アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母が作った貼り絵たち。

精神修養を積まないと…。

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(2019年12月9日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

台所での事。

最近でも、私が昼食や夕食の支度をしていますと、おママは気になって台所にやってきます。

「まぁ、すみません。良いんですよ。そんな事なさらなくても…。

私がやりますから、大丈夫ですよ。」

絶対に私を娘だとは思っていませんね。

おママはそんな丁寧で他人行儀な口調で私の作業を邪魔します。

 

確かに邪魔なのですが、邪険にしてはいけないと思いつつ、私も最近は堪え性がなくて、ついキツい口調になってしまいます。

「今、私がやっている最中なので、座っていてください。」

「はい……。」

おママが明らかに不満顔なので、私は仕方なくおママにできそうな仕事を考えてみました。

 

丁度、片手鍋で野菜スープを作っている真最中。具材は煮えて柔らかくなってきたので、私はブイヨンを投入しました。

「お母さん、すみませんが、お玉でお鍋をかき混ぜて下さいな。」

おママはお仕事を振られたので嬉しそうに微笑みました。しかし、事はそう簡単ではありません。

沸騰している片手鍋を見ながら、おママは狼狽えています。

「これって、どうしたら良いのかしら?」

私はサッと火を細め、お玉でかき混ぜるように再度お願いをしました。

すると、おママったら、

「おたまって何ですか?」 

誰でも台所の家事を少しかじれば、汁物をお椀によそう道具がお玉だと分かるでしょう。その形状も判りそうなものだわ。

しかしもママはアルツハイマー認知症歴13年になりました。

(お玉がわからない日があってもおかしくはない…。)

「ほら、その、壁にぶる下げている、それですよ。」

私が指差すと、おママったら…、

「壁って何でしょうか?」

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おママ、そこからですか⁉️

 

壁とは…。壁とは何ぞや…。

心の壁でしょうか?社会の壁でしょうか?

いえ、もっと単純な問題です。

壁ドン出来る壁の事です。建物には必ずある壁ですよ、おママ。

 

私は身体を伸ばして、おママのすぐ横の壁からお玉を取り、

「はい、これですよ」

と手渡せば、おママは屈託なく笑って受取りました。(^◇^;)

一緒に笑って済ますしかないのですが、これで動揺するのですから、

私もまだ精神修養が足らないのかも…。

 

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心の壁とは…。座禅してみたい。

本日アップの貼り絵

お題方式の貼り絵です。(注)

お題は⬇︎こちら。以前にも別の貼り絵のお題としてアップしている写真です。

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私が12月9日に作業机に出しておいたこの「お題」は、3枚の貼り絵になりました。

その日のうちに2枚制作され、それが1番上の貼り絵とこちら⬇︎

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(2019年12月9日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

 そして、2日後に制作された3枚目がこの作品です。⬇︎

とてもエネルギッシュな作品となり、2019年12版の「今月のイチ押し」になりました。 

harienikki.hatenablog.com

 

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 おママは認知症になる随分前から、毎朝この紅茶を飲んでいました。どういうわけか、おママは個別包装袋が気に入ったようで、このように綺麗に揃えて残していました。

因みに上の写真で赤いのが見えますが、これもティーパックの袋です。

今もまだまだあります。(^O^)v

 

 

(注)昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

 おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。