(2019年5月20日 アルツハイマー型認知症の診断から約12年3ヶ月)
*ジジの励まし
「もう、何もわかんないのよ。
何をしたらいいかわからないのよ。」
午前中のおママは、こんな風にジジに訴える事があります。
ジジはジジで自分の時間は欲しいし、パソコンを見たかったりすするし…。
それに何より、おママにはこれ以上悪くなって欲しくありません。
毎朝、ジジはおママの作業机に貼り絵の台紙にするハガキを出して置くのですが、
こんな風に愁訴される時は、更に決めている事があるそうです。
それは、おママを自分の作業机に連れて行き、過去におママが制作した貼り絵のファイルを見るように勧めるのです。
「今まで、あなたが何をやってきたかを見れば、やる事が見つかるでしょう。」
おママが白いハガキに貼り絵を始めたのは、アルツハイマー型認知症と診断される前でした。
つまりもママは12〜13年以上前から貼り絵をしています。
ファイルは20冊以上になりました。(一冊150枚収納、200枚収納、400枚収納と様々。)
その膨大な貼り絵達は、おママが認知症になり失われた日々を物語る、大事な記録であり記憶だと思います。
おママは1枚の貼り絵の制作が終わると、すっかり自分がやっていた事を忘れます。
しかし、その瞬間でけですが、まだファイルを見れば、それが自分の作品だと認識できるのです。
それを見てごらんなさい。
自分のやってきた事を見つめて、
感覚を呼び覚ましなさい。
ジジが言いたいのはそういう事だと思います。
「大体、そうすると、おママはやる気になるんだね。」
なるほどね〜。(^O^)
*チャーコの後悔
これはおママの例に過ぎません。
でも、認知症になった方が今まで取り組んできた事に触れたり、ご家族と一緒に見たりするのは刺激になるのではないかしら…。
ゆかりの品は記憶の手掛かりになるのでしょう。
昔のアルバムを見たりするのも良いのではないかと思います。
でも、おママのように、子供や夫の記憶も失くなるほど症状が進んだら考えものですが…。
なぜなら、おママは昔のアルバムを見て頭が混乱した事があるんですよ。
まだ、自分や家族の名前や関係性が分かるうちなら、一緒にアルバムを見るのも楽しかったのでしょう。この点、私達は時期を逸してしまいましたわ…。(T-T)
⬇︎おママが昔のアルバムを見て、具合が悪くなった時の事です。
*5月20日の昼下がり
お昼ご飯の後、少し居眠りをして目覚めたおママは、急に古いファイルを持ち出しました。それは1冊目か2冊目の初期の頃のものです。13年くらい前のだと思います。
おママは1ページずつ丁寧にめくっては、少ない語彙で解説を試みました。
「これはぎゅっとしている」とか「こちらはふわっとした色で」など、かなり抽象的ですが、自作を振り返りながら楽しそうに語っていました。
それから少しして、おママは作業机に向かいました。
私が帰る時はまだ完成していませんでしたが、
悩んだ末に出来上がったのが、本日アップの貼り絵です。
*本日アップの貼り絵
⬇︎最初はこんな感じで赤い千代紙は机の上にも出ていませんでした。(^O^)
⬇︎ヘビーローテションの紅茶ティーパックの個別包装。現在はプラ系の包装材になっているようですが、以前は紙でした。長年毎朝この紅茶を飲んでいたので、おママはいまだにたくさんストックしています。
⬇︎こちらも以前からよく使われている阿部蒲鉾店の昔の包装紙です。
もう無いと思っていましたが、最近比較的大きなのが1枚見つかりました。
おママはまだまだ、使えそうです。
⬇︎今回見返して、ビックリしました❗️こちらもティーパックの使い方が似ていますが、おママは阿部蒲鉾店の包装紙も一緒に使っているんですね。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。