アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

母と手をつないで

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(2021年3月14日 アルツハイマー認知症の診断から約14年1ヶ月)

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(2021年3月14日 アルツハイマー認知症の診断から約14年1ヶ月)

 

ちょっとした会話のミス

これはゴールデンウィーク中の話。

昼食後、私は例によってウトウトしていますと、遠くでおママの声がしました。

ジジにしきりに何か言っています。

「ちょっと、あなた、こんなんじゃだめよ。ほら。」

ジジはいつものように陽の当たる窓辺で本を読んでいるのでしょう。

「こんなだから、外へ行って、わたしは、あ…あ…ほら、外で…。」

 

語彙が少なくなってきたから、おママは自分の気持を伝えるのも大変です。

意訳しますと、

「こんなにいいお天気なのよ。外へ行って、外の空気を吸って、気分を変えたいわ」

だと思います。

 

「そんなら、チャーコさんと散歩がてら、うどんを買ってきてよ。」

ああ、分かりました。

私がウトウトしているか、ら余計におママがイライラしているのでしょう。

 

「はーい。お外にお散歩に行きましょうね。」

私は立ち上がって、二人の話している場所に行き、会話に入りました。

この私の行動がいけなかったのかしらね…。

いけないですね。突然、現れた人物に外出しようと誘われたら、

誰だって警戒しますわ。

 

ジジは嬉しそうに私に言います。

「いつものうどんを六玉(蒸した袋入りのうどん玉)買ってきてよ。」

「はーい。」

「お母さん、チャーコさんが一緒に買い物に行ってくれるから、お散歩してきたら?」

 

「なに?なんなの?え?」

おママが明らかに気分を害していました。

「なんなのよ。私は分からないわ。」

 

おママの急変にジジも困惑気味。

「お使いに行くんでしょ。」

「私はそんなことしません❗️いいの❗️行きません❗️」

「あら、一緒にお散歩しましょうよ。」

「いきません❗️今日は頭がなんだかで、いいわ。」

 

こんな時のおママの「いいわ」は拒絶の「いいわ」です。

もう、混乱してしまったようです。

 

「さっきまで、外に行きたいって言っていたのに。」

「行かないんですか…。」

 

「もう❗️いいでしょ!」

 

ほっといてと言わんばかりにおママは逆上して、自室の戸をぴしゃりと閉めて、ロッキングチェアにぐったりと座って、目を瞑ってしまいました。

 

ま、ガラス越しに様子はよく見えるんですが…。

こんな時はそっとしておくしかありませんね。

 

考えてみると、

おママはジジと散歩に行きたかったのです。

そこへ私が割り込んで、ジジは自分は出掛けず、おママを私に任せようとした。

「うどん6玉、買ってきて」

とか、おママには訳のわからない話になったので、おママが混乱して逆上するのも無理はありませんね。

それに、おママにとって、私は他人ですから、一緒に買い物に行っても不安になるのでしょう。

何年経っても、私は反省ばかりです。

 

結局行くのか…

おママが自室に立て籠もってから10分後。

私はそっと扉をノックしてみました。

「あの、これから買い物に行くので、ご一緒しませんか?すぐ近くだし、お天気もいいから、お散歩しましょう。」

すると、おママは目を開けて、

「あら、いいわね。私も外に行きたいわ。」

 

そうして、二人で買い物に行きました。

帰り道、車の通りの多い場所で、私は手を振りながら、

「車が来ますから、こっちに寄ってくださいね」

と言うと、おママはひしっと、その私の手を掴んで握りました。

 

(ああ、やはり、何にでも不安ばかりなんだな。)

さっぱり理解できないことばかりだと、ちょっとの事でも気が立ってしまうのね。

 

おママの手は若干冷んやりしていました。

それにしても、私は母親と手を繋ぐことなんて、いつ以来なんだろう。

よく手を繋いだのは、小学校に上がる頃までかしら。

 

おママの掌を感じながら、私は先程の失敗を反芻しました。

どう話をしたら、おママは混乱や怒ることなく散歩に出られたのか?

考えながら歩きました。

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          手をつなぐと安心だった。「夕日がキレイ。」

 

本日アップの貼り絵

「お題パック」による貼り絵です。

 「お題パック」はこちらです。(↓)

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*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について

一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。

 

 (↓)こちらの作品は同じ包装紙を使ったお仲間です。

harienikki.hatenablog.com

 元はシュガーバターの木の包装紙です。(↓)

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3月14日は日曜日なので、私は実家へ行きませんでした。

そのため、途中の写真はありませんが、おママは「お題パック」作りに参加していたので、その時の写真をご紹介いたします。

 


www.youtube.com

<制作動画>

2021年3月12日 15:35〜

ヘーゼルナッツのイラストを丹念に切り抜いていました。

 

(↓)よほど切るのが楽しかったのか、疲れを知らぬおママは直ぐに2つ目を切り始めました。

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(↓)細い枝も切り抜く気満々。(^O^)v

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実は2枚目の貼り絵の裏はこんな感じです。(↓)

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何を思ったか…

おママは日付の他に「アラビック ヤマト」と記入しています。それも「ヤマト」は一度書いて消して書き直しているようです。アラビックヤマト糊のラベルを見ながら一生懸命書いたのでしょう。

しかも紙の切れ端をためた箱からハーブティーの個別包装袋の部分を選んで貼り付けた不思議さ。(^O^)

きっとその時のおママにはちゃんとした理由があったはずです。

今となっては私がおママに「どうして?」と訊ねても、詮ない事。

おママが認知症でなければ色々聞けたのに。残念です。

 

(↓)こちらのティーパックです。

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harienikki.hatenablog.com

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久しぶりに「+LUMBER」のチラシが登場しています。

「お題パック」の中に入っていなかったので、おママが自分で切れ端を見つけて貼ったのだと思います。色の具合、大きさ、バッチリでした❗️(^。^)

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www.sugarbuttertree.jp

www.plus-lumber.com

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。