アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

マグカップからの洗濯物

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(2018年5月31日  アルツハイマー認知症の診断から約11年3ヶ月)

 

1つ事件(大袈裟です)が発生すると、必ずそれだけでは終わりません。

その影響は連鎖して新たな事件(ほんと大袈裟)を生むのです。

 

 これはサスペンスドラマではありません。実家の事です。笑笑

おママがマグカップを割ってしまった後始末で、私がキレた一件は前記事にも書きましたが…。

実は続きがあるのです。

harienikki.hatenablog.com

 前回の続きです。

「あっちにいって!」

と私に怒鳴られたおママはそれからどうしたでしょう⁉︎

 

しばらくジジと私が掃除機を掛けているのをウロウロしながら見ていました。それが終了しても、おママはいつもより落ち着きがありません。普段は率先して行う昼食後の食器洗いもヤル気なし。

私が代わりに台所に立って洗っていると、おママがトイレに行く気配を感じました。そして、食器洗いを終えてリビングを見渡すと、ジジがテレビを見ていました。何気なく私も座ってジジとテレビを見ていたのですが、すぐにおママの姿が見えないのに気が付きました。

 

作業机にも居ないし…。

2階の他の部屋にも居ない。だいたい他の部屋はエアコンがないから、暑くて少しの間も居られないでしょう。

 

(おママどこ行ったのかしら?私に怒られていじけたのかも。)

私は嫌な予感がしました。

「お父さん、お母さんを知らない?どこに行ったのかしら?」

「さぁ、トイレだろ」

「えーっ❗️おママはまだトイレなの⁉️」

私がその気配を感じてから20分くらいは経っています。エアコンの効かない、暑くて狭いトイレにあまり長く居ると、この猛暑では危険です。だって、トイレで熱中症になったという話を聞いた事がありますから…。まさか…。

私はトイレの前で極力優しく(優しく言ったつもり)呼んでみました。

「お母さん、居るんですか? お母さん⁉️」

返事がない。返事がないぞーー!(*_*)

「お母さん、開けますよ…。」

返事がない❗️(°_°) 私は意を決してトイレのドアノブを回しました。

い、い、な、い、、、。

ホッとした反面、おママがどこだーー❗️

今まで徘徊の症状は一度もありませんでしたが、1人で外に出てしまった可能性も捨てきれません。

おママはここを自分の家だと認知していない時もあります。怒鳴るような怖い人がいたら「自分の家に帰りたい」と出掛けてしまうかも…。

 

おママなりに考えた

私は慌てました。まずは階下を探すために階段を降りようとしたら、ベランダに出る扉が開きました。そして洗濯物を抱えたおママが現れたのです。

「あー、もうダメだわ。フラフラする。」

「お母さん、洗濯物を取り込んでくれたの?暑かったでしょう。」

昼下がりのベランダは灼熱地獄です。取り込むつもりでも、今のおママは昔みたいにテキパキとは出来ません。どうしたらいいか迷いながら、普通の人より長くベランダで熱せられたのでしょう。

「とにかく涼しい場所で休んでください。」

私はおママから洗濯物を受け取って、リビングに誘導しました。

おママが自ら気が付いて洗濯物を取り込んでくれたのは、とても偉いし嬉しいことです。

が、しかし‼️

私が洗濯物を干したのはお昼の12時45分頃。

そして、おママが取り込んだのは13時40分。

 

いくらカンカン照りでよく乾くベランダだとしても、1時間弱では完全には乾かないんですよねー。タオルの端っこの重なっているところや、ズボンのファスナーの辺りや裾、ポロシャツの襟などなど。まだ、しっかり湿っているではありませんか‼️

(おママに気付けと言うのは酷かも…。)

私は仕方なく炎熱のベランダに出て、もう一度洗濯物を干し直しました。(T_T)

汗だくになって涼しいリビングに戻った時は、私も「フラフラでもうダメ」状態。

本当に草臥れました。それに正直言って、二度手間、ありがた迷惑です。(涙)

