アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

それは…、きっと…⁉️

 

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(2017年7月26日 アルツハイマー認知症の診断から約10年5ヶ月)

 

 写真撮影

  8月下旬に撮影した貼り絵の写真が暗すぎたので、昨日撮り直しました。

私がファイルから貼り絵を一枚づつ取り出し、撮影していますと、

例によっておママは興味津々で近寄ってきます。

 

「へぇー、それで撮るの?」


スマホでも撮影している事に毎回驚いてくれます。(笑)
恐らくですが、おママのイメージに残るカメラの形状はスマホとは程遠いものでしょう。
私の作業を見ながら、おママはついつい身を乗り出してきます。
あ〜、影になるではないか…。
「お母さん、お願いだから、暗くなるから…。」
そう頼むと、分かったのか分からないのか定かではありませんが、一応「はーい」と言います。しかし、何度も同じことを繰り返してくれました。(笑)


  それから、おママは開いたファイルの中にある貼り絵を眺め始めました。この時にいつも、おママは自作についてあれこれ語ります。それがなかなか面白いのです。


昨日も…。
  この夏、最もヘビーローテションされている寄木細工柄の千代紙があります。何度も登場していますね。おママはそんな貼り絵の1枚をを指し示しました。


「これは良いわよね。」
「そうですね。素敵ですね。」


「実はこの間、これを(貼り絵を)見にきてくれた人が言うのよ。この紙はとても良いから、もっと沢山作れって。それで、いっぱい作ったの。」

「………。」

 

  誰が見にきたのかな?
6月以降、地域包括センターの方やケアマネージャーにもお見せしたけど、

そんな事は聞いていない。
「でも、見て下さって、いろいろ言ってくださるのは嬉しいわ〜。」
「そうですか…。」


私は釈然としませんでした。

誰が?
いつかなぁ?
私が千代紙を買ったのが7月初旬ですから、それ以降です。

上記の福祉関係の方にお見せしたのは主に6月。
誰だろう?

 

1人、思い当たる人物がいました。
それは、私…。(笑)


おママがこの千代紙を気に入ってくれたので、
「お母さん、これはいろんな切り抜き方ができますね〜。いろいろ、沢山作れますね〜。やってみてね〜。」
みたいな事は言った気がします。

 

おママは記憶がはっきりしないから、断片的に残っているイメージから話を多少作っているのでしょう。まぁ、大筋では間違っていません。

 

それにしても、
私→→このあいだ見に来た人
やってみてね→→作れ

しっかり転化していますね〜。

 

  認知症の方の記憶は漠然としたイメージになるのかも?
そのイメージもすぐに消えてしまうでしょう。


ただ、おママの場合、

それが消えないうちに毎日何度も同じ千代紙を眼にしたら、

その都度、言われたイメージが脳味噌に上書きされていくのではないかしら?

 

おママがこの千代紙をヘビーローテションした原因が…、
私だったなんて‼️


思いもよらなかったわ〜。

 

⬇️小津和紙で購入した、寄木細工柄の千代紙です。

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 おママの貼り絵を見て下さり有難うございます。