アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

安心感

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(2018年7月11日 アルツハイマー認知症の診断から約11年5ヶ月)

 

家庭訪問

  先月8月の下旬にデイサービスのスタッフが家庭訪問にみえました。3ヶ月に1度の定期的なものです。通所者の家庭での様子やデイサービスでの活動や様子を報告してくださいます。

今回はオネコが仕事でしたので、私、ジジが意見交換をして、おママの様子も見ていただきました。

様々な項目について話し合い、記事が5本くらい書けそうです。

早いもので、1ヶ月ほど経ってしまいましたが、ぼちぼちまとめようと思います。

 

 入浴介助サービスは順調

   昨年夏におママは入浴拒否があり、私達は結構手こずりました。

しかし、嬉しいことに、今年の5月から入浴介助サービスを受けられるようになったのです。定員一杯だったけど空きができたとか。週に一度ですが、ジジもオネコも私も精神的な負担がかなり軽減されました。

「大体何時も芙貴子さんをお呼びすると、一瞬『なぜ?』って感じですが、誘うと素直に入って下さいます。」

自分で洗える所は自分で洗い、手の届かないところや頭髪は介助してもらっているようです。

プライドの高いおママです。知らない人の前で入浴するのは嫌がるのではないかと思いました。

「絶対に入りません❗️」

と言いかねない。でも、そんな事もなく順調なのは何故なのでしょう?

 

考えてみた

   通所前の見学の時に見せていただいたのですが、デイサービスのお風呂は洗う所も浴槽も広い。とても綺麗で、そこに慣れたスタッフの介助があります。

自宅は…。

コンパクトな浴室です。他の人が介助に立合うには狭い…。

それで、おママは家では1人で入る事が多かったのです。昨夏私が必死に介助しようとしましたが、結局拒否されました。

でも恐らくもう、お湯を出すカランやシャワーの使い方は分からないと思われます。

そして、自分で体を洗っていても、どこを洗ったかすぐ忘れてしまうでしょう。いつまでも繰り返す可能性すらあります。

 

どこをどうしたらいいのか?何をどうすればいいのか? 

 

おママにとって家のお風呂は不安がいっぱいだったのかも?

でも、冬場はジジが勧めると割と素直に入る時もあるから不思議…。これは温まりたいだけなのかもしれませんが…。(°_°)

 

1つ確かな事は、自宅よりデイサービスのお風呂は、今のところおママにとって安心感があるのでしょう。(この気分がずっと変わらないで素直に入浴介助を受けて欲しいです。)

 

家は安心なのでしょうか?

   おママはにとって自宅全体はどうなのでしょう。

一応、安心できる空間だとは思います。出て行こうとしませんから…。

でも、今後、お風呂以外でも、家の中で不安に感じたり怖いと思う箇所が発生するかもしれません。

最近、語彙が少なくなってきたので、おママはその不安を上手く説明できないでしょう。

決定的に拒絶反応を示す前に、気が付いて改善策を見いだせればいいのですが、

私達が速やかにキャッチできるのか?

うーむ。今後の課題ですね。(^。^)

 

harienikki.hatenablog.com

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 ⬆︎8月におママがデイサービスで作ったレジンアートのストラップです。(手は娘アズキのです。)

 

蝶の形でとても綺麗です。

今回の家庭訪問の時にスタッフに聞いてみたら、パーツを置きながら3回くらいに分けてレジン液を入れて、紫外線をUVライトで照射して固めたそうです。

おママは自分で作った事をすぐ忘れてしまいます。でも、昔は手芸も大好きだったから、やってる時は楽しかったでしょう。

 

本日アップの貼り絵

⬇︎こちらの包装紙を使っています。

私の友人が下さったものです。以前、イギリスのヴィクトリア&アルバート博物館で購入したものだそうです。

この包装紙、素晴らしくセンス良くて面白いし綺麗です。

おママは勿体ながってなかなか使おうとしませんでしたが、

「まだあるから大丈夫よ」⬅︎(本当の事)