 

後で、私はジジに洗濯物を干し直した件を話しました。

「お母さんは、マグカップを割ったから、マズかったと思ったんだよ。何とか他の事で挽回しようとしたんだね…。」

ジジはそんな風に言っていましたよ。

マグカップを割ってしまった事自体は忘れても、おママは「何かマズい事をした」という感覚がだけが残ったのでしょう。だからこそ洗濯物を取り込んだ。

その気持ちはわかるけど、おママだって暑い思いをして徒労に終わったのですから、ちょっと気の毒でしたね…。

 

本日アップの貼り絵

この貼り絵⬇️   おママはこちらの箱を使いました。

www.pavlov.jp

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 ⬇️ こちらもにも使われています。

harienikki.hatenablog.com

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

わかっちゃいるけど…。

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(2018年6月11日  アルツハイマー認知症の診断から約11年4ヶ月)

 

自戒の念

私はなるべくおママには丁寧な言葉使いで接しています。

忘れた事、見当識障害でおかしな事をやってくれた時、

声を荒げたり責めてもマイナスな感情だけが残って、お互い精神衛生上良くありませんもの。

それに、おママは私を娘(つまり家族)と認識していない可能性もあります。しかも、おママは直前の記憶も失われます。

他人から急に強い口調で何か言われたら、誰だって嫌ですよねー。

 

しかしながら…。(溜息)今週の水曜日、私は自分のを上手くコントロール出来ませんでした。反省‼️

 

おママ、マグカップを割る

食器棚を開けて、お菓子を出すのに丁度いいお皿を探していたおママ。

「いいのないかしらね〜。」

ガチャガチャ食器を触っているうちに、ガッチャーーン‼️

マグカップが1つ床に落ちて、木っ端微塵に破片が散らばりました。

 

「あーー、大丈夫よ。こんなのは、大丈夫。」

おママは自分に言い聞かせるように、私と一緒に大きい欠片を拾い始めました。

「お母さん、いいから、私がやるから。」

親指を切ってたくさん血が出たら気の毒だし、後で何故怪我をしたのかを忘れて、ジジに「この指はどうして?」とシツコク聞くでしょう。あくまで、こちら目線ではありますが、できる事なら極力面倒は回避したいものです。

「いいの、いいの。私は大丈夫。こんなのよくやっているから。」

しかし、おママは数ミリほどの破片まで指で摘んで拾おうとします。しかも、細かい破片が散らばっているところに、わざわざ足を踏み入れてきました。

「お母さん、破片が散らばっているから、来ないで‼️」

「平気よ。大丈夫だから。」

大丈夫じゃないわ‼️ 

 

おママは靴下を履いていますが、その足で細かい破片の上に乗ったら足の裏は保証の限りではありません。(°_°)

それに、靴下に付いた微細な破片が家中に広がったらどうするの〜❗️(T_T)

 

私、切れました。

「いいから‼️お母さん‼️どいてよ。あっちに行っていて‼️」

ジジに見張っていてもらい、私はすかさずガーッと掃除機を引っ張り出しました。

それでも、おママは踏み込んできそうなので、私はもうひと叫び、

「あっちに行っていて‼️」

黄色い声でおママを追い払いました。

 

ジジにはコードレスハンディータイプの掃除機で使ってもらい、2台で念入りに床をかけました。おママは少しの間、しょげていました。

 

片付けだけでなく怒鳴った事で、私は随分消耗してしまいました。その日は帰宅してからも、後味の悪い感触が残っていたものです。

はぁ〜。(溜息)やはり、怒鳴らないようにしよう…。

 

去年は「ユマニチュード」を意識して ⬇️ の記事も書いていたんですが…。

上手くいかない時もありますね…。自戒を込めて貼り付けます。m(_ _)m

harienikki.hatenablog.com

 

 本日アップの貼り絵

以前ご紹介した「カエルまんじゅう」の包装紙を使っています。

と言っても、今回カエルちゃんは登場しません。笑笑

こういうのは抜け殻って言うのでしょうか?

