(2022年9月12日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年7ヶ月)
*三角形
本日のタイトルは『2つか3つか?』です。
何が2つか3つなのか?というと、本日ご紹介したした貼り絵の画面にある三角形のことです。
結果的に三角形は「2つ」になったのですが、制作過程の中では「3つ」だったのです。
おママは認知症です。
今年の初めの特別養護老人ホームに入りましたが、その前年2022年の短期記憶は約7秒しか保てませんでした。
その状態で貼り絵制作をしていましたから、ほんの少し他の事に気を取られると、自分が何をしていたかも忘れてしまいました。
そのため、自分で決めた貼り絵の構成を直ぐに忘れてしまうのです。
私はそんな時、「こうだったよ」と声掛けをする事がありました。
しかし、おママが新たに思いついた構成を望んだり、変化した画面を「これがいい」と言ったら、おママの作品ですから、私はそれに従うしかありません。
「これはこれで良いのだけど…。」
この貼り絵、
私は三角形が3つ有った過程を知っているので、見る度に思うのです。
「もっと『こうだったよ』とおママに言えばよかったかな。」
今となってはどうしようもない事ですが、認知症のおママの制作を見守っていて、
どこまでその作品に取り組んでもらうかという問題は、私自身いつも見極めが難しかったです。
*本日アップの貼り絵
2022年9月12日の作品です。
(↓)こちらの作品を仕上げた直後に、おママはその日の2枚目として取り組みました。
まず(↓)おママは「+LUMBER」のチラシから切り取った紙片をドンと斜めに貼りました。後で登場するクリムトの「生命の樹(下絵・部分)がちょっと見えていますね。
(↓)紗綾模様もおママ好みの和紙です。
(↓)細長く切ってやはり斜めに沿うように配置しました。
そしておママは(↓)こちらの作品でも使用した素敵な紙を手にしました。
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年9月12日 11:27〜(53秒)
おママはクリムトの紙片から三角のピースを切って、画面に載せてみました。
良い感じですね。
*三角が3つ
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年9月12日 11:29〜(28秒)
おママは更に紫の鹿の子絞り模様と茶色系の三角形を配置して、満足なようです。
(↓)こんな感じにしたいようです。
私の目にも記憶にも、この配置が焼き付いてしまいました。素敵ですね。(^。^)
これが三角形「3つ」の場合です。
ところが…、この通りにはならなかったのです。
<おママの貼り絵制作動画③>
2022年9月12日 11:31〜(1分49秒)
既に紫の鹿の子絞り模様は貼り終わっています。中央のクリムトのピースを貼り始めたところから動画は始まります。
順調にメインピースが貼れたところで、残りは1つだけになりました。
チ「あと、これ、ひとつ三角を貼ってください。」
しかし、おママは1つ残った茶色系の三角を指で動かしながら不満げ。
マ「これも…………これじゃ,なんにもならない。」
チ「じゃぁ、やめる?」
マ「なくてもいい。」
チ「じゃ、それでいいことにしようね。」
そして完成しました。
まぁ、おママの作品ですし、おママの好きなようにしたら良いのです。
でも,私としては、今でも最後のピースは貼った方が良かったのではないかと、
この作品を見るたびに悶々としてしまいます。
でも、きっと、これはこれでよかったのでしょう。
おママの決断ですから。(^◇^;)
*使用した紙
この作品はおママがよく好んだ紙が使われています。
今までにたくさんの貼り絵に使われてきました。
(↓)おママが大事そうに長年仕舞い込んでいた広告の紙。
クリムトです。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。