(2021年3月19日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年1ヶ月)
*お蔵入りしていました
この記事は1年ほど前に8割がた作成していたのですが、そのまま下書きに保存したままになっていました。
理由は今となってはよく思い出せませんが、たぶん忙しくて記事を書けない時のために取っておいたのだと思います。
テーマは「同じ形を切る」です。
1年前のおママは今より目も良く見えていましたし、ハサミも上手に使えていました。
しかし、同じ形を何枚も切るというのは、既に難しい作業でした。
同じ形に切りたい。
そのために、おママなりに一生懸命考えております。その様子を動画に撮れたので、私は下書きを作成しました。
今回の更新にあたり、1年前の写真や動画を見直して、おママのシッカリ度がかなり違うので愕然としております。(^◇^;)
*「お題」を作りましょう
(↓)「まわりを切って、ここを切ろうかしら?」
真ん中を指さすおママ。
(↓)電気屋さんからもらったカレンダーです。
絵はクロード・モネの『春』
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
(↓)この日の「お題」はこんな感じに揃えてみました。
おママは先ほど切ったカレンダーと小津和紙で購入した赤茶色の千代紙を使うようです。
この千代紙は文様が浮き彫りになっており、今風に言えば3Dですね。
2017年5月下旬、おママ、オネコ,私の3人で小津和紙に行った時に買った千代紙です。それ以来、おママはお店に行っていませんので、私には懐かしい千代紙です。
又連れて行ってあげたいけど、難しいかな…。(^◇^;)
*同じ形に切りたいの
生来、おママは器用な人です。しかも若い時からハサミは使い慣れている。
だから認知症の診断から十数年経ってもそのカットワークはなかなかなものでした。
しかし、同じ形を幾枚か切るとなると、昨年には少々難儀するようになっていました。
模様に沿って同じ形を切るのは比較的簡単ですが、例えば扇型など曲線が入ると途端に難しくなります。
それでも必死に、おママなりに考えて同じ形を切り出そうとしていました。
<おママの制作動画①>同じ形に切りたい編
2021年3月19日 14:45〜(4分38秒)
おママは最初に切った扇形と同じ形に何枚か切りたいようでした。
こんな時、おママは最初に切った形を原型とし、紙に載せて重ねて切ります。
しかし、重ねて持っている間に指の加減で2枚はズレれてしまいます。
今回の紙は細かい色が重なり合っているので、重ねて切っていてもどこを切っているのか見分けがつかなくなったようです。
「ぜんぜん見えないのよ…」
それで、私は、提案してみました。
「こうやって裏返して切ったら、そうしたら見えるよ。」
原型は裏面は白なので、裏返して重ねると、切るところがよく見えるのです。
(↓)更に同じ形を切り進めるおママ。
<おママの制作動画②>カットから構成編
2021年3月19日 15:03〜(1分50秒)
千代紙でも同じ大きさの三角形を切りたいのです。
今回は折り目をつけながら切っていきます。途中で床に三角形を一枚落としましたが、後でそれも拾って使っています。中心部の直角三角形になりました。
おママは試行錯誤を繰り返しながら構成をしています。(↓)動画終了時の構成案
しかし、どんどん変化していきます。
(↓)「こうしようかしら。」
(↓)1分後、考えが変わり、「こうしようかしら。」
(↓)糊付けをしながら、更に変化していきました。
<おママの貼り絵制作動画③>構成編
2021年3月19日 15:24〜(2分33秒)
散々試行錯誤を繰り返しましたが、おママはまだ4つの扇型ピースの向きが気になるようです。下2枚を少し前に考えた案に戻しますが(おママにとっては記憶がないから新たな案)上2枚をそれに合わせることができません。
しかし、動画終了後の糊付けの時にはだいたい揃えられたので、おママ自身もその微妙な違いに気づけたのでしょう。
1年以上前のおママの動画を見ていると、この1年の認知力の差は大きいです。
も、やはり動画は撮影していて良かった。
私なりに認知症の症状の進み具合を確認できますから。
そんなことを思いながらこの1年前の下書きを仕上げました。(^O^)
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。