と言って一緒にハサミで分割し始めたら、どんどんイメージが広がったようです。

この包装紙で何枚も貼り絵を制作していますので、追い追いご紹介していきますね。

(^。^)/

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

聞こえる耳・聴く耳

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(2018年8月28日 アルツハイマー認知症の診断から約11年6ヶ月)

 

退職後を振り返る

ジジと私が仕事を辞めて丸一年過ぎました。

娘のアズキに言わせれば

「お母さんはこの一年で随分老け込んだよ」

ですって‼️チクショー💢でも、鏡を見ればあながち否定できません。

 

ジジはこの一年を振り返って最近反省している事があるようです。

「仕事している時は付けていたけど、辞めてからは補聴器を外していたんだ…。でもテレビの中の話が殆ど聞こえなくて…。」

それで、改めて毎日補聴器を付けることにしました。

 

補聴器 

ジジの補聴器はリオン株式会社のリオネットです。

購入する時に耳の内側の型を取り、ピッタリと耳に合うオーダーメードにしました。

使用し始めても販売店でアフターケアを受けられますし、細かく聞こえにくい音を微調整してもらえます。とても優れもの。こちら⬇️

www.rionet.jp

ジジは子供の頃に中耳炎を拗らせて左耳が完全に失聴しました。高齢になり頼りの右耳も遠くなり、6級の障害者手帳を頂いています。

補聴器を選ぶ時は品質、性能など随分オネコが調べてくれました。そして障害者への補助を受けて割引で購入出来るように手続きもしてくれました。

少々お高くても残りの一生使い続けられる物を吟味して購入したのです。

 

その大事な補聴器を一年も放置していたんですね…。(゚∀゚)

ま、ジジにもそれなりの理由があります。

細かく調整しても、会話だけでなく雑音がそれなりに聞こえてしまうのです。

以前ジジから

「食べている時の自分の噛む音が辛い」

と聞いて驚きました。

高品質な補聴器を使っていても、やはり煩わしさを感じたらしく、

(仕事辞めたんだし、聞こえなければ、それでも良いや~)

という気分になっていたそうです。

 

それが一年経って、

 「仕事辞めて前よりボケてきたぞ‼️」

⬇︎

刺激が足りない⁉️

⬇︎

「耳が聞こえてないから⁉️」

マズイ‼️ このままではどんどんボケてしまう‼️

この自覚に立ち至り、再び真面目に装着し始めたのです。

 

まずは聴く耳でしょう❗️

もともと、ジジは子供の頃から耳にハンディキャップがあるので、会話している相手の唇の動きを見て補ったり、話の概要を掴みとる能力に長けていたようです。かつて、片耳はちゃんと聞こえていたわけだし、サラリーマン時代も退職後の第2の人生でも仕事に支障はありませんでした。

 

 ところが、歳をとると聴力は更に衰えました。しかも、他人の言うことを聴き取ろうとするより、独自解釈(勝手な解釈)に走りがちになりました。

この1年、私に「 聴いているの⁉️💢」と怒鳴られ、「聞こえてるよ‼️」と応酬することもしばしば…。(°_°)

 

常々私は考えてしまうのです…。一般的な老化現象としては、

聞こえない耳になるのと、聴く気が失くなるのと、どちらが先なんでしょう。(^O^)

 

 再び補聴器を付け始めた事について、オネコとジジと3人で話しました。

「このままじゃ、耳からの刺激がなくて、おママと同じようになってしまいそうだからね。」

ジジは危機感があるようですし、オネコと私にとっても、今ジジにアルツハイマー認知症になられたら大変です。

「そう、耳からの刺激は大事よ。でも、もしかして…私が何か言っても殆ど聞こえてなかったの⁉️」

私がそう訊いたら、ジジはしれっとしながら答えました。

「そうね。」

やはり…。私の声は微妙な低音です。以前、聞き取りにくいとジジに言われたことがあります。

 

