アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

リメイクは難しい

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(2020年10月5日 アルツハイマー認知症の診断から約13年8ヶ月)

 

 絶賛❗️処分中‼️

私はこのところ多忙を極めております。

実家にも行けない状態です。

何をしているかと申しますと、6月に亡くなった義母クレバァの住んでいた家の家財を片付けているので御座います。

3年前に夫に先立たれたクレバァ。80代になって大掛かりな処分もままならなかったのでしょう。一応、義父とクレバァの衣類は義姉が済ませてくれましたが…。

 家財はそのまま。

こういちゃなんですが、更に一世代前の家具や家財までありまして、

もう、大変なものです。

まとめてブルドーザーでガガガガガっと持ち上げて、一気にドッカーンと投げ捨てたい衝動に駆られますが、そういうわけにもいきません。

 

まだ捨てるわけにはいかない書類や記録。

実の子には思い出深い品々(そんなの知らんがな‼️💢)

まだ使える…だけど…要らない物の数々。

 

それを私がポイ捨てすると、

横からダンナが「本当に捨て魔なんだから‼️」と非難します。

捨て魔、上等‼️

捨ててやらぁーーーーー❗️

そして、古い家には夥しい食器と鍋釜があります。昔は大家族でお正月などの集まりに必要だったのですね。その中で、これから私が使いたいと思うのは1割ほどです。

 

週末に処分業者が入るので、それまでに残すものと処分するものを仕分けないと❗️

きーーーーー‼️(°_°)

 

思いがけず、押入れの布団の隅っこにあった箱から、古い家族写真が出てきたり。

同じ押入れから見つかった小さな引き出しには、可愛らしいクレバァ20歳くらいの写真があったり…。

机の中で寝たふりをしていた包みを恐る恐る開けてみれば、お洒落して母親(ダンナの祖母)と写真館で撮影したクレバァ子供時代の写真が出てきたり…。油断も出来ません。

お願いだから、クレバァ❗️現れるんなら、まとめて出てきてくれーーーーー‼️

一切合切、捨てさせてくれーーーーー‼️

 

発見❗️

すみません。前置きと愚痴はこれくらいにしますわ。

そんなこんなで、今日は写真中心の内容です。

 

10月5日。

私はおママの作業机の上で、貼り絵を枚発見しました。

なかなか大胆な作品です。落ち葉が舞い降りて袋の中に入るようなイメージかしら?

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裏面を見ますと(↓)こんな感じです。

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おママとしては少々雑な感じもしますが。でも、私がいない時におママが自分から貼り絵に取り組んだのです。出来ただけでも大収穫ですね。 

 

 材料は小津和紙で購入した千代紙(↓)

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そして、ティシュボックスです。(↓)

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破壊

 

「これ面白いですね。裏に日付を書きましょう。」

昼食後につまらなそうな顔をしていたおママの前に、私はこの貼り絵を置きました。

私がボールペンを取りに行ったほんの30秒くらいの間に…。(°_°)

おママったら…。

「何やってるの❗️」

「え? なに? どうしたの?」

おママは自分で制作した貼り絵を分解していました。

「せっかく御自分で作ったのに、壊さなくたっていいじゃないの💢」

「だって、おかしいから。」

見直すと、おママには不本意な作品だったのでしょう。

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 (↓)おママは葉模様がティッシュの取り出し口からいい塩梅で見えるように工夫したかったようです。しかし下辺に合わせると、ハガキの上が余ってしまい。上辺に合わすと、下辺が余るのです。

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 「どうにもならないわ。」

(↓)おママはお手上げです。(^◇^;)

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おママの試行錯誤と苦悩

 ハガキの上には既にガッツリと葉模様の千代紙が貼られていて動かせません。

「これ(葉っぱ模様)があるから、こまるわ〜。」

そこでおママは作戦を変えたみました。

 

ティッシュボックスを切り刻んでは画面に合わすのですが,上手く収まらない。

「これ(葉っぱ模様)があるから、こまるわ〜。」

おママは段々機嫌が悪くなってきました。

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私は気分転換にオヤツを勧めてみたのですが、

「わたしは,いいです」と、剣呑に拒否して、作業を続けようとします。

おママはティッシュボックスの花模様を切り抜いたりしながら画面に合わそうと試みました。

「これ(葉っぱ模様)があるから、だめなのよ。」

それでも、動かせない葉っぱ達が足枷になってしまいます。

 

「他の紙もあるから、見てくださいな。」

しかしおママはティッシュボックスに固執していました。

 

悩む事、30分以上。

一度完成した作品を作り直すって、本当に大変です。

 

私がファイルから出しておいた千代紙や折り紙に、おママはようやく目を向けてくれました。その後は割とスイスイ構成が決まりました。(↓)

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 そして、いつものことですが、糊付けの際に、またデザインが変わり、完成に至りました。

 

誰でも1から作り出す方が簡単です。

リメイクは難しいです。

私としては、最初の作品で十分良かったのですが、迂闊におママの前に置いたからいけなかったようです。

 

結局、ティッシュボックスで使われたのは小さな赤い花だけでした。

「ねぇ、でも此処に赤い小さい花があるから、良いのよね。」

オネコさんがそう言うので、「終わりよければ全て良し」と致しましょう。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。