アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

洋梨の思い出

(2022年8月12日 アルツハイマー認知症の診断から約15年6ヶ月)

 

嬉しい誕生日プレゼント

おママのお誕生日に友人のOさんから素敵な贈り物をいただきました。

それも、ラ・フランスです。

おママは昔から果物が大好きです。全般的によく食べるのですが、

私がまだ中学高校生のから、梨は二十世紀梨幸水ののような和梨より、洋梨を珍重して好んでいました。

「お誕生日に、しかも大好物の洋梨で高級なラ・フランスとは❗️」

Oさんはおママの尋常小学校以来の幼馴染とも言える同級生です。

親友の誕生日と好みを覚えていてくださったのか?

オネコがOさんに御礼の電話をしたところ、

「誕生日だったとは知らなかったの、オトモ(おママの愛称)は食べてくれるかしら」

との事で、余計にびっくりしました。

それと知らずに、おママのお誕生日に、しかもおママの大好物を送ってくださるとは、偶然にしても幸せすぎるでしょう。

ラ・フランスは追熟してから食べるのが良いそうです。

食べ頃日まで待つ事、数日。いざ、食べませう❗️



ラ・フランスは見かけはイマイチですが、まぁ❗️美味しいこと❗️

おママも喜んでいただきました。もちろん、他3名もお相伴にあずかりましたわ。

 

(↓)Oさん、いつもおママの事を気にかけてくださり,ありがとうございます。

寒くなって来ましたので,どうぞ風邪など引かれずにお元気でお過ごしくださいませ。

harienikki.hatenablog.com

 

洋梨ラ・フランス

私はふと思いました。

「私がまだ学生の頃って、ラ・フランスはなかったよね。」

当時の洋梨は今のラ・フランスよりは小ぶりで、黄色でした。瓢箪形の上をなだらかに補足したような形をしていました。

「品種が違うんだな…。」

 

それで、洋梨の歴史などをネットで調べてみますと、さすが生産出荷量がダントツ多い山形県のHPが一番わかりやすかったです。(以下、引用元はこちら↓のサイトです。)

www.yamagata.nmai.org

そもそも西洋なしは16世紀頃からドイツ、イギリスで栽培されはじめ、18世紀のイギリスで代表的品種「バートレット」が発見される。これが明治初期、日本に伝わった。

山形県では、古くからのなし産地である東置賜郡屋代村(現在の高畠町)で、1875年に栽培を始めたとされる。
 しかし当初は、実ったはずの果実を食べても、石のように硬くてまずい。「食べられないので捨てておいたら、時間が経って黄ばんで香りがしてきた。拾って食べるとおいしく、収穫後に熟させることに初めて気づいた」という笑えない記録がある。

 

「バートレット」はその後、缶詰加工用の道が開けて、日本の洋梨の主流となりました。

きっと、おママがごくたまに「店頭で見つけたの」と喜んで買っていたのは、「バートレット」だと思います。缶詰用とはいえ、少しは生食用に市場に出ていたからなのでしょう。

それでも、果物としては不遇ですね。

しかし、ラ・フランスはもっと冷遇されていたようです。 

 

その後バートレットは、缶詰加工用として盛んに作らたが、このバートレット畑に細々と植えられていたのが、当時は受粉樹の身だったラ・フランスだ。

ふつう果樹は、単一品種だけでは受粉しづらいため、違う品種を受粉樹として畑に入れ、実を結ぶ確率を高めるという栽培手法をとる。
 ラ・フランス1864年、フランスのクロード・ブランシュ氏が発見。そのおいしさに「わが国を代表するにふさわしい果物!」と賛美し、ラ・フランスの名前がついたという。日本には1903年山形県には大正初期に入ったものの、見た目の悪さや栽培の手間から、受粉樹に利用されるだけだった。

 

日本に入ってから100年も単に受粉のためだけに存在していたとは少々気の毒ですね。

その後、1970年代から缶詰より生のフルーツの需要が増えて、ラ・フランスにもチャンスが訪れました。でも、ラ・フランスは栽培に手間暇がかかり、収穫しても追熟が必要で食べ頃の見極めが難しい。

1985年ごろから生産体制が整ってきたとの事です。

 

おママと洋梨

中年期のおママが洋梨を買うのは1年に数回でした。市場に出回るのが少なかったのと、やはり高価だったのだと思います。

購入したら傷をつけないように大事に守るようにして持ち帰りました。

そして、おママも追熟の知識はあって、直射日光の当たらない台所の傍に数日置いていました。

手で触れて少し柔らかくなってから剥く。その楽しみなこと❗️

二十世紀や幸水の瑞々しさとは違う、ねっとりとした食感、芳醇な香りと甘味。

私も大好きでした。

おママにとってはハイカラな果物だったのだと思います。

でも、時々、追熟が十分になる前に、待ちきれずに食べてしまいました。

「失敗した、もう少し置いておけば良かった、まだ硬いわ」

と嘆くこともありました。まだ早いとねっとり感がないんですよね。それでもお味は十分美味しかったです。

 

そして、洋梨の形を見て、私は思わず口にしたことがあります。

「お母さんって、洋梨に体型が似てるよね。」

これは女性には禁句です。

言ってはならない言葉を吐いた娘に、おママは顔を赤くして目を三角に吊り上げて激怒したのであります。(^_^)

おママ、当時はひどいこと言ってごめんね。

今は私が洋梨体型よ。おママの娘ですから。(^◇^;)

 

(↓)こちらのサイトも参考にさせて頂きました。

sweets-tairiku.com

www.kudamononavi.com

 

*本日アップの貼り絵

2022年8月12日の作品です。

別にゴツゴツしたイメージがラ・フランスにピッタリというわけではないのですが、選んでみました。(^O^)

 

この中央の石はミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵のアマゾナイトの原石です。

たった一部の見開きパンフレットからおママは何作の貼り絵をしたでしょう。

国立科学博物館の特別展「地球がうみだすキセキ」には感謝しかありません。

hoseki-ten.jp

内側右ページにこのアマゾナイトの写真が載っていました。

このパンフレットから、アマゾナイトの原石を切り抜いたのは2022年7月25日でした、

youtu.be

<おママの貼り絵制作動画①>

2022年7月25日 10:56〜(1分53秒)

割と単純な形なので、おママも楽に切り抜いていました。

 

そして、2022年8月12日。

私は例のアマゾナイトのピースをメインにして「お題」を作ってみました。

(↓)こちらです。

おママは考える間も無く,大好きな友禅紙「波紋」を手に取りました。

紫の「波紋」を1列に切り分けて、まずは交差させました。(↓)

 

(↓)そして、真ん中にアマゾナイトをドンと置いて、更に紺の「波紋」で飾ろうと考えました。

そして完成へ。

 

おママの大好きな友禅紙で。(↓)

 

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。