しかし、直ぐにジジは自分の耳を指差して、右から左へのジェスチャーをしたのです。💢

(ಠ_ಠ)

なんですと⁉️右から左に聞き流していたのね❗️まったく‼️ 何か頭にくるなぁ。

 

 オネコ曰く

「聴こうとしないから、余計に聞こえなかったのでしょう。」

 

ジジ…、再び補聴器を入れて、片耳だけでもある程度聞こえるようにしたのですからら、聴く耳もしっかり持ってくださいね〜。

 

本日アップの貼り絵

おママが20年くらい前に自分で染めた墨流し染めを使っています。

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風立ちぬ

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(2018年8月12日  アルツハイマー認知症の診断から約11年6ヶ月)

 

 さぁ❗️出掛けよう。

「昼食べたら出掛けるよ。久しぶりに補聴器の調整をしてもらおうと思ってね。

晴れてるから、おママも散歩がてら行くって。」

昨日(9月19日)、昼前に私は実家に着くと、ジジからそう言われました。

「天気も良いしね。丁度いいわ。」

補聴器の販売店までは電車で1本です。でも、シルバーカーを押してないと歩けないジジ。お出掛けも楽じゃないですね。ましてやおママ付きとなると心配です。

「私も行くわ。」

お供をすることになりました。

日中はそれなりに暑く感じるけど、空気は爽やかです。玄関を出て歩き始めると、すっと涼しい風が通り抜けました。

風立ちぬ

そんな言葉が似合うお日和になったのですね。

私が思い浮かべる風立ちぬの後のフレーズは、松田聖子『今は秋〜』です。

聖子ちゃんの歌声を心で聴きながら、しみじみ思いました。

(ジジもおママも何とか夏を越すことができました。)

 

道中

電車でのお出掛けは久しぶりでしたが、おママはさして問題も無くこなせました。

もちろん、ジジも私も一緒で安心だったからだと思います。

車内では往復「ねぇ、どこへ行くの?」を連発していました。でも、これって私達は慣れっこだから平気平気。

補聴器の販売店で待っている時も、駅ビル内の大型書店でジジが雑誌と本を探している間も御機嫌でした。

駅の公衆トイレで用を済ます事ができました。

1年前と比べて、おママは記憶力だけでなく認知機能も全体的に衰えたと、私は感じています。

でも、まだまだやろうと思えば、お出掛けは大丈夫そうな気がしました。

 

爽風

ところが、最寄りの駅の改札を出たら、おママが言うではありませんか。

「ウチがどこだか分からないわ〜。」

ありゃ…、そうですか。

「大丈夫よ。みんな一緒に帰るんだから。」

「そうよね。」

おママがにっこりと笑顔を見せた時、また私はすっと風を感じました。

 

そして、角に差し掛かるたびに、確かめたかったのでしょう。

「こっちよね?」

まるで少女のように、おママは進む方角を指さしました。

 

本当に良いお散歩日和でした。

風立ちぬ。』

おママ、ようやく秋になりましたね。(^。^)v

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

 

 

 

敬老の日

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(2018年8月12〜14日頃  アルツハイマー認知症の診断から約11年6ヶ月)

 

お電話ありがとうございます。

  昼前に実家に着くと、ジジが電話で何方かと話をしていました。傍でおママがニコニコしています。

「あ!  今、娘が帰ってきたので変わりますね。」

半ば強引に差し出された受話器から聞こえたのは、おママの小学校時代からの幼馴染Oさんでした。

折に触れておママを気遣ってお電話を下さり、本当にありがとうございます。

 

暫し近況やご家族の事など伺った後に、Oさんは仰いました。

「本当にね、そちらはパパ(ジジの事)がお元気でしっかりしているから、オトモ(おママの少女時代の愛称)も守られていて良かったと思うわ。」

本当にそうです。足腰弱くなったとはいえ、ジジのおかげで成り立つおママの生活です。娘達もどんなに助けられているか…。

Oさんのお話では、丁度私が来る直前にこんなやりとりがあったそうです。

 

