アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母が作った貼り絵たち。

お墓の掃除

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(2019年10月18日 アルツハイマー認知症の診断から約12年8ヶ月)

 

 覇気のないおママ

2月26日水曜日の東京は久々にじーんと寒い1日でした。雨は朝方に上がったけど、お日様が少なくて、おママを買い物に連れて行くのも気が進みませんでした。

おママは元気がないわけではないのです。とは言え、あまり動きたくないようにも見えました。

所在なさげで詰まらなそうにしているので、私は計算ドリル(影山メソッド プレ百ます計算)をおママに勧めてみました。少しやりましたが、イマイチ気が乗らなかったようです。

 

私の今までの経験から行くと、こんな時のおママはコキ使って上げた方が張り切るのです。

 

それで、私は掃除機を持ち出してガーッとかけ始めました。

案の定、おママは近寄ってきて、

「申し訳ありません、ありがとうございます」

なんて言うではありませんか。私は内心ほくそ笑みながら、おママに掃除機を渡しました。

「では、後はお願いします。」

「え…、はい…。」

おママは戸惑いながらも掃除機をかけ始めました。

 

 チャーコは大雑把

大雑把な人は床に置いてある物をどけないで、

見えている床だけ掃除機をかける。

 

そんな話を聞いたことがあります。

自慢じゃないけど、私はそのくちだと思います。

おママはどうでしょうか?

一生懸命にゴミ箱や椅子やセラミックファンヒーターなどの床に置いている物を退けながら丁寧に掃除機をかけているので、やはり几帳面なのでしょうか…。

 「お母さん、そんなに丁寧にやらなくても、ほら、お墓の掃除で良いから。」

 

おママはアハハッと笑い、床に置いている物を退けながら掃除を続けました。

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 教えてくれたのはおママ

私は自分で口にした「お墓の掃除」が妙に引っかかりました。

まだ私が子供の頃、夏休みのお手伝いで掃除機を掛けていたら、おママに言われたのです。

 

チャーコ、お墓の掃除じゃないんだから、ちゃんと物を退けながらかけなさい。」

 

私は最初飲み込めませんでした。

「お墓の掃除って?」

 

おママの話によると、床に置いてある物をどけないで、見えている床のみ大雑把に掃除する喩えだそうです。

 

「お墓は動かせないでしょ。だからその周りを掃除するだけじゃない?

今チャーコがやったみたいに、ゴミ箱やちょっと床に置いている物を退けないで、その周りだけ掃除するのも同じようなものでしょう。そんなやり方をしていると、『お墓の掃除じゃないんだから!』って怒られちゃうのよ。」

当時の私はなるほど❗️と思いました。

 

だいぶ後になって聞いた事ですが、実はおママもお掃除は苦手で「お墓のお掃除」派だったそうです。でも、娘はちゃんと躾をしなければいけないので、口を酸っぱくして繰り返し言ったとか…。仕方なく娘の前ではちゃんと物を退けながら掃除機をかけたとか…。(^O^)

 

でも、あまり他所でこの言い回しを聞かないし、おママや祖母だけが言っていたのかしら?

 

お墓の掃除でいいから

(なんでだろう…?

認知症になると、もっとズボラになりそうなものだわ。)

昔は「お墓のお掃除」派だったおママが、認知症歴13年の今、床に置いている物を退けながら掃除機をかけているのが不思議でした。

 

ふと、考えてみれば…。

今のおママにとって、私は娘でもなく家族という自覚もないようです。

だから、他人様の前ではキチンと掃除をして見せないと、

「お墓の掃除じゃないんだから!」って、

私に言われたちゃうと思っているのかしら?それで、頑張っているのかも知れませんね。

 

昔、「お墓の掃除じゃないんだから!」とおママに躾けられたけど、

今、全力で「無理せずに、お墓の掃除で良いから!」と、おママに言いってあげたいです。

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応援はしているけど、無理に頑張らなくて良いから…。


 

本日アップの貼り絵

 赤系の短いライン。

元は白地にこのラインが印刷されていてようです。それを平行四辺形に切リ分けています。

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 おママ好みの左から右へ上昇するようなデザインです。

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 おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。