①(2020年4月13日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年2ヶ月)
②(2020年4月13日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年2ヶ月)
③(2020年4月13日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年2ヶ月)
*おママの好み
おママは貼り絵をする時、和紙のハガキを台紙にしています。
「越前 耳つきはがき」
7月から袋が有料になりましたが、何度も買いに行っているので、おママにとっては紙袋もお馴染みさんです。
「この袋好きだわ!」
なんて、よく言っていました。
認知症の症状がまだ軽かった時は、これを「小津和紙」の袋と認識していましたが、今ではその「小津和紙」すら何のことだか分からなくなってしまいました。
それでも、見れば「これ好きだわ」というのですから、本当におママの好みなんでしょう。(^O^)
(↑)これがその紙袋です。左側が表で右側が裏だと思います。
これは私の推測ですが…、色と中央部に配置された白抜きの伝統文様が、おママのお好みなのではないかしら?
(そんなにお好きなら、これを材料にしちゃいましょう。)
私も安直な人間ですから、これを「お題」にしてみようと画策しました。(^◇^;)
*まず切り分けましょう
まず、私が紙袋を解体しました。表面と裏面は2枚の平面になります。
次は色分けされた縦のラインで分断します。
(↓)やはり、最初におママが手にしたのは模様のところでした。
模様と模様の間に細く地の肌色が見えます。切り分けてみると、それにも面白さを感じていました。
ザクザクと模様を三角や菱形、六角形に切り分けるのは楽しいようです。
「こう切るか。ああいう風にもできるか…。」
最近のおママは何通りの形にも切り分けられる模様に心を惹かれるようです。
お次は文字にしましょうか?
「わし、わし。」
おママは「和紙」も「Washi」も読む事はできます。ただ、その意味する事は分かりません。(^◇^;)
「これと、これは、私にはむりだわ。」
おママは「Washi」と手漉きをしている人の絵は敬遠しました。
それでまずは「和」からですね。
「大雑把に切ったら良いでしょう。周りの緑も綺麗だし。」
私の言葉は完全スルーして「和」を丹念に切っております。(↓)
でも、さすがに「和」を切り抜いたら疲れてしまったようで、「紙」はそうもいきませんでした。
「これは、きちんと切れないわ。」
「大雑把に丸く大きめに切ったら?周りの緑も綺麗だし。」
そう言いながら私はふと思いました。
この「大雑把に」というのが、漠然としていて、おママには理解しづらいのかも知れませんね。それでも、最低限、形を整えようとしていました。(^O^)
*行きつ戻りつ
①の「和」は悩むこともなくすんなり決まりました。そしてささっと糊付。
②の「紙」と③は中心部だけ早めに決まったのですが、周囲のデザインは「ああでもない、こうでもない」と、紙片を動かしながら時間をかけておりました。
②の「紙」に行き詰まると、③に手をつけ、また行き詰まると②に戻る。
これは並行して制作するというよりは、②に飽きると③を発見して、③に飽きると②を再発見するという感じでした。
②と③の行き来には必ず頭が白紙になっているようでした。
それは、見ていて間怠っこしくもあり、興味深くもありました。
今回は連作のようで、おママには1枚1枚が単独作品だったのかも知れません。
私はスマホで写真を撮るので、しっかり時間と日付が残ります。この撮影時間も後で写真データに入れてみると、大体の制作時間が分かって興味深いです。
この連作(?)はトータルで2時間強。
おそらく、おママ自身、夢中だっったのでしょう。
出来上がって、ジジに褒められて、嬉しそうでした。
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。