(2020年12月25日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年10ヶ月)
*失われた歓声、失われた活気
オリンピックより命が大事
国の威信より命が大事
コロナで医療の現場が大変な時に、更に感染拡大の危険もあるのに、
実際,感染者は増えているし、
オリンピックをやるなんておかしい。
全て正論です。
それはわかっているのですが、今回はあえてつぶやくチャーコの繰り言です。
2013年9月7日
「お、も、て、な、し」と震災復興をアピールして、東京がオリンピックの開催地に決まった時、本当に嬉しかったです。
私は東京生まれの東京育ち。生きているうちに東京オリンピックがあるなんて夢のようでした。
それから、都内は海外からたくさんの観客を迎えて「お、も、て、な、し」するために、多くの場所で改良工事が始まりました。駅の構内も綺麗になったところが多く、2020年の夏を目指していました。
私が住んでいる地域は都内屈指の観光スポットに隣接しています。各会場からのアクセスも良好です。開催期間中は海外からたくさんの人が来て、あっちこっちの商店もホテルも大特需が見込まれていました。そのために改修工事をしたり、準備や企画も練られていました。地元が活気付いて沸き立つのは喜ばしい事でした。
当時、私はまだ保険の仕事をしていました。顧客様のお宅に伺うと、特に高齢の方は皆さん仰っていました。
「あと、7年。東京オリンピックまで頑張るわ。」
オリンピックを見てからでないと死ねない。皆さん満面の笑顔でした。
これをひとつの目標にしてきた方は多かったと思います。
それはジジも同じです。
「その時、92歳か…。どうかな、頑張って観たいね。」
しかし、予想だにしなかったコロナ禍で2020年の夏は1年持ち越されました。
昨年、延期が決まった時、義母クレバァは末期癌で闘病中でした。
「あーぁ。私は東京オリンピックが観られなくなったわ。」
大きなため息をつきました。
「大丈夫、来年は観られるから、一緒に観ようね。」
と私は声をかけました。でも、お互いその虚しさは拭いようもなく、約2ヶ月後にクレバーは亡くなりました。
2020年の夏は1年遅れとなり、1年立ってもコロナは収まるどころか新たに変異株が現れて猛威を奮っています。
海外からの観客受け入れ中止。
非常事態宣言下で開催される前代未聞のオリンピックは、
首都圏と他の主な開催地で無観客となりました。
オリンピックより命が大事
国の威信より命が大事
コロナで医療の現場が大変な時に、更に感染拡大の危険もあるのに、
実際,感染者は増えているし、
オリンピックをやるなんておかしい。
全て正論です。
それはわかっているのですが、
永遠に失われた東京五輪の歓声と活気は取り戻せません。残念です。
* テレビは恥知らず
この半年ばかり、テレビを見るのが苦痛でした。だからあまり見ませんでした。
それでも、最低限のニュースは見ました。
コロナの問題やワクチンの事も気になるからです。
しかし、繰り返し緊急事態宣言を発令 される中で、オリンピックに対するネガティブな論調が多く、気が重くなりました。
確かに感染者数は増えています。医療現場も逼迫しているでしょうから、中止に向けて世論を形成していくのも仕方なかったかもしれません。そして、是が非でも開催するなら「無観客で…」という話を多く取り上げていました。
実際、ワクチン接種が進んでも、東京都の感染者数は増えていますから、当然ですね。
しかし「無観客」が正式に決まったら、手のひらを返すように「無観客は残念」的な報道に舵を切りました。
世論を意識して「無観客」となったのです。その世論を作ったテレビ局各社は
「国民の声を反映してオリンピックは無観客になりました。言論の勝利❗️万歳❗️」
と報道するべきじゃなかったのか?
テレビは批判するしか脳のない媒体に成り下がってます。
散々ネガティヴな報道を繰り返して、どの口でどの顔で五輪競技を放送するのか?
とんだ恥知らずです。
*ここ数ヶ月の空気
オリンピックより命が大事
国の威信より命が大事
コロナで医療の現場が大変な時に、更に感染拡大の危険もあるのに、
実際,感染者は増えているし、
オリンピックをやるなんておかしい。
全て正論です。
それはわかっています。
でも、ほんの少しでも「オリンピックが楽しみだ」と言う事すら憚られる状態。
SNS上でそんなこと言ったら、非常識か非国民として糾弾されそうです。
友人知人との日常会話の中でも口にはできませんでした。
正直、怖かった。これって一種の言論封殺と同じじゃないかしら?
本当にオリンピックは中止するべきだったのでしょうか?
国民感情からしたら、オリンピック中止を決断するのは大英断でしょう。
しかし、海外から見れば、日本は招致したオリンピックを開催できない無能な国家。
東京はオリンピックを返上した不甲斐ない都市。(しかも2度目になる)
ほんとうにそれが良かったのでしょうか?
「そうだよ、日本はコロナの感染を封じ込められない無能な国で、東京は不甲斐ないから仕方ないね。」
そう言い切れますか?
私はそんなの嫌です。
だって、日本も生まれ育った東京も大好きだから。
ただでさえ、散々な状態の東京五輪。
それでも、開催できないよりマシだと思うのです。
*応援するよ
「海外から選手団や報道関係者がくる。彼らが感染を広める可能性がある。」
テレビなどではそんな発言が取り上げられていました。
しかし、翻ってみれば、
そんな事まで言われてしまう今の日本で開催されるオリンピックに、
参加を表明して選手団を送ってくれた国々、
そして自らの感染リスクだってあるのに、参加してくれた世界の選手達に、
私は感謝したいです。
実際、来日してから陽性となり棄権を余儀なくされた選手もいらっしゃいます。
開会式は行われても、本当にどこまで競技ができるのか不安ではあります。種目によっては棄権が相次いで成立しなくなるかも知れません。
これ以上、選手や大会関係者に陽性者が出ないことを祈りたいです。
参加する日本の選手達、そして全ての国の選手達が、無事に全力を出し切って競技を終えて欲しいです。
私は心から応援します。
前代未聞のオリンピック。あれこれ不備はあるでしょう。
まさに今も、運営現場ではキリキリ舞いの状況かも知れません。
そして、この大バッシングの中で、必死にオリンピックを運営しようとしているスタッフ1人1人の努力に敬意を表したいです。
*お家で観戦
こんなにテレビを批判しているのに、私も恥知らずだから、テレビで観戦します。
ジジとおママは涼しい部屋で見て欲しいです。
娘のアズキは侍ジャパンを応援すると張り切っています。
無事に日程をこなして閉会式が迎えられますように。
家で精一杯応援したいです。
*本日アップの貼り絵
昨年12月25日の作品です。
今更ですが、クリスマスに制作された貼り絵です。
この日、おママと私はクレバァの遺品の中から出てきた赤い因州板締め染めの和紙を切って遊んでいました。
私はそれを元に「お題パック」をセットしようと計画していたのですが、その間もなくおママに奪われました。(^O^)
「立ったままやらないで、座ってくださいよ。」
私に促されて、
おママは素直に着席しました。
インスピレーションのままにガンガン貼っていきました。
おママが鮮やかな赤に合わせたのは、この2種類の千代紙でした。
濃い紫地に金の花菱亀甲文様
黄色系格子文様
両方ともクレバァの遺品です。
私は夕食の支度があって、時々様子を見るしかできませんでした。
でも、おママの情熱の炎は燃え盛っているようでした。(^O^)
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。 私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。