アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

ハサミで切れた❗️

(2024年5月21日アルツハイマー認知症の診断から約17年3ヶ月)

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嬉しい驚き

今日のトップの写真をご覧になって、

「あら、何かしら?チャーコさん。暑さで遂に頭がおかしくなったのかしら?」

そうお思いになった方、半分当たりです。

実は本日の記事のテーマに合う過去の「おママの貼り絵」を探していたのですが、適当な作品が見つかりませんでした。1週間ほど前からあれこれ探して考えていたのです。

でも、頭痛に見舞われたり、頭が混乱したり、物理的にもメンタル的にも怪しくなってきました。

貼り絵でもなんでもない、ただ切り分けられた色画用紙だけなのですが、これが今回の主役です。それで、思い余ってブログトップに貼り付けてしまいました。

 

実は、5月21日のおママとの面会の時、おママが自分で切った跡なのです。

左側は私が説明のために切った跡、右側の赤い矢印の方をおママが切

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まだ5分ほど面会時間が余っていたので、私はハサミを持って、おママに紙を切る様子を見せてました。それが写真左側のカット部分です。

おママは興味深そうに私の手元を見るものですから、

「やってみる?」

とおママにハサミを持たせみました。

すると、何気に手つきが良いではないか。

youtu.be

<おママがハサミで紙を切る動画>

2024年5月21日11:26〜(1分02秒)

おママは上手にハサミを動かしています。

32秒ごろに刃の向きを変えて切る方向を変えています。

おママさん…。切れたではありませんか❗️

ものの10cmほどの長さですが、おママがこんなに長くハサミで切れたのはいつ以来でしょうか?

ハサミで紙を切るなんて、普通の人なら当たり前にできます。

でも、おママは認知症歴17年。

特別養護老人ホームに入所する1ヶ月ほど前の2022年12月になると、おママはハサミの持ち方が怪しくなりました。私が何度も一生懸命に持たせて切り方を教えて、作業に入ったのですが、1回2回チョンチョンとハサミを動かす程度が関の山。

結局この12月の半ばに貼り絵制作を終了しました。

特別養護老人ホームでは基本的にハサミや刃物は入所者に持たせませんから、

スタッフさんにこのピンクの紙を見せたら驚いていました。

たまたま、機嫌が良くて、まぐれ当たりだったのかもしれません。

それでも私はとても嬉しかったです。

おママがこんなにハサミが使えたのは、いつ以来だったのかしら。

過去の動画を探してみた

(↓)恐らく、この日以来だと思います。

2022年12月9日。

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この記事でも私は(↓)こんな風に書いていました。

チャーコがそろばん模様の和紙を渡すと、おママは細長くテープ状に切りました。この時期、おママは長いストロークでハサミを使う事が出来ない事が多かったので、私は撮影しながら嬉しかったです。

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<おママがハサミで紙を切る動画>

2022年12月9日11:26〜(1分42秒)の動画のうち、後半部分の51秒間。

マ「……してみよ。」

チ「まっすぐ切れるかな?あ、今日は調子いいね。」

マ「ぴょん,ちょん、ぴょん,ちょん、ちょん♪」

切れました。

チ「あ❗️テープみたい。」

 

1年半もハサミを触っていなかったけど、5月の面会の時はおママの脳の回路がバッチリ繋がったのでしょう。

認知症って、人間の脳って本当に不思議だと思いました。

 

ハサミで切るのはおママの得意技

おママはとても手先が器用でした。中年期は革工芸、50代後半から60代はルリユール(ヨーロッパの伝統的な装丁技法)に取り組んでいました。基本的にカッターやハサミで正確に紙や皮革をカットするのはお手のものでした。

73歳でアルツハイマー認知症と診断を受けましたが、その数年前のちょうど70代に入った頃から工程の多い装丁などの作業はできなくなったと思います。それと同時期から身近な綺麗な紙を利用した「おママの貼り絵」を始めました。

単純に紙を切ったり貼ったりするのは、これまでの経験からすれば、おママにとっては容易い作業です。特にハサミで紙を切る感覚は、認知症が重くなってきても、とても好きだったと思います。

そんな、紙を切る楽しさを感じている動画を2つご紹介します。

 

①2021年7月12日 長く一直線に

youtube.com

<おママが紙を切る動画>

2021年7月12日14:26〜(49秒)

青系の大判友禅紙(小津和紙で購入)を真っ直ぐに切っています。

チ「もうちょっと、もうちょっとよ。がんばれー。」

マ「ちゃっ、ちゃっ、切っちゃったよー。」

チ「やったー、出来た出来た。」

マ「ねー、なんだかね。あ、おもしろいね。」

 

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②2021年10月22日 ハサミの時間

切り抜いたのは2021年の秋。この頃のおママはまだそれほど緑内障の視野欠損が酷くなかったのかもしてません。実に鮮やかにハサミを使っています。

youtu.be

<おママの貼り絵制作動画① 大きなピースをじっくりカット編>

2021年10月22日 14:27〜(10分43秒)

2年3ヶ月ほど前に撮影した動画です。

切っている花のピースを使った貼り絵をご紹介する時まで…。

そう思って今日まで寝かせておりました。

長い動画です。大きな花模様をおママはじっくり切り抜いています。実はこの日のおママは徹底的にハサミの作業に熱中していました。

今見直してみますと,おママはおママなりに精密にカットする工夫をしていました。

当時、既に認知症の診断から14年以上経っているので、ハサミの扱いに慣れているおママでも難易度は高かったと思います。長尺の動画を撮りながら私も息をころしておりました。最後,切り終えた時は今見直しても感嘆しました。

チ「出来たー❗️すごーい❗️」

おママもかなり達成感があったようです。

マ「しゃぁーーー、できた❗️」

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今後、又おママがハサミで紙を切れるとは限りませんが、引き続き面会時には手先を使う遊びを考えていきたいです。(๑˃̵ᴗ˂̵)

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。