあったのです。

 

おママはアルツハイマー認知症歴10年ですから、何日も制作から離れていると、もう出来なくなるかも知れません。今は食事も排泄も自立していますが、切ったり貼ったりする作業をしなくなったら、どうなるのでしょう…。不安…。

 

帰途の羽田空港からジジに電話して、無事戻った事を報告しますと…。

「こっちは元気なんだけど、おママは全然❗️貼り絵をしなかったよ❗️」

その後、オネコにも電話すると、やはり同じ話でした。

「それとなく白いハガキをおママの机に出して置いたんだけど、やらないで仕舞ったみたいよ。」

白い真っさらのハガキを見ると、おママは貼り絵をしたくなる傾向があるのです。(笑)

でも、やらなかった…。

オネコも心配だったのか、私の旅行中実家へ行った時に、貼り絵のファイルを開いて、おママと一緒に眺めたそうです。

その時、おママは今回アップの貼り絵を指差して、⬆️

「私はこれが好きなの」

と言っていたそうです。オネコは水色の花が気になったのですが、その出所は分からずじまいでした。

 

その後、貼り絵は復活してきましたが、ジジは不安なようです。

「チャーコさんが来ないと、おママはもう貼り絵が出来ないんだよ…。」

そんなこと言われたら、私としてもプレッシャーですよね〜。

私に出来る事は声掛けと制作のキッカケ作りだけですから。

 

でも、私もジジと同じ事を心配しています。

今のおママが貼り絵をする気力を無くしたら、症状は一気に進むのでなはいか…。

 

おママが貼り絵をする原動力は?

先週の金曜日 (9月22日)に実家に行ってみると、ジジが私を見るなり何か言いたそうでした。

「面白いんだが…。(笑)」

ちょっと、ドヤ顔ですね。はい。なんで御座いましょう。

「おママに聞いたところ、言ったんだよ。

貼り絵は良い紙があったら、やるんだって❗️

無ければやらないらしいよ。」

最近のおママは何日も貼り絵をしなかったり、反対に1日に3枚も4枚も制作する事があります。

ジジはそのムラが気になって、おママに聞いたようです。

それで、上記の回答を得たらしい。それも聞いた瞬間かぎりの答えですが…。

要するに…、良いなぁと思う紙がなければやらないと、おママは言いたかったようです。

(予想通りだわい❗️)

ジジの話を聞いて、私はそう思いました。でも、具体的におママの口から良い紙があれば…」と言う言葉が出るとは思いませんでした。

「良い紙ねぇ〜。」

 

どんな紙が良い紙なんだぁ〜⁉️

本当のところ、おママの考える「良い紙」が私にはよく分かりません。

 

高級なお菓子を包んでいたような綺麗な包装紙か…?

おママの趣味に合う千代紙か…?

最近、写真はあんまり使わないし…。

今まで、雑多な紙を使っていますよね…。

 

アルツハイマー認知症のおママは、かなり記憶障害が進んでしまっています。

毎日、同じ紙を手に取ったとしても、新しい発見と出会いを繰り返し、違って見えるでしょう。

昨日ステキだと思った紙が、今日はそうでもなかったりして…。

そんな事はよくあるはず。

 

おママにとって良い紙の定義は?

定義といっても…。(笑)

例えば、今日アップの⬆️の貼り絵ですが、一見すると可愛いデザインだと思います。

 

細かいパーツは今までも使われていて、作業机の上にある千代紙やリボンです。

しかし、メインの水色の花はどこから取ったのか?

私にはずっと分かりませんでした。

目新しいぞ❗️5個も貼ってある❗️

 

それが折しもこの日(9月22日)、分かってしまったのです。

⬇️これです。

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おママはティッシュの空き箱を手に取り、ゴミ箱に入れる前に、

これを「良い紙❗️」と思ったのですね。

無心に箱を解体して、厚い紙を一生懸命切り抜いている姿が目に浮かびます。

 

おママにとっての「良い紙」の物差しは、私とは違うし、一般ともかけ離れているのでしょう。

薄々分かってはいましたが、何だって良いのですね。

その時、おママが良いなぁと思えば、それが「良い紙」です。

他の誰が決めるわけでもない。

 

つまり、おママが自分なりの「良い紙」を見付けられなくなったら、

貼り絵は出来なくなるのだろうなぁ〜。(溜息)