(2020年9月25日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年7ヶ月)
*珍しく入浴拒否
現在、ジジもおママも家ではお風呂に入りません。
ジジは足腰が弱って、一人で入浴するのが危険になりました。
おママは認知症歴13年で、2人とも入浴介助が必要です。
それで、ジジは火曜日と土曜日のデイサービスで入浴サービスを受けています。
おママは土曜日は別のデイサービスに行っているので、週に1度火曜日のみの入浴サービスです。
このおママ、まだ排泄の自律は保たれていて、自分でトイレに行っています。
しかし、用心のために紙パンツ(リハパン)を履いています。
それは結構な事ですが、普段は何をどう話しても紙パンツを取り替えさせてくれません。もう、お下の問題となると、本当に頑ななのです。
それで、衛生的にどうかと思いますが、週に1度の入浴サービスのタイミングでしか取り替えられません。
それなのに、おママったら❗️
10月27日火曜日は珍しく入浴拒否をしました。
いつもはわりと素直に入るのに、なんとしたことか⁉️
ジジによると、その抵抗には慣れたデイサービスのスタッフさんもお手上げだったとか…。
その日の夕方、オネコはジジからその話を聞いた時、気になったのは紙パンツです。
オネコは早速、私にこの件をLINEで知らせてくれました。
オネコ 「それで、なんとなく臭いから、せめて紙パンツを取り替えさせたかったのだけど、ダメなのよー。いつから同じ紙パンツ履いてるのかしらー?😫」
私 「先週の火曜日」
私はちょっと入浴拒否の理由を推理してみました。
私 「恐らくね紙パンツが汚れている自覚があって、見られるのが嫌なのよ。」
おママはプライドが高いから、汚れたパンツを人に見られるのが絶対に嫌なのです。
オネコは臭う紙パンツを取り替えられなかったけど、中をちょっと覗かせてもらったら、見える範囲では大きな汚れは無かったそうな…。
次に私が実家に行くのは金曜日でした。
最悪、この日には何としても取り替えなくては、おママのお尻がかぶれてしまうかも知れません。
(でも、それまでにジジが取り替えさせられたら良いのですが、難しいかなぁ…。)
はっきり言って、私が金曜日に取り替えさせてもらえるのか?それだって定かではありませんでした。
案の定、10月30日金曜日に実家へ行くと、ジジの表情が暗かったのです。
「ダメでした。何度か言ってみたけど取り替えていない。」
仕方ない…。火曜日から考え抜いた作戦を実行するしかないか…。
*嘘も方便
作戦とは…おママに言葉巧みに嘘を言って、納得させる方法です。
まるで親を騙すようなものだから、私はあまり気分は良くなかったのですが、背に腹はかえられません。(^O^)
作戦といっても、私の頭ですから、大した事は思い付きません。
昭和一桁生まれの、生来真面目なおママには、御上の意向を振りかざすしかない。
幸いおママは私の事を自分の娘とは思っていないので、他所から来たヘルパーさんを装ってみました。そろそろと私はロッキングチェアでぼんやりしているおママに近づいて…。
「富貴子さん、ちょっとお願いがあるのです。」
「あら、何でしょうか?」
「実は国が決定した事なのですが、『全国の高齢者は衛生面に気をつけるために、全員3日以内に紙パンツを取り替える』という事になりました。」
「あら、そうなんですか?」
おママは何が何だか分からない様子ですが,神妙な面持ちになりました。
「それで全国の保健所に通達が出まして、私が取り替え作業のために来ました。紙パンツを取り替えさせて下さらないと、私が法令違反で怒られます。申し訳ありませんが、ちょっと紙パンツを脱いで取り替えさせてくださいな。」
私は何者?
どこの国がそんな命令を出す?
出すわけがない❗️
それなのに、おママは理解できないながらも納得してくれたようです。
「あら、それは,たいへん…。」
はっきり言って、あり得ない話です。私はそんな作り話がスラスラ口から出てくる自分を嫌悪しましたわ。しかも、おママの為とは言え、その優しさにつけ込んでいるようなものです。
しかし、鬼娘はチャンスは逃さない❗️
私は有無を言わさずおママに立ってもらい、無抵抗のままパパパッと取り替えました。
*おママにはとても有効だが…
実は私、この時の成功体験をその後、性懲りも無く何度も使っております。
おママはどうしてもマスクをしている事ができません。
家の中ではもう諦めましたが、買い物などの外出時はやはり着けてもらわないと困ります。特にお店に入る時は必需品です。
「国が全国民はマスクをするようにって決めたの。だからどこへ行っても皆んなマスクしているでしょう。」
直ぐに忘れて繰り返すにしても、その時は必ず「そうなの?」と言いながら素直に従ってくれますから。
おママは本当に素直❗️
だから、その都度、私の胸はチクチク刺されるような痛みが残ります。
人によったら、
「そんなの勝手に国が決めたって、従うのは嫌だ❗️」
と反発する場合もあるでしょう。
おママだって、認知症の症状がもう少し軽かったら、
「そんなの、おかしいわよ❗️」
と私の芝居を見破っていたかも知れません。
だからこそ、ちょっぴり悲しくて情けなくて、罪悪感がある。
私は今日もそんな嘘芝居を打つのでございます。
*本日アップの貼り絵
お昼前におママの作業机を見てみると、冊子が閉じた状態で置かれていました。
私はちょっと気になって開いてみると、構成途中のおママの貼り絵が出てきました。(^。^)
その時、おママは所在なくダイニングとキッチン周辺をうろうろしていました。そこで,私はこれ幸いと、おママを呼び寄せて続きをするようにすすめてみました。
「あ、これ…ね…。」
早速取り掛かるおママ。(↓)
私はこれで昼ごはんが作れると思ったのですが、やはり、おママの事が気になりました。
(↓)ちょっとデザインを変えてみたりして…。でも、やはり行き着く先は元のデザインでした。
<動画①>
以前は中央部分から糊付けすることが多かったのですが、最近のおママは外側から攻めていく傾向があります。
今回も4つの角に水色の橋を渡した後に、おママはハガキ全体を裏返しにしてしまいます。正方形4個の構成は崩れてしまい、さぁ、元に戻せるでしょうか?
結局記憶はなかったようですが、おママの感覚ではどうやっても元の構成に戻るようでした。
2020年9月25日 12:33〜 おママの貼り絵制作動画①
<動画②>
①の続きです。軌道修正が完了して,中央部分の貼り付けです。途中で小さな正方形を床に落として…さぁ大変♬(^。^)
材料はこちらです。(↓)
(↓)同じ紙を使った関連作品です。
(↓)同じ日の午後には、こちらの作品を制作していました。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。