いえいえ、とんでもない!オタマジャクシからカエルに成長する間、脱皮しませんもの。(^。^)a

これは「幸福・大吉・福カエル」の名残ですね。おママにはカエルちゃんを切り抜いた跡の形も面白かったのでしょう。

作業机の上に残っている細かい切れ端を宝物みたいに、内にも外にも貼り込んで、

縁起の良さそうな貼り絵となりました。

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青柳総本家「 カエルまんじゅう」については⬇️にも包装紙を使った作品があります。

 

harienikki.hatenablog.com

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

大胆かつ不思議な力

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(2018年7月8日  アルツハイマー認知症の診断から約11年5ヶ月)

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 もう1つの7月版イチ押し

ありゃ‼️ 

7月9日(月曜日)、実家で貼り絵ファイルを開いた時、私は思わず声を上げてしまいました。

(なんと大胆な構図か…。)

おママよ、完全に理性を解き放って、気持ちの赴くまま貼り絵にしたの?

それにしては明らかに計算しているフシもある…。

 

枯葉の茶色は黄色系で水色とは補色関係です。冴え冴えとした緊張感があります。そして水色の鋭い三角はおママらしいシンメトリー。

四隅を飾る細いリボンの色は枯葉に呼応しています。

 

私の中では、枯葉を貼り絵に使った作品は⬇️ が印象深いです。

2010年の秋、おママは拾った落ち葉を重い本(たぶん⁉️)で押しをしました。最初から貼り絵に使うために、周到に準備していたと思われます。 

harienikki.hatenablog.com

 

しかし、本日アップの枯葉は違います。実はこれ、私はおママの作業机で見かけたような気がします。ピッチっと平らに押しをされてはいませんでした。

ハガキに貼れない事もないけど、無理に糊付けしたら…、パキッ‼️ でしょう。(^。^)

 

実際、パキッ‼️となりました。

それが貼る時に割れたのか?、真ん中から割れていた枯葉を貼ったのか?

今となってはおママも覚えていませんね…。

 

不思議な造形

私はこの貼り絵を見せて、アズキに聞いてみました。ロクなことを言わないから聞かなきゃ良いのだが…。)

「何に見えるかしらね…。」

「グリーピースのさや?」(珍しく普通…。)

「まぁ、そうね…。」

「でも、何だろうね。」

 

割れた枯葉の間に、角を落とした水色の四角が3つ。均等に並んでいます。でも端っこの1つは外に出ようとしているのかしら?

それとも何らかの生き物が水色のマメを食べている最中なのかしら?

蟹のハサミ?

 

きっと感じ方は千差万別で、人それぞれにイマジネーションをかき立ててくれるような貼り絵だと思います。

これが7月版「イチ押し」の候補でした。\(^。^)/

 

 おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

月末企画❗️今月のイチ押し‼️(2018年7月版)

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(2018年7月15日  アルツハイマー認知症の診断から約11年5ヶ月)

 

 7月のおママは

今日は特別の日です。(今日といっても日付変わって8月1日だし。m(_ _)m)

元AKBの前田敦子さんが結婚しました❣️(私はあっちゃんの隠れファン。)

ではなく…、月に1度の「月末企画❗️今月のイチ押し‼️』の日です。

 

これはその月におママが制作した貼り絵の中で、私やオネコが1番気に入った(面白いと思った)作品をご紹介する企画です。

判断基準は⬇️こんな感じです。

綺麗もしくは興味深い作品。

制作エピソードがある。

制作途中の写真があれば尚良し。

 

この7月、おママは30枚近く制作しました。月の前半は順調だったのですが、後半からはすっかり意欲をなくしておりました。

「頭が痛くて…。」

とロッキングチェアでグッタリする日が多かったのです。

そりゃ、そうです。この酷暑だもの。私だって、バテてます。全てにおいてやる気出ません。

それでも、「何もやる事ないし」なんて、おママはブツブツ言います。そんな時は、私がおママの気に入りそうな紙を選んで、切り抜いたり貼ったりしてもらいました。

そんな調子の7月だから…。

今月の判断基準には、おママが私に関係なく自主的に取り組んだという点も加味しました。

 

