(2020年7月31日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年5ヶ月)
*チャーコ、殊勝な娘になる。
9月21日月曜日。
何故でしょうか。自分でも信じられない事です。
私はこの日が2020年の「敬老の日」という事に気がついていました。
ここ何年も「敬老」する気が皆無なのではないかと思うほど、「敬老の日」を忘れておりました。
私は普段から誕生日や記念日、祝日などは全く把握できません。しかも、この祝日は毎年連休に合わせてコロコロが変わります。
(覚えられるわけないじゃん。)
そんな私が急に殊勝な人間になるはずもありません。
単に朝にニュースで小耳に挟んだだけの事です。
しかし、把握してしまった以上、何もしないのは如何なものか…。
しかも、この日は月曜日。実家へ行く日でした。
それで、オネコに電話をして相談しました。
「みんなでケーキでお祝いしましょう。」
という事になりました。
何のことはない。
私とオネコでカットケーキを4つ買い、ジジとおママと一緒に食べるだけです。わーい。
斯くして、毎年(↓の記事)のような感じなのですが、今年は一応「敬老の日」らしくなりました。(^O^)
*敬老の日の一悶着
昼食後、おママはロッキングチェアに座って居眠りをしていました。
それはいつも通りの光景です。寛いだ昼下がりでした。
ガチャ‼️っと、2時ごろに玄関で音がしました。オネコがケーキを持って実家に到着したのです。
私は(ケーキが来たぞ❗️)とニンマリしていました。しかし、おママは何を思ったのかロッキングチェアから飛び起きて、「あ、あ、あ…」と混乱した表情をするではありませんか。
「お母さん、オネコさんがケーキを買ってきてくれましたよ。」
しかし、おママは小首を傾げ、
「え?なに…?どうしましょう。こんなことしていられないわ。家に帰らなきゃ❗️」
あらあら。おママ、今居るところが分からなくなったか?
いえいえ。通常でも、もう我が家が自分の家だという実感はないのかも知れません。
しかし、おママは認知症歴13年です。このくらいの事で動ずるほど私達はウブじゃない。v(^O^)v
「ここはお母さんの家ですよ。」
「えー?違うわ。私の家に帰らないと、わたし❗️帰るわ。」
「せっかくオネコさんがケーキを買ってきたのに。」
私は食べ物で釣ろうとしましたが、もはやおママはケーキが何たるかをご存知ない。
「そんなの良いわ。私はいいから。これで帰ります。」
おママは部屋にあったトートバックを持ち出して、帰流気満々でした。
「あら、お財布がないわ…。」
こうなったら、「家に帰る」を否定してもどうしようもありません。
気分を変えるっきゃないのです。
オネコと2人でお茶の用意をしながら言いました。
「これから敬老の日のお祝いをするんですよ。皆んなでケーキを食べるんです。せっかくだから、食べてからおウチに帰ったらどうでしょう」
「美味しいのよ。」
「帰るのは美味しいケーキをたべてからにしましょう。」
おママはふに落ちない顔つきでしたが、握り締めたトートバックの持ち手を離しました。
そして、私はすかさずそれを見えない所に片付けました。
ジジとおママと私ら姉妹。
無事に「敬老の日」のお祝いできました。
美味しゅう御座いましたよ。おママもご機嫌でショートケーキを平らげ、その後「家に帰る」は出ませんでした。
来年も私が覚えていたら…、気がついたら…、やりませう。(^O^)
まだ、タブレットで絵を描く気になれないので、色鉛筆で描いてみました。小学生の時に12色入りを持っていた「三菱ポリカラー(36色入)」を使っています。
*本日アップの貼り絵
7月31日、とてもおママは意欲的でした。この作品お前の既に2枚制作していました。
おママは久しぶりに自分の作業机で始めました。
私が出しておいたマーブルペーパーの切れ端を使ってくれました。
あまり迷わずに構成が決まりました。
(↓)制作動画です。
なかなか良い動画が撮れないのですが、これは私のお気に入りです。
(動画の概要)
左右対象が大好きなおママ。
一生懸命、左右を見比べながら糊付けしています。
ところが、貼ってから右側のパーツと角度が違う事に気がついて、おママはハサミを持ち出して剥がすという暴挙に出ます。
私が我慢して声を潜めて見守っていますと、これがまた器用に剥がすではないか⁉️
その後も貼り忘れたパーツを飛ばしたり、手についた糊をハンドクリームを伸ばす要領で手の全体に擦りつけたり、幾つものヤラカシの末に完成しました。
途中で5時のチャイムが鳴っているのもお気に入りのうちです。
使用している紙は…。
おママが認知症になる前に買ったマーブルペーパーです。結構お気に入りで、おママの貼り絵には以前にも登場していました。
(↓)これもおママのお気に入り。日本橋の小津和紙で購入した寄木細工模様の千代紙です。
ママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。