「いつもお世話になっているのだから、今日は敬老の日だし、『パパありがとう』と言ってね。

後でじゃ忘れるから、今ここで言ってね。

「そうね❗️」

おママはそう言いながら、ハイ❗️とジジに受話器を渡しちゃったのだそうです。

 

「『パパありがとう』って言って。」を、

「パパに代わって。」と思い違いをしたのか…⁉️

 

それとも、受話器を耳から離した瞬間にOさんの言葉を忘れ果てたのか…⁉️

 

私は後者だと思います。(^O^)a

結局、おママはジジに「ありがとう」は言えませんでした。

 

不届きな娘‼️

  今日は何の祭日か?

私はあまり気にも留めずに、平日と同じ感覚で実家に行きました。

そんな按配ですから、Oさんからのお電話で始めて

敬老の日だったか⁉️)

と気付いたのです。

 

昼食を終えてのんびりしている時に、私はふとジジに言いました。

「どうやって敬老したらいいか分からないわ〜。」

「別にしなくていいよ〜。」

ジジは食後の眠そうな顔で笑いました。

 

いやいや…。内心では、ちゃんと敬っているってば…。(^。^)v

 

今日はそんなこんなの敬老の日で御座いました。

 

今日アップの貼り絵について。

8月のお盆の頃の作品です。

私が実家へ行っていない時に制作され、裏面に日付も記入されていません。

でも、私が実家を休んでいる間となると、12〜14日頃だと思われます。

 

この作品…、いろんな紙を少しづつ使っていて、ダイナミックな動きを感じます。

私には激しく踊るダンサーに見えるのですが…⁉️

 

おママの狩り絵を見て下さり、ありがとうございます。

今夏、アイス問題は無かった‼️

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(2018年8月10日  アルツハイマー認知症の診断から約11年6ヶ月)

 

酷暑だったのに。(^O^)

9月に入り暑さも峠を越えたこの頃、

私も酷暑だった今年の夏を振り返る余裕が少し出てきました。

 

どうしても食べてしまう…。夏に欲しいアイス…。

早くも6月にこんな事件がありました。⬇️

harienikki.hatenablog.com

本来、冷凍庫に入れるべきアイスを、冷蔵庫にしまって溶かしてしまうという「おママのアイス問題」です。

 

これが、7、8月に全く無かったのです。

おママの認知症が改善されたからではありません。むしろ、なだらかに悪化傾向 です。 

理由は明白。今夏は酷暑だったからです。

 

眼にしないものは欲しくならない。

なぜ、今年の夏に「おママのアイス問題」がほとんどなかったのか?(°▽°)

理由を細かく説明するとこうなるでしょう。

 

今年は暑すぎた。

⬇︎

暑すぎたので、外に出て体力消耗して熱中症になるといけないから、ジジとおママは買い物にあまり行かなかった。

⬇︎

買い物に行かなければ、おママはアイスクリームの入っているケースを見ない。

⬇︎

スーパーやお店でアイスクリームを見なければ、おママは欲しがらない。

だから買わなかった。

⬇︎

アイスを買わなければ、そもそも「おママのアイス問題」は起きない。

p(^_^)q

 

おママは直に眼にしなければ、その物の存在すら忘れています。

思い出すことができないのです。

だから大好きなのに、「アイスクリーム買ってきて」なんて、ジジにねだったり、オネコや私に頼む事は出来ません。

ジジだって、おママに「買って」と言われなければ、娘に頼んでまでアイスを買おうとは思いませんしね…。

 

それでも、家にいる時に常温のお水の入ったコップを渡して飲んでもらおうとしますと

「冷たくしたいから、あれ(氷)入れたい」

などと言っていました。基本的におママは夏に冷たい物を欲しがる人だったのです。

 

(おママはアイスを食べたいかもしれないなぁ〜。)

暑さで頭がイカれていた私が、それに気がついたのは8月の終わりでした。

 