イチ押しミーテイング

オネコとミーテイングして作品を選ぶ時、私は自分なりに候補作品を2点くらい選んでおきます。しかし姉妹でも好みは違いますから、オネコの良いと思うのと合致しない事もしばしば。

でも今回は不思議な事に、私の候補とオネコの選んだ2点がぴったり一致していました。

「じゃあ、綺麗な方にします。」

そして決めたのがこの貼り絵です。

オネコはしきりと、

「右上の細長い緑がちょっとだけズレたのが惜しかったわね〜」

と残念がりましたが、私はご愛嬌だと思います。他のパーツはほぼシンメトリーが決まってますから。((^。^)v

あ、そういえば…。候補だったもう1点はとても個性的な作品でした。

 

7月13日(金)

この日の午後、おママは自分で制作を始めました。

私は夕食の支度の合間に覗いて、出来上がりが楽しみでした。

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 (7月13日撮影)

⬇️ あれこれ悩んでおります。

「どうかしらね?」

おママはどこか自信なさげでしたが、

「その色の組み合わせなら、絶対に大丈夫よ」

と、私は本心からそう思いました。大人っぽい配色ですね。

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(7月13日撮影)

途中の写真を撮影したのは7月13日でしたが、私は完成を見ずに帰宅しました。

そして、貼り絵の裏面に書かれた完成日は7月15日(日)です。

 

もしかして、おママは2日間この貼り絵を作業机に置きっぱなしにして、見つける度に構成を練り直していたのかもしれません。

 

暑い最中に頑張って制作したこの貼り絵を、

「今月のイチ押し」に決定❣️

👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

Photoshopに挑戦❗️

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(2018年5月21〜23日頃 アルツハイマー認知症の診断から約11年3ヶ月)

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(2018年5月21日 アルツハイマー認知症の診断から約11年3ヶ月)

 

 連作にしても多作

今日アップの貼り絵…。印象的なブルー系の紙を惜しげもなく使っています。

紋章でしょうか? 割と主張の強い紙だと思います。これも和洋折衷です。

 

実は、5月の18日(金)から20日(日)を中心に23日頃にかけて、このブルーの模様を主軸にした貼り絵を、おママは7枚も連作しました。(上2枚を含めて)

よほど気に入ったのですね。

私は基本的に土日は実家へ行きません。それで21日(月)の昼に実家でおママのファイルを開いて驚きました。そのページはブルーの貼り絵で埋め尽くされていたのです。

「この紙は何⁉️」

おママの作業机にはその断片がいくつか残っていました。それらは貼り絵に生まれ変わる時を待っているようでした。

私は印刷された模様を見て、モヤモヤとした引っ掛かりを感じていました。

どこかで見たことがあるのです。特に正方形で囲まれた「Ps」のマーク。つい最近もどこかで見たはずなのに思い出せません。気になる〜〜‼️

 

元をただせばジジ

それで、私は階下のパソコン部屋にいるジジの所へ向かいました。

「ねぇ、お母さんが貼り絵に使ってる青い模様の紙ってさ〜、どうしたか知ってる?」

するとジジはアッサリと、

「あー、あれねー。この本の外側のカバーだよ」

と、指さしました。

「模様が気に入って、どうしても欲しいと言うから上げたんだよ。外側のカバーが無くても本は問題ないしね。」

⬇️ の本のカバーでした。 

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 「あーーーー!Photoshopだったか❗️」

Adobe社の写真編集アプリケーションです。

 

ジジの長年の趣味は写真。撮影した写真の色合いなどを調整するために、同社のLightroomを使っていますが、これをインストール(月額有料)するとPhotoshopもパックでインストール出来るのです。

