アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

クラフトテープ (^。^)

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(2018年4月8日  アルツハイマー認知症の診断から約11年2ヶ月)

 

おつかい

「これからそちらに行くけど、なにか買っていく物あるかしら?」

昼下がり、オネコから電話がありました。ジジはしばし考えてから、

「ゴミ出しの時に使うから、紙のテープが欲しい」

との事。

20分後にコンビニで頼まれものを買ってオネコが現れました。

 

  それから、紙のクラフトテープはテーブルの上に出しっぱなしにして、姉妹でお喋りに花を咲かせました。それにジジも時折加わりました。

 

気になる〜⁉️

  オネコと私が話していても、おママはあまり会話に加わりません。話の内容とテンポについていけないのだと思います。それでも、おママは不機嫌になるでもなくニコニコしていました。

 

  おママはチラチラとクラフトテープに視線を注ぎ、手にとって触っていました。

「これすごいわね。何かしら?」

袋の中身が気になるようです。

「それはテープよ。開けて良いわよ。」

おママはそれを聞いて中身を確認すると「これって、重いわね」なんて言っていました。

  その後、オネコが帰っても、おママの関心は薄れませんでした。

事あるごとにクラフトテープを手に取ります。

 「これすごいわね」

そして袋を開ける度に、「あー、これか…」とちょっぴり失望の笑みを浮かべていたのです。もしかして、焼き菓子か何かと思ったかしら?

似たような形のお菓子がありますよね…。(^。^)b

 

聞いて見ました。

  おママはこの一連の行動を2時間で7回繰り返しました。

 

「これ、すごいわね。」「何かしら?」「あー、これ…。」

 

その都度袋から出して、確認と失望を繰り返したのです。そのうち数回はテープの端を切ったり折り曲げたりしていました。

そんな様子に私は確信を持ちました。

(おママはバームクーヘンという名称は忘れても、その形状は記憶に残っているのだわ。)

 

大人気ない私は言わずにはおられませんでした。

「お母さん!それ食べられないわよ‼️」

私が言うと、おママはムッとしました。

「分かってるわよ‼️」

あ、怒った⁉️  (°▽°)a

 

   そうは言っても、その後も同じ行動を繰り返し、若干がっかりしているのです。

私が帰る間際にもテープを手にしていたので、また話し掛けてみました。

「これってお菓子じゃないのよね~~。」

ちょっと残念そうに言ってみたのです。すると、

「そうなのよね…。」

「お母さんもお菓子だと思った?」

「うん。」

やはり…。

バームクーヘンみたいな焼き菓子と思ったのね…。

 

  私も余計な事を言わなければ良いのです。

親を面白がるのはいけないのですが、好奇心旺盛な眼を輝かせながら、袋に入ったクラフトテープを手に取るおママは可愛くもあります。

だから、なんか言いたくなる。

でも、認知症かどうかには関わらず、人は話しかけ方で反応も違ってきますね。気を付けてはいるですが、私もまだまだだわ〜〜。

 

これです。  ⬇️ 

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オネコさんのバラ(おまけ)

こちらはプリンセス・ミチコ。皇后陛下のお名前に因んだバラです。

上品で円やかなオレンジ色が印象的です。

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。