それで最近、私がお遣いのついでにアイスモナカを買ってきて、ジジ、おママと3当分にして食べたりしています。

「これ美味しいわ〜。」

なんて喜んでいるおママを見ると、もっと早く気が付いていればよかったと思います。

 

さぁ、これから。

まだ、30度を超える日は有っても、暑さの峠は越したと思います。

そろそろ、お二人さんも買い物や散歩に行けますね。

ただでも弱ってきているジジの足腰。頑張って外歩きをしないと、決定的に動けなくなりそうです。。

もしかしたら…⁉️

今年の「おママのアイス問題」はこれからが本番だったりして⁉️

 

先週の水曜日は涼しかったので、私も一緒に買い物に行きました。

3人でスーパーの近くの遊歩道を歩いていたら、花壇にこんな可愛い花が咲いていました。名前が分からないのが残念です…。

 

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

『きれい』じゃダメなのよ‼️

 

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(2018年6月24日  アルツハイマー認知症の診断から11年4ヶ月)

 

グサッとくる言葉

  何年もの間、おママからこんなに鋭い言葉を言われた事はあっただろうか…。

 

  それは6月25日の事。

私はおママの貼り絵を一生懸命に写真撮影しておりました。こんな時、おママは興味深げに近ずいてきて、自分の作品の感想や解説をしてくれます。

私はおママに、

「これもきれいね〜、これは色がよく合っていて良いわね〜」

なんて言いながら撮影をするのが常です。そうすると、いつもおママも嬉しそうにしています。

 

ところが、この日は違いました…。

「きれいね」を連発している私に、おママがきつい口調で投げつけた言葉。

それが「『きれい』じゃダメなのよ‼️」です。

「…? どういうこと?」

 

おママが更に言う言葉はもっと凄かった。

「ひとのを『きれー』と言っているのではなく、自分がどうするかでしょ‼️」

「へ?」

おママは貼り絵のファイルを指差しながら言いました。

「これを見て、こういう風に作るのか?あなたならどうするか?が大事でしょ‼️」

私は鋭い切っ先で胸を刺されたような、痛みを伴う衝撃を受けました。

 

私は何者か

  おママは私の言葉を口先だけの「きれい」思ったのでしょうか?

それが癇に障ったのかも知れません。

でも、恐らくおママは私に「人の作品をきれいと言っていないで、何か制作してみろ❗️」と言いたかったのではないか…。

 

  長年、皮工芸や製本技術に興味を持って取り組んできたおママは、たとえ趣味であっても、何か制作活動をしている人が好きなのだと思います。

私はと言えば…、

美術大学を出してもらったのに、娘を産んでからからこのかた何の制作活動もしてきませんでした。おママは少しガッカリだったと思います。

 

私をどこまで娘と認識しているか疑わしいので、この6月25日の言葉は、おママがその事で私を責めているわけではないと思います。

 

しかし今年の初め頃のことですが、おママに言われたことがあります。

「あなたは何をしている方なの?」

この時も一緒に貼り絵を見ていたのです。私はドキリとしました。

 

  おママは私の職業を聞いているのではありません。

その証拠に私が、「絵を描いています。仏様の絵を習っています」と言うと、おママは「絵を描いている人なのね」と笑顔になりました。

「まだ、始めたばかりです。お手本の仏画をそのまま写し取っているだけですが…。」

慌ててスマホを開いて、練習で描いた絵の写真を見てもらいました。

私はおママを納得させるために習い事を始めたわけではありません。

でも、この時ほど、始めて良かったと思いました。

 

  おママは厳しいですね…。

でも、おママはずっと何かを制作してきました。そして、アルツハイマー認知症になる数年前からこのハガキ大の貼り絵を始めて、今だに続けている強者です。

 

どんな制作活動をしているのか?

