(2020年11月9日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年9ヶ月)
(2020年11月9日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年9ヶ月)
*反古代用紙
日本橋の小津和紙に行くと、私はついつい長居をしてしまいます。
(おママだったらどれを選ぶかな?)
そんな事を考えているからだと思いますが、
私はあれこれ千代紙や和紙を見ると、気持ちが浮き立ってしまうのです。
綺麗な紙が好きなのは誰かさんの血ですね。(^O^)
いつもは全紙(64×94cm)ではなく、4分の1にカットされた千代紙の棚から選びますが、時々大きい全紙に心惹かれてしまいます。
でも、滅多に買いません。我慢します。
だっておママが使うのは、ほんのちょっとだからです。
昨年の秋、この轍を曲げてしまいました。
無性に買ってみたくなった千代紙が全紙でしか、なかったからです。
それは反古代用紙。「ほごだいようし」と読みます。
昔の人は…と言っても近世から近代の初め頃でしょうか。
襖や屏風、衝立の下張りには反古紙が使われていました。それは手紙や大福帳に使った紙の再利用でした。
しかし時代が下れば、筆を持ち和紙にさらさらお手紙を書いたり、大福帳を記す事はなくなりました。
反古代用紙は昔の反古紙に似た雰囲気に刷られた下張り用の紙です。
その時代感のある雰囲気から現代では室内装飾や置物などにも使われているそうです。
反古代用紙はちょっとお安いです。63×94cmの全紙でも400円はしません。
「えーい、買っちゃえ❗️」
それで購入したのがこちらです。反古代用紙「印」(↓)
おママは過去にも印影を印刷した紙で貼り絵をしていますから、興味を示すかもしれない。私にはそんな下心もあったのです。(^◇^;)
*おママの反応は?
おママは全紙を見て「あら〜」と声をあげていましたが、専ら興味を示したのは一緒に買った『鬼滅の刃』禰󠄀豆子柄でした。
現在のおママは白黒の柄より、色彩のある紙の方が良いようです。
それでも全紙を買ってしまった身としては、少しでもおママに使って欲しい…。(^◇^;)
それで、強引に「お題」にしました。(笑)
※「お題方式の貼り絵」とは…。
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。そして、他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
切り始めると楽しいようです。
「これとこれ、ちがうのかしら?」
「違うね。」
2020年11月9日 14:58〜 おママの貼り絵制作動画①
<制作動画①>2020年11月9日14:58〜
おママは構成に悩んでいます。
考えながら千代紙の模様の筋に合わせてハサミを動かしています。
そんな試行錯誤の時間は、ともすると堂々巡りに陥るものです。
しかし、束の間の逡巡も大切だと思います。(^。^)
(↓)こんなデザインにするそうです。
2020年11月9日 15:12〜 おママの貼り絵制作動画②
<制作動画②>2020年11月9日 15:12〜
主に貼り付け作業中の様子です。
途中、おママは貼り付けた反古代用紙の上を丁寧に撫でていました。すると、薄い紙なので指の先に何か引っ掛かりを感じたようです。
どうやら、台紙にしているハガキと貼り付けた反古代用紙の間に、小さなゴミを挟み込んで糊付けをしてしまったようです。
おママはそれに気が付いて、部分的に剥がして貼り直していました。
動画の最後で本人は「出来上がり」と考えていたのですが、 最終的には小さな「弘」「美」を加えました。
印影はデザイン化された文字ですが、おママは「文字」の認識はないようでした。
それでもこの小さな「美」を見ながら
「み?」
と言っていましたから、「文字」の形と音の関係性はまだ理解できるようです。
*2枚目に突入
1枚目の目処が立つと、おママは直ぐに禰󠄀豆子柄に手を伸ばしました。
(↓)「桃色地に赤の浅葉」華やかですよね。
あまりに華やかな千代紙なので、「お題」の反古代用紙が霞んでしまうのではないかと心配しましたが、それは私の杞憂でした。
おママは柄に沿って、どう切ろうか考えながらハサミを進めました。
メインパーツを微調整。
(↓)こんな感じになりそうです。
(↓)上の方が物足りなかったようです。
新たに飾りが増えて華やかになりました。
おママの最初の反応はイマイチでしたが、切り貼りしてみると思いの外、楽しめたようです。
又、様子を見ながら「お題」にしてみようかしら。(^O^)
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます