アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

歳をとるのも大変だ(リハパンツ編)

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(2020年5月4日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

 

終戦記念日

 本日は8月15日、終戦記念日です。

今年は戦後75年になりました。

現在92歳のジジは終戦時17歳だったのですね。

私にはジジの17歳の姿は想像できません。

この世代は高度成長期に第一線で働いた猛烈サラリーマンが多かったと思うし、ジジもその例に漏れませんでした。

今も認知症のおママを抱えて懸命に生きていますが、

(歳をとるのも大変だよ…)

という溜息が聞こえてきそうです。

今回はそんなジジのリハパンツのお話です、

 

ジジとリハパンツの付き合い

ジジがリハパンツを履き始めたのはかれこれ10年近く前だと思います。

その頃は80代の前半でした。まだ仕事をしていたし、私を鞄持ちにしてお客様のお宅に伺う事も多かったです。そんな調子ですから、ジジがリハパンツを履き始めた時は、まだ全く排泄に問題はなかったのです。

 

私は仕事の合間におママの様子を見たり、家事の手伝いをしていましたから、洗濯物の中にジジのパンツがない事が不思議でした。

「どうして、お父さんのパンツは洗わないの?」

聞いてびっくりでした。

「最近は紙のパンツを履いているから、洗わないで捨てているんだよ。」

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ジジはトイレにちゃんと行っているよね…。

なぜ、ジジがリハビリパンツを履こうと決めたのか…。

それはおママのためでした。

 

「おママが認知症になったでしょう。一緒に出掛ける時に、おママがトイレに行きたいと言えば、自分よりそちらを優先しなければならない。おママが何処かへ行っちゃうと困るから目を離せないし…。そんな事をしていたら、自分が間に合わなくなるかも。

家に居ても何やかんやで、結局自分は(トイレが)間に合わなくなる可能性があると思ったから。」

 

まだ、排泄の自立が保てている認知症の妻に、嫌がるリハパンツを無理強いさせる訳にもいかず、その世話を考えて、自分が先に履くことにしたのです。

少しは痔がある事も関係していたかも知れません。これは私の想像ですが…。

 

父親がそんな調子ですから、オネコも私も全く紙パンツに抵抗がないのです。

2人とも月経がひどい時期に使った事があります。

私はおママと長時間のお出かけをする時に、何とかおママにも履いて欲しいがために

「私もよ❗️」

と履いて見せた事があります。

抵抗感があるのは、認知症患者であるおママ本人だけでしたわ。

 

履き始めた経緯がそんな風ですから、ジジは使い始めて何年も殆どリハパンを汚しませんでした。

しかし、3年前に仕事を辞めて、暫くしてから、リハパンツに尿取りパットを重ねるようになりました。

つまり、ジジ本人の足腰が弱くなり、身動きがスムーズにいかなくなって、トイレが間に合わなくなる事も起きるようになったのです。

 

現在のジジとおママのリハパンツ事情

おママが認知症が進み、段々家族も分からなくなった頃から(4年ほど前、認知症の診断から9年目あたり)、私達はおママの粗相が気になり始めました。

いえ、当時のおママは全くと言って良いほど、粗相はないのです。しかし、いつ何時、事故のようにそれが始まるかも知れない。

私は、その状況におママが置かれたらパニックになるだろうと、思いました。それで、必死に履くように勧めていましたが、おママからは手強い抵抗に遭いました。

「私は大丈夫です❗️まだこんな物は履きません。」

人によっては、認知症が進んでもプライドは頑なに残るものですね。(^◇^;)

 

でも、昨年あたりから、症状の進行のせいだと思いますが、素直に履いてくれるようになりました。

それでも、時々、自分で脱いでしまいます。そんな時、布のパンツが見つからないと、パンツなしでガードルを履いてしまう事もあります。

 

現在、ジジとおママが使っているリハパンツは(↓)こちらです。」

花王の「リリーフ」パンツタイプの薄型です。44枚入りの大きなパックをamazonの定期便で購入しています。

www.kao.co.jp

 (↓)ジジはこちらの尿取りパッドを重ねています。

www.d-unicharm.jp

 

その感触

ジジは自ら決めてリハパンツや尿取りパッドを使い始めました。だから、将来的に本当の意味で使用することに対して、ある程度、覚悟はあったと思います。

しかし、頭がしっかりしていているのに、身体が思うように動かなくなった。

そして、トイレが間に合わなくなる。これは余計に堪えると思います。

 

「最近、歩くのが遅くなったし、身動きが遅くなったから、トイレまで間に合わない事もあるんだよ。」

「デイサービスでトイレに行こうとしたら、そのドアの前で出ちゃった時はガックリとするよ。」

 

やはりね…。お小水が出てしまった時の絶望感、敗北感は半端ないものでしょう。

 

「トイレに入ってからも、「もう、危ない❗️」と思ったら、無理して脱ごうとせずに、そのまま紙パンツにする様にしたよ。その方が、かえって服や下着を汚さずに済むからね。」

覚悟のあったジジでも、

「そこまで達観するまでには何年もかかった❗️」

そうですね…。そうだと思います…。(TT)

 

全く以って…、

「歳をとるのも大変だよ。」

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本日アップの貼り絵

 5月4日水曜日

私が実家へ行くと、ダイニングテーブルの上に葉っぱが6枚ほどビニール袋に入って置いてありました。

「これはどうしたの?」

「おママが朝、玄関で拾ってきたんじゃないか?」

ジジの言う通りかも知れません。過去にも(↓)玄関に生えている草を使っていますから。

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 (↓)この作品もお仲間です。

harienikki.hatenablog.com

 それで、早速「お題」にしてみました。」

何枚もある千代紙の中から、組み合わせに選んだのはシックな茶系です。

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(↑)何だかずいぶん細かく切ってますね…。(^O^) 

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 思ったよりいろんな切り方のできる千代紙でした。

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 制作時期は初夏ですが、どことなく秋を感じさせる貼り絵に仕上がりました。(^O^)v

 
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。