(2017年8月4日アルツハイマー型認知症の診断から10年6ヶ月
貼り絵を拡大していただくと見えるのですが、上下の辺の中央に鉛筆で付けた点があります。この中心位置の印を頼りにおママはパーツの配置を決めていったようです。)
こないだの金曜日。
私は「月末企画」を選ぶために、おママと貼り絵ファイルを見返していました。
「どれが良いかしら?」
どうせなら御本人の希望通りにしたいものです。
それなのに…。
「どれでも良いわよ。分からないし。」
そんな、どうでも良いような口ぶりです。
「お母さんは、この中でどれが一番好きなの?」
その聞き方のほうが、おママは分かりやすいかと思ったのです。
しかし、超絶難解な答えが返って来ました。(笑)
「私はね、グッとしたのが好きなの。」
具体的にファイルの中で、どれかを指差してくれればいいのですが…。
おママは単語が急速に失われてきているとはいえ、もう少しヒントがないとね…。
「グッ…って?」
すると、おママは両手の平を胸の前で近付ける動作をしながら
「グッ…❗️」
と言いました。左右の幅が詰まった構成という事でしょうか…。
「つまり縦長ってこと?」
今度はおママの方が首を傾げます。そして、指で四角を作って言いました。
「カチッ❗️としたのが好きよ。」
「あぁ〜〜、なるほど。」
それならイメージ的に分かりますわ。
確かに、おママはシンメトリーのような、統一感のある構成が好きです。
それを「グッ❗️」と言われてもね…。(笑)
でもさ…。
私が聞きたいのは、おママの好みではなく、好きなのを1枚選んで欲しいのに。
(笑)
具体的な物の名前が分からなくなっている昨今、
当然ながら、おママは抽象的な内容は表現しきれません。
おママの好きなシンメトリーの貼り絵は、左右上下を揃える必要があります。
定規で位置関係を計りながら構成しているようですが、難しい作業だと思います。
最近は、それが上手くいかない事が増えてきました。
これは漠然とした私の杞憂かもしれません。
でも、お好きな「グッ❗️」や「カチッ❗️」が上手く出来なくなると、
おママの制作意欲が下がらないと良いけれど…。