 

実は私のパソコンにもインストールされています。それで、正方形に「Ps」のマークをよくクリックしていたんですね…。なのに、思い出せないとは、私も大ボケです。

 

「えー、どうしたの。Lightroomじゃなくて、Photoshopを使うの?」

「うん、今まで自分で撮った写真を加工してより良く出来たらと思うんだけど、難しくて何だか分からなんだ。教えてよ。」

 

そうジジに言われても、私がPhotoshopでやることと言えば、画像顔像度を変更してデータを小さくしたり、保存形式を変えたり、少し目障りな箇所をスタンプツールで消すくらいです。この奥の深いアプリケーションを使いこなしているとは、口が裂けても言えません。

「頑張って…、ね❗️」

私は無責任に笑ってごまかしました。

 

最近は外歩きもシルバーカー(手押し車)が必要で、大きいカメラを持ち歩くのは大変になってしまったジジ。気楽に外に撮影に行くのは難しくなりました。

だからこそ、少し楽しみ方を転換させようとPhotoshopに挑戦ししようと思ったらしい。それで過去に購入したガイド本を引っ張り出して読み始めたのです。

 

結果的にジジの試みが、おママの連作を誕生させたのでした。

 

その後…、ガイド本を見ながらのお勉強は…?

捗っているのかな? 難航しているのかな…?

頑張ってください…。

 

⬇️こちらも同じガイドブックから取りました。

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

トイレットペーパー VS キッチンペーパー

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(2018年5月30日  アルツハイマー認知症の診断から約11年3ヶ月)

 

私の探し物

私が台所で昼食の支度をしていると、キッチンペーパーが見当たりません。

食器を拭いて➡︎手や周辺を拭いて➡︎シンクを拭いて➡︎ポイッ❗️

私は1枚を3段階に使いまわして、台所仕事に重宝しているものです。

それが何故か無い…。まだ下ろしていないロールが2つあったのに、それも消え果てていました。

「キッチンペーパー知らない?」

「えー。何処だろう。」

ジジとあちらこちら探しておりました。朝ドラの再放送が始まるまでには拵えて食べ始めたいのに…。探し物はいつも悩ましい。(°_°)

 

おママの探し物

私とジジが探し物で右往左往しているまさにその時、おママがバンとトイレから出てきて、

「ないのよ、ない、ないの」

と落ち着きがありません。こういう時は自分の探し物よりおママの方を優先しないと…ね…。

「何が無いの?」

すると、おママはトイレを指差して、

「あそこで、ああする、ほら、あれがないのよ。」

状況から考えると、無いのはトイレットペーパーでしょう。

(まさか、おママよーー‼️お尻拭かずに出てきたのかーーーー‼️)

 

それはおママの気配りです。

私がトイレに駆け込むと、トイレットペーパーホルダーには残り少ない紙が付いていました。

つまり、おママは次に入った人が困るから、新しいトイレットペーパーをホルダーに用意をしておこうと思ったらしいのです。使い切ってそのまま放置する人もいるのでしょう。私は未だにそんな気配りができるおママに感心しました。

そして、ふとトイレの壁面の高いところに設えられた棚板の上を見ますと、トイレットペーパーが入っていると思われる袋が見えるではありませんか。

「お母さん。あれ、有るじゃない?」

すると、おママは必死で言うのです。

「あれ、なんか違うのよ。入らないの。もう、何が何だか分からなくなっちゃったわ〜。」

おママよ、この世の終わりみたいな嘆き方をしないでおくれ…。

 

結局はおママ (^。^)

しかし、私はおママの「入らないの」という言葉が気になりました。

「…ん⁉️ 入らない?何が何に入らないの?」

「もう、何が何だか分からないわよーー。」

悩乱しているおママを横目で見ながら、私は棚板の上に横たわる袋を手にしてみました。

「あ⁉️」

それに私が探していたキッチンペーパーが2巻入っておりました。そりゃ、トイレットペーパーホルダーに入るわけないわ‼️

外袋に入っていたから、まだしもだけど、キッチンペーパーを事もあろうにトイレの棚に載せてしまうなんて…。やる人は1人だけですね。

「何?何のこと?知らないわ。」

おママは既に探し物の事もお忘れになって、小首を傾げて微笑みました。

 

