(2021年10月4日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年8ヶ月)
*ペーパーナイフ見つけた❗️
紙を半分に切る時、皆さんはどうやりますか?
私はその紙が半分に折れるなら、折ってから切ります。
そして、一度開きます。
その折線に定規を当ててカッターで切ると真っ直ぐに切れます。カッターがなければ、ハサミで慎重に折り目を切るでしょう。
私は何を当たり前な事を言っているんでしょうか?
常々思うのですが、おママは違います。
紙を折って折り目を付けたら、その紙を開かずにハサミの刃を折り目の間に挟んで切ろうとします。こうするとハサミの刃の厚みで正確な直線は切れません。
おママったら…。
これは、おママが若い頃からペーパーナイフや鋭利な刃で紙を切ってきたからなのです。
(おママにまだペーパーナイフ使えるかな?
製本を学んでいたときに「よく切れるの!」と言っていたのがあったけど、今はどこにあるんだろう?)
時々そう思っていたのですが、面倒で探しませんでした。
ところが、(↓)この貼り絵を制作している時でした。
記事の中の動画の中で、私は思わず呟いていました。
『2021年8月27日 14:35〜(1分37秒)
おママはチラシを2つ折りにして、その折り目にハサミの刃を入れ、ペーパーナイフを使うように切っていきます。私はこれを見て、おママはまだペーパーナイフをつけるのではないかと思いました。
「よく切れるペーパーナイフがあると良いね。」』
それでようやく探し始めました。探せばおママがかつて使っていた作業机の引き出しから難なく見つかりました。
それが(↓)こちらです。
コンデ株式会社の「Apeel CUTTER AP-50N」
切れ味抜群です。封書の開封やシール剥がしもお得意です。しかし、今回ネットで調べたら、残念ながら大分前に製造中止となっていました。大事に使わなきゃ。(^◇^;)
(↓)現在,同型で同じ特徴をったペーパーナイフはこちらだそうです。
私も自分用に一つ買いたいですわ。
*アピールカッターを使ってみよう
とても久しぶりに、おママの好きだったチラシを手に入れました。
(↓)こちらです。
以前、何度も使ってきたチラシですが、おママにとっては何度見ても、それは新たな出会いです。今回も大変気に入りました。(いつも見れば気にいります。)
さて、この日(10月4日)はこのチラシを「お題」にしてみました。
おママはアピールカッターを使えるでしょうか。
<貼り絵制作動画①>
2021年10月4日 14:22〜(4分48秒)
おママはペーパーナイフで紙を切り始めると、とても喜んでいました。
切れ味いいです。
さて、縦に短冊状に切り始めます。
マ「うれしい❗️なんだか急にね。自分がこれをやってね。ちょっとアレしてたけど…(以後意味不明)」
マ「チャッ、チャッ、チャッ、チャッ❗️」
リズミカルに切り進みました。見守っている私もとても嬉しかったです。紙の切れる音って良いものですね。おママにはとても刺激的なようです。
チ「はい、お上手❗️」
マ「私っていうのはね。本当に私はバカだからね……(以後?)」
チ「バカじゃありませんよ。」
おママはおそらく、自分が万事よく分からなくなっているのを感じているのでしょう。それをめずらしく「バカ」という表現で言っていることに驚きました。最近日本語の語彙の多くを失ってしまったおママですから、「バカ」という単語が出てきたのは感慨深いです。
昔使い慣れたペーパーナイフがおママの感覚を呼び覚ましているように思えました。
見守る私は嬉しさと同時にハラハラもしました。アピールカッターは切れ味がいい分、おママが手を切るといけませんしね。
あまり反応が良かったので、これ以後、時々おママにこのペーパーナイフを使ってもらっています。ただし、管理は厳重に私が行なっています。うっかりおママが触って怪我したらいけませんから。
*子供の頃の思い出
私が小学校低学年くらいの時です。
家に木製の平べったいナイフがありました。大きさは30センチくらいだったでしょう。友人とお姫様ごっこをする時に、悪者が振り回すナイフや剣の代わりに使っていました。
おママは見かねて私に言いました。
「これはペーパーナイフと言ってね、紙を切るものなのよ。」
「木で紙が切れるの?」
おママは新聞の折り込み広告を2つに折って、サッと切りました。私も真似してやってみたのですが、最初はコツが掴めませんでした。でも、やっているうちに段々切れるようになりました。そうなると楽しいものです。
限度というものを知らない子供は、机に置いて切っているだけではなく、紙とペーパーナイフを宙にかざして「ピッ」と切ってふざけました。
時代劇の好きな昔の子供ですから、頭に思い浮かべたのは「ガマの油売り」です。
「一枚が二枚、二枚が四枚、四枚が八枚…。」
お調子に乗って真似しても、木製のペーパーナイフでは薄い紙でも「二枚が四枚」が難しい。大体の限界は「一枚が二枚」でした。
この悪ふざけを、当時のおママはどんな目で見守っていたのでしょうか。
笑っていたかな。呆れていたかな。
ふと思いました。
アピールカッターなら半紙で「四枚が八枚」までいけるかしら?
いえ、もう私は大人ですから、やりませんわ。(^○^)
*本日アップの貼り絵
「お題方式の貼り絵」です。
上記の広告チラシを「お題」にしました。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
丁度、上記のペーパーナイフを使った動画の直後です。
おママはご機嫌で細長いピースを切り分けていました。
<貼り絵制作動画②>
2021年10月4日 14:38〜(4分45秒)
小さな短冊型のピースをたくさん切ってしまったので、おママはその色合わせや配置を考えて頭が混乱しています。
それでも、おママはシンメトリーを意識して複雑な構成に挑戦しようとしていました。
おそらく、これは私の推測でしかありませんが、
こんなに複雑で幾つものシンメトリーが絡み合っている貼り絵を、おママはもう制作できないと思います。
10月4日から現在の11月末の間でも、おママの認知症の症状は進んでいます。
2ヶ月前の動画を見返して、「この時はこんなことができていたのか?」と私は驚きました。
今回は私自身の記録のためでもありますが、動画を多く貼っています。
ご覧にならなくても、流れは掴めると思います。でも、もしお時間がありましたら、1本でも御覧いただけたら嬉しいです。
(↓)散々迷走した後に、ようやく中央部分の構成が纏まりつつあります。
<貼り絵制作動画③>
2021年10月4日 14:49〜(1分33秒)
中央部分と左上、右下が決まって糊付けをしている動画です。
この構成に合わせて、これからどうしましょうか?
<貼り絵制作動画④>
2021年10月4日 14:51分〜(3分48秒)
前の動画の続きです。
素敵なデザインになりそうですが、複雑なので糊付けは至難お技です。
途中でおママはピースの端に小さなゴミをつけてしまったようです。近眼の私の目には全く気になりませんが、おママは納得できません。
仕方なく、チャーコはアピールカッターを持って取ろうとしますが、あえなく玉砕しました。結局おママが手慣れた手つきで取り除きました。
(↓)その後も貼ったり剥がしたりを繰り返しながら、おママは糊付けを進めていきました。
貼り終わった後に、おママは青系の千代紙を手にして、飾りをつけようと思い立ちました。(↓)
最初にアピールカッターでチラシを切り始めたから、約50分で仕上げることができました。おママ、お疲れ様でした。
しかし、ご本人はすぐに何をやったか忘れるので、疲れ知らずです。
この日はこの後、かかりつけ医に行っております。
私はとても疲れましたわ。
(↓)関連作品です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。