(2022年5月2日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年3ヶ月)
*私もかなり怪しい
「母の記憶は3秒から5秒なら確実に保ちます。
7、8秒後になるともう怪しい。10秒後でしたら完全に忘れています。」
先日、私はおママのショートステイの契約のためにいらした施設スタッフの方にこんな説明をしました。
しかし、私もかなり怪しいものです。勿論、直前の記憶もちょっと前の記憶もありますが、1年前,2年前の事となると判然としないことが多いです。
それを痛感させられたのが、本日ご紹介した貼り絵の主役です。
*いつの事だか思い出せない
2022年5月2日、私は「お題」に使えそうな紙はないかなと、おママの引き出しを漁っておりました。
すると、(↓)こんなパックが出てきました。
「おっ、この赤いクワガタって…。」
ちょっと見ただけではわからないと思いますが、これはおママがティッシュボックスの蓋の部分を使い、切り貼りして成形したものです。
これを私は勝手に「赤いクワガタ」と呼んでいます。
いつ、おママがこの不思議な造形に取り組んだのか?
全くもって謎です。
恐らくおママが日常的に自分の作業机で自発的に貼り絵をしていた時期ですから、
2019年以前だと思います。
私は最初におママの作業机の上でこれを見つけた時、かなり衝撃を受けました。
かなり衝撃を受けたのに、それがいつだったか思い出せません。
袋に入れて仕舞い込んだ記憶すらありません。
「これってって、こんなところに入っていたのか?」
一緒に入っている紙類は朧げに袋に入れて仕舞った記憶があるので、「赤いクワガタ」も袋に入れたのは間違いなく私でしょう。
恐らくこんな事を考えたのだと思います。
(これはメインピースになるから、いつか「お題」にしよう。おママが貼り絵に使ってくれたら良いなぁ。)
それなのに忘れました。
実は5月2日に再発見するまで、おママが作ったこんな衝撃的な造形の存在すら忘れていたのです。赤くてすぐに目に付き印象に残りやすいはずですよ。
でも、全く記憶に御座いません。
取り敢えず、直ぐに開封の儀を執り行いました。(↓)脈略のないラインナップですね。
カエルの付箋は過去に何度か貼り絵に使われており、近いところで2020年の秋におママは貼り絵に使っています。(↓)
(↓)もっと以前にも使っていました。
2020年10月以後、おママが付箋をバラバラにしそうだったので、私が透明の袋に入れて確保していました。(^◇^;)
そして、長方形の2枚の風景画は電気屋さんからもらったカレンダーの絵です。
(↓)クロード・モネの『春』
2021年3月19日に使った残りだとお思います。(↓)
*懐かしいおママお気に入りのティッシュボックス
この「赤いクワガタ」は接写で見るとこんな感じなのです。切り貼りをして形作っています。
当時のおママさん、手が混んでますね。(^O^)v
おママがいつ?
何を思ってこれを作ったのか?
それは謎です。でも、作った時、おママは「ふふっ」と笑ったかもしれません。
だって、とても面白いですもの。(^O^)
きっと、おママはいつかこれを貼り絵に使おうと思ったのでしょう。
そして、忘れ果てたのですね。(^◇^;)
(↓)元はティシュボックスの開け口の部分でした。
このネピアの箱はおママのお気に入りでした。(↓)印象的な作品が制作されています。
赤いクワガタと同じ部分が使われていますね。形も少し似ています。
正式には「ネピア ネピネピ」という商品なのでしょう。現在この色の箱は販売されていません。
おママは他の色も気に入って随分貼り絵に使ってきました。(↓)
*今でしょう❗️
「赤いクワガタ」を再発見した5月2日。
私は即、これをこの日の「お題」にしました。
「だって、私はきっとまた、忘れるじゃん。まだおママは貼り絵ができているんだから、今のうちだ❗️」
おママにこの赤い造形物を見せたら、手に取ってケラケラ笑いました。
当然、おママの記憶にも御座いません。
「あら、これ、なにかしら?」
おママさんよ…。これを作った張本人はアナタなんですけど…。(^◇^;)
私は一緒に袋に入っていた紙類を全ておママに見せました。
5月2日の14:47から制作開始です。
まず、おママは風景画の一部分を切りました。
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年5月2日 14:51〜(1分18秒)
おママは対称となる三角形をこのようにして作りました。少々厚い紙なので折り目をつけるのに苦労しています。
(↓)そして,このように配置しました。
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年5月2日 14:56〜(33秒)
全体の構成が決まりました。
<おママの貼り絵制作動画③>
2022年5月2日〜(44秒)
「赤いクワガタ」を糊付けしています。上下の余白にこだわって、おママは貼り直したかったようですが、貼り直すとクワガタが壊れてまいそうです。それでチャーコは必死に叫んでおります。
「バッチリだと思います❗️」
(↓)最後におママは2ピース追加して完成となりました。
こんなに目立つ姿をしているのに、おママだけでなく私にまで、親子2代に忘れられてしまった気の毒な「赤いクワガタ」さんは、
何年越しかは不明ですが、漸く収まるところに収まることができました。
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。