私はキッチンペーパーが見つかり、

おママは12ロールの新しいトイレットペーパーの包みをトイレに納めました。

 

今回のおママは言葉は出なくとも、冴えていたと思います。しかしその時その時で認知力判断力に差があるのです。

(もし万一、トイレにキッチンペーパーを流されたりしたら…。)

1度はトイレットペーパーと思い込んでトイレに持って行ってしまったのですから、そう考えると冷や汗が出ます。物の置き場はよく考えないと…。

 

本日アップの貼り絵

淡いピンクのパーツは何の包装紙から取ったのか分かりません。残骸だけしか残っておらず、手掛かりがないのです。⬇️

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

新旧・和洋の融合

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(2018年6月1日  アルツハイマー認知症の診断から約11年4ヶ月)

 

 本日アップの貼り絵

  本日アップの貼り絵はとてもシンプルなデザインだと思うのですが、お話ししたいことが結構あります。(^。^)v

和洋・新旧が凝縮されているからです。

 

新と洋

  最近、私の友人達が 「お母さんにどうぞ」と包装紙を下さいます。

ありがとうございます。m(_ _)m

  5月末に、友人達大勢で集まり、各々お菓子などを持ち寄って楽しく過ごしました。その中に美味しいパティスリー パブロフの洋菓子がありました。

www.pavlov.jp

お開きの前に、持参した友人が、

「この箱はどうする?」

と声をかけてくれました。しっかりとした厚手の紙を使用しています。

貼るのには向かないかな…。

ちょっと迷ったのですが、その内側の洒落ていること❣️おママ好みです。

「でも、ティッシュの箱だって貼ってるしね。」

「そうだね。一応、貰っていくわ。」

グフッ❣️

顔を見合わせて笑ってしまいました。⬇️ それがこちらです。この箱は本当に素敵ですね❣️お菓子のお味もとっても素敵でした。ありがとうございます。

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案の定です。おママはすぐに興味を示しました。

使いたい…。でも、箱を崩すのは勿体ない…。

おママはウジウジ思いを巡らせていたので、私はバッサリ側面を切り落として分解して上げました。

「きゃー、何すんの❗️」

おママは悲鳴を上げましたが、その直後にいそいそ貼り絵に向かっておりました。

 

旧と和

 上記の数日後の事です。

実は、私は見つけちゃったんです。(^。^)v

⬇️ の記事で「もう、これが最後なの」と、おママが寂しげに言っていた手毬の千代紙です。

作業机のすぐ側、壁際に立て掛けてあったファイルの中から発見‼️

harienikki.hatenablog.com

 

手毬の千代紙とは、

昨年(2017年)5月に、おママ、オネコ、私の3人で日本橋小津和紙に行った時に買ったもの。おママのお気に入りで、昨年の夏頃にはヘビーローテションで大活躍していた千代紙です。切り抜き易く、純和風なのに意外と洋風の包装紙とも合いました。

  昨年11月におママは使い切ったと思っていました。

何かをどこかに仕舞い込んだら、記憶を保てない人ですから、全ては無かったことになります。

だから、私はどこかに有るのではないかと思っていましたが、やっぱりね〜。

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( ⬆️昨年5月に小津和紙で購入したお気に入りの千代紙)

www.ozuwashi.net

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 (2018年6月1日撮影)

新しく頂いた洋風菓子の箱と

部屋の隅で再発見した純和風の千代紙。

その新旧・和洋を、

時期を同じくして手に入れたおママは、楽しそうに貼り絵をしておりました。

 

昨年、よく目にしていた手毬の和洋折衷貼り絵ですが、なんだか新鮮で感慨深く感じました。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。