(2021年6月23日アルツハイマー型認知症の診断から約14年4ヶ月)
*美しすぎてダメだった
2年前のことです。
おママの認知症がいよいよ進んでしまい、会話も難しくなるほど語彙が少なくなってきました。
そこで私は「ドールセラピー」という言葉を小耳に挟み、おママに何か可愛らしい縫いぐるみかお人形をあげたいと思っていました。
何か肌触りの良いぬいぐるみを購入しても良いかと思ったのですが、できれば手持ちの物で済ませたくなる貧乏根性の為せる技。私は自分の手持ちのお人形を1体実家へ持って行きました。
30代の頃、タカラのジェニーちゃんやそのお友達の人形に、趣味で着物や洋服を作っていた私。実はコレクションが何体もあります。
特にお気に入りだったのは(↓)ジェニーちゃんのお友達のシオンちゃん。
本当に美人さんなんですよぉ〜❗️(๑˃̵ᴗ˂̵)
(2010年ごろに発売された「ジェニーフレンド エアリーカットシオン」)
美貌のシオンちゃんなら、きっとドールセラピーのお役目を全うしてくれるかも知れない。そう期待して実家へ持って行ったのですが、どうも私の思惑は外れてしまいました。
(↓)このイラストは2022年7月9日の記事に掲載しました。今回は再掲載です。
おママは「きれいね」と言いながら眺めはするけど、手に取ることは殆どありませんでした。
美し過ぎるのって罪ですね。(^O^)
やはり、おママには柔らかい感触の、ラブリーな縫いぐるみの方が良かったのでしょう。
シオンちゃんはドールセラピーとしてはダメでした。
美し過ぎてダメだった。(チャーコの私見です。)
その後、おママは特別養護老人ホームに入所したので、この「エアリーカット シオン」は再び箱に収めて実家に置きっぱなしになっていました。
*やはり美しさを愛でてほしい
半年ほど前に、オネコさんの孫娘の桃ちゃんがリカちゃんなどでお人形さんごっこをしていると聞きました。それから私はコレクションからシオンちゃんを1体あげたいと思っていました。
(せっかくあげるなら未開封の新品をあげたい。)
でも、私は自宅の物入れの奥から段ボールを出して開ける気力も体力(腰痛になりそうだし)も自信がない。そう思いつつ、5月のゴールデンウィークに桃ちゃんに会う機会がありました。
ふと思ったのですよ。
あの「エアリーカット シオン」はドールセラピーではなく、女の子に着せ替え人形として遊んでもらうのが本分でしょう。
そこで、私は桃ちゃんに箱に入ったシオンちゃんを見せて訊ねました。
「おママのお下がりで本当に申し訳ないけど、嫌じゃなかったら、このシオンちゃんを上げたいんだけど…。」
すると、桃ちゃんは少しはにかみながら、頷いてくれました。
*嫁入り支度
後日、オネコさんに聞いたら、桃ちゃんは喜んでくれたそうです。
実は、オネコさんは私達姉妹が子供の頃に遊んだお人形さんの服などを実家で見つけて残していました。
タミーちゃんや大昔のリカちゃんや、靴やバックなど樹脂系で作られた物は劣化していたそうですが、衣類の中には洗濯をしたら使えそうな物もあったらしい。
(↓)例えばこのお着物。オネコさんが洗ってアイロンを掛けて、ほつれた所を縫い直したらピッタリ❗️
(↓)かぎ針綱の上下セットは、恐らく私ら姉妹(オネコとチャーコ)の父方の祖母が編んだ物でしょう。かれこれ半世紀近く前のシロモノです。ちょっとレトロな感じだけど、シオンちゃんは見事に着こなしています。やっぱ美人さんね。(๑˃̵ᴗ˂̵)v
これら懐かしいお着物やお洋服と共に、シオンちゃんは桃ちゃん宅に行きました。
私としては愛娘を嫁がせた気分です。
オネコさんが素敵な嫁入り支度まで整えてくれて、感謝しております。
*本日アップの貼り絵
2021年6月23日の作品です。今から3年前ですね。
「お題パック」を使っておママが一人の時に取り組んだ貼り絵です。
(↓)使用した「お題パック」です。おママはこれ以外にも小さな切れ端を2つおママは追加していますね。(๑˃̵ᴗ˂̵)v
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
2019年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
(↓)関連作品です。
おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。