 

それはおママの私への期待だとも言えるし、私のおママへの負い目でもあります。

 

でもさ…、おママ…。

私だって、なかなか大変なのよぉ〜。時間が取れないのよ〜。

と言い訳を心の中で呟いて、自分を甘やかしている今日この頃です。

 

おママの貼り絵を見て下さりありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

ABCの副産物 σ(^_^;)

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(2018年8月5日  アルツハイマー認知症の診断から約11年6ヶ月)

 

日付の謎

本日アップの貼り絵をじっくりご覧いただきますと、

「あれ?チャーコさんったら、日付間違えてるわ!」

と思う方もいらっしゃるかも知れません。なにせ…、端っこに『2018.7.25』っておママの字で書いてあるのに、私が貼り絵の下につけたのは『2018年8月5日……(以下略)』ですから。(^。^)

 

実は⬆️の2枚の貼り絵は裏面なのです。表の作品の制作日が『2018.7.25』だったのです。

 

それで、表面は ⬇️ こちらでした❗️ 

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 表面の中央下部にはしっかり裏面の制作日である『2018,8月5日』と書かれていますね。(^O^)

 

大失敗

2018年7月25日は私がちょっとしたテストを行った日です。おママは『ABCの歌』を覚えていて、アルファベットを見ると口ずさみます。

 

そこで、私はおママが26文字のアルファベットを文字として捉えているか確認しようと思いました。その音に合わせて、おママに切り離されたアルファベットから正しい文字を選んでもらいました。そして結果は2、3文字を除いてほぼ正解でした。

harienikki.hatenablog.com

折角、おママが切り分けたアルファベットです。

(ハガキに貼ってもらいましょう。)

今回は26文字のアルファベットを読みながら選ぶという、いつものおママなら頭の痛くなりそうな前段階があるのです。

(その貼り付ける台紙を作っておいてあげよう。)

 

なぁんてね。殊勝な事を考えてこしらえたのが、⬇️のハガキです。

 

私はあまり考えもせずに、青い紙をピンキングハサミで大胆に四角と三角に切り、

バン、バン、バンと貼りました。

貼ってみて…、(°_°)…。ありゃ〜。

自分のセンスのなさに愕然としましたわ…。でも、越前和紙のハガキが勿体ない。

「お母さん、この上にアルファベットを貼ってくださいな。」

私はそう言っておママに押し付けたのです。

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癒えぬ傷心

ところがおママはアルツハイマー認知症でかなり重い記憶障害があるのですが、今だに様々な紙を組み合わせて切ったり貼ったりしております。

どうやら、私の作った台紙はおママの美意識からは程遠いようで、違和感しかなかったようです。不満げに首を傾げて言うのです。

 

「うーん。わたしはどうしてこんな風に貼っちゃったのかしら…?」

アルファベットを並べながら、

「なんだか、うまくいかないわ」

と、おママは自分が青い三角と四角を貼ったと思い込んで、ひたすら後悔していました。

 

「いや、いや、ごめん。それは私が勝手に貼ったのよ。」

私はこれ以上おママに濡れ衣(大げさ…)を着せるのも忍びなく、以前からあった包装紙を反対の面に貼って、おママに渡しました。

おママがアルファベットをきれいに並べて貼り付けたので、このミッションは終了しました。

 

でも、私は少々傷つきました。

自分がセンスなかったのは分かっているのですが、母親から全否定された感じがしました。いい年のオバさんなのに、私はおママの

 「うーん、わたしはどうしてこんな風に貼っちゃったのかしら…?」

言葉が胸に突き刺さりました。

 

母の言葉って幾つになっても娘には重くのしかかるのですね…。(^◇^;)

 

それから貼り絵ファイルの中にこの「裏面」を見つける度に、私の心はチクチクしましたよ…。

 

突然、生まれ変わった

ところが何日かして、私がファイルを開けて見ると…。

な、なんと❗️

おママは思いのままに付け足して、私の失敗をなんとか作品に仕上げてくれていました。

私としては嬉しいような…、ちょっと負けた感じがして悔しいような…。

ほろ苦い、そんな思いも残る貼り絵です。

 

 おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。