(2020年2月17日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年)
*「今度の金曜日にピンゲにするの。」
なんというサブタイトルでしょうか?
まともじゃありませんわ。
先週、25歳の娘にこう言われて、全てを理解できた私は、神がかっているかも…。
もしかして…、ガンダムシリーズの「ニュータイプ」なんじゃないか⁉️(笑)
意訳します。
つまり、アズキは金曜日に休みが取れたので、美容院の予約を取りました。カットとカラーです。そしてカラーの色はピンク‼️
え、ええ、そうなんです。アズキはピンク色の髪にするらしい。
リモートワークは延長されたし、営業職じゃないし、髪の毛をピンクにするんだってさ‼️
え、ええ、別に良いんですよ。自分のお金でする事ですから…。(°▽°)
「金曜日は私(チャーコ)も行っているから、久しぶりにジジとおママに顔を見せに寄りなさいよ。」
「はーい。」
まぁ、ジジとおママがどんな反応をするか楽しみでした。
(びっくりするだろうよ…。) ウッシッシ…。(^O^)
*赤と黒
昨日、7月10日金曜日の午後。
アズキが実家に来る前に、月に一度のケアマネージャーさんの訪問がありました。
おママは彼女の来訪を歓迎するかのように、しきりと頭髪や笑顔を褒めました。
「あなたの、ここは、とても良いわね。」
どうもおママは髪型という言葉が出てこないらしい…。一生懸命自分の髪とケアマネさんの髪を交互に両手で指し示しながら言うのです。
「本当に良いわ〜。とても良いわね〜。」
そして更にケアマネさんの額に手を伸ばして、その2つに分けられた黒い前髪を指して続けました。
「ここから、こうして、流れて、とても良いわね〜。」
「あ、ありがとうございます。」
ケアマネさんは何となく理解して笑顔で答えてくださったけど、意訳してみますね。
「あなたの髪は黒くて艶やかで綺麗だわ。前髪もいい具合に分け目から流れていて、とても素敵よ。」
こんな感じでしょう。
ケアマネさんは豊かで艶のある黒髪で綺麗。でも、わりとオーソドックスなショートカットです。多くの利用者さん達に面談する業務も多いので、常識的なヘアスタイルと言えましょう。
(それなのに、こんなに反応するのだから、後でアズキのピン毛を見たらどう反応するんだろう。)
これは楽しみです。(^O^)
この後、実家に現れたアズキの髪色は、ピンクというよりワインレッドでした。
少し日数が経つと色が落ちてきてピンク調になるのらしい。
想像より赤っぽかったから、アニメキャラクターのようなピンク色の髪を想像していたから、私はかなりホッとしました。
それで、おママの反応はというと…、
本人も拍子抜けするほど薄かったのです。
一度は「あら、良いわね」とは言ったそうですが、専らおママの関心はアズキが履いていたフレアスカートのストライプ柄でした。
「あら、こういうの、良いわね。私は好きだわ。とっても良いわね。」
と触ったり、摘んで広げたり、興味津々だったとか…。
「おばあちゃんは私の髪の毛には殆ど注目しないで、スカートにばかり目が行っていたよ。」
取り立てて、美しいストライプ柄というわけではなく、ごく普通なんですが…。
不思議です。
おママは綺麗な色が好きなのに。綺麗なワインレッドなのにね。(^◇^;)
ワインレッドはお嫌いでしたっけ⁉️
いえいえ、お好きですよね。(^O^)
*単語は消えても
私はおママの様子を見ていて思いました。
例え、おママが「髪の毛」とか「黒」や「赤」「ワインレッド」という言葉が出てこなくなっても、おママにとって好ましい「髪の毛」の色彩は「黒」なのでしょう。
好きではなくても日本人の「髪の毛」の色として理解できるのは「焦げ茶」くらいまでかもしれません。
アズキの「ワインレッドの髪」はおママの理解の範疇を超えていたのだわ。
対人関係において、全く理解できない事は、触れない方が無難です。
おママは無意識でスルーを決め込んだのかも…。(^O^)
私とアズキは帰りの電車の中で、そんな事を話していました。その時、アズキがしみじみ言うのです。
「おばあちゃんは相手の何かを『素敵ね』と褒めて上げたかったのよね。それで、髪色より自分でも理解しやすいスカートの柄になったんだね。」
ショートボブでワインレッドの髪を見て、ジジが「フランス人形みたいだね」と褒めてくれた時、
「髪はフランス人形でも、顔はまるっきり日本人形で残念だなぁ〜」
なんて自虐に走っていたアズキですが、本人はとても気に入っているようです。
ちょっと見慣れてくると、私もなかなか良いと思いました。
そう言えば、この人…。
大学生の時に、頭髪の一部分を緑に染めた事もあったわね…。(°▽°)
*本日アップの貼り絵
「お題方式の貼り絵」です。
「お題方式の貼り絵」とは…。
昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を 自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
「お題」はこちらです。(↓)
ピンク地で「HAND TO HEART」の白抜き文字が入った紙は、郵送されてきた封筒の内側でした。つまり、おママは封筒を切り開いて貼り絵に使っております。
(↓)10年以上前に小津和紙で購入した千代紙の残りです。
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。