アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

昔のおママ「おこぼしは許しません❗️」

(2022年2月18日 アルツハイマー認知症の診断から約15年)

 

お手伝いのつもりが空回り

これはGW前のことでした。

昼食の準備ができて、私は2階の台所からジジとおママの居住域である1階に順次運んでおりました。

最近のおママはあまり食事の準備などに興味もなく、ただ出された物を喜んで食すばかりです。(これはこれで有難い。)メニューが揃うまでぼんやりとしていることが多くなりました。

しかし、この日はちょっと違いました。

「これは、こっちっで、こうしなくちゃ…。」

味噌汁の入ったお椀をテーブルの上で何度も移動させているではありませんか。

私は嫌な予感がしました。しかし、ジジがおママの目の前に居て

「余計な事をしないで座っていなさい」

と見守っているので、その場を離れました。すると、ジジの叫びが聞こえました。

「あ、あぁ❗️言わんこっちゃない❗️」

食卓に戻ってみれば、お椀が一つテーブルの上で転がっていました。

嗚呼、無情。

こぼれた味噌汁を見つめて、私は心が激しく揺らぎました。せっかく作ってお椀によそったのに…。もうガッカリです。しかし、悪気があっての事でもないし、おママに言っても詮無い事です。

元々、そんな事もあろうかと、こぼしても火傷をしないように汁物は熱々で出さないよう気をつけています。

「服が濡れなくてよかったね。」

私は急いでテーブルの上を拭き、何事もなかったように味噌汁を追加してランチタイムとなりました。すでにおママは自分が味噌汁をこぼしてしまった事などお忘れです。嬉しそうにお昼ご飯を食べていたので、ある意味とても平和な時間となりました。

そんなおママを見ながら食べていると、ふと思い出しました。

(オネコも私も小さい頃はよくおこぼしをしたな…。)

 

しつけは大変

あっと気がつくと、汁物が溢れている。

その「不味い事をやっちまった❗️」感覚は幼くても有ります。私はかなりショックを受けたものでした。

その上、なんだか毎度おママには叱られました。

こんな記憶が残っているので、私は幼少期の終わり頃までよくやらかしていたのでしょう。(不思議と私の娘アズキはおこぼしをしない子でした…。)

 

子供がお椀などをひっくり返す事象は、ほとんど偶然によって起こると思うのです。

ちょっと他のことに気を取られていたり、うっかり指を引っ掛けてしまったり、

わざとやる子は少ないと思います。しかも突然の事で、幼い身としては不測の事態としか言いようがありません。

「どうしていつもこぼすの❗️」

私は頻繁にこぼしていたのでしょう。おママのイライラ感は半端なかった。

ただでもショックで泣きそうなのに、「どうして」と言われても答えようが有りません。本人が全く分からないのですから。

 

「よそ見をしているから、いけないのよ。」

「気をつけながら食べなさい❗️」

「何度言ったら分かるのよ。」

「まったく、せっかく作ったのに、勿体無いじゃないの❗️」

 

今思えばですよ。そんなこと言われたって、どうしようもなかったし…。(涙)

泣き虫の娘はぐずぐず泣くだけなのにね。

わりと癇癪持ちだったおママ。若い頃は、娘達が地雷を踏んでしまうと、カッとなる傾向がありました。

狭い団地の一室で、完全ワンオペでの子育て。

あまり相談相手はいない。しかも落ち着きのない娘達。

もしかしたら、思い通りにならない我が子を前に、不安やストレスが溜まっていたのかもしれませんね。

それにちゃんと躾をしなければならない。

そういう思いも強かったと思います。

 

幼い頃を思い出して、

(あの頃はおこぼしを許してもらえなかったのに。

今の私、優しいじゃないか。)v(^○^)v

自画自賛しましたが、すぐに考え直しました。

当時のおママと今の私、やはり違うのです。

 

私だって確かに介護等で心身ともに余裕はありませんが、

介護には「教育」とか「躾」をする必要はないのです。

「仕方ないわね、そんなこともあるわよね」

と他人事のように割り切ってしまえば良いのです。

平和な顔でお味噌汁を啜るおママを見ていて、私はつくづく思いました。

おママさん、ゆっくりお上がんなさいね



本日アップの貼り絵

「お題方式の貼り絵」です。

*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について

一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。

 

(↓)この日の「お題』はこちらです。厳密にいうと、こちらの広告写真を散々使った、その残りです。

enoshima-seacandle.com

 

思い返せば、この広告チラシには大変お世話になりました。

おママを楽しませてくれて、数々の貼り絵が生まれました。

harienikki.hatenablog.com

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本日アップの貼り絵は、その最後の1点です。(^O^)v

 

遡ること2022年2月2日。

おママはこの貼り絵のメインピースを広告チラシから切り抜いておりました。

youtu.be

<おママの貼り絵制作動画①>カット編

2022年2月2日 15:11〜(1分26秒)

動画終了時のスクリーンショット写真です。(↓)

 

2022年2月18日金曜日

この日の「お題」は今まで使ってきた紙の切れ端を集めてみました。(↓)


(↓)早速あれこれ考え始めたおママさん。

youtu.be

<おママの貼り絵制作動画②>構成編

2022年2月18日 14:40〜(2分39秒)

おママは楽しそうに構成していき、一応デザインはまとまりました。

イルミネーションの広告写真から切り抜いたメインピースを貼る時に、おママはご機嫌で言ったのです。

「これをちゃんとしなくっちゃね❗️」

その言葉通りおママはちゃんと貼りました。が…しかし…(^◇^;)

(↓)動画終了時の写真です。

 

右側の構成を考え直しているうちに、おママはせっかく貼ったメインピースの向きが気に入らなくなりました。

そして、どうしても我慢できずに、剥がすという暴挙に出ました。(°_°)

私は内心,思いました。

(自分で『ちゃんとしなくちゃ」と言いながら貼ったのに❗️剥がすなんて❗️)

私は白目を剥いておりました。(°_°)

しかし、おママはそんな私の様子は全く眼中になく、ベリベリと剥がして貼り直しました。

(↓)

 

(↓)そして1から再構築中

 

 

おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。