(2022年5月6日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年3ヶ月)
*月末企画❗️今月のイチ押しとは
2022年5月版、「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」です。
このシリーズはその月におママが制作した貼り絵の中で、私やオネコが1番気に入った(面白いと思った)作品をご紹介するものです。
「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」というカテゴリーがあるので、もし、ご興味があれば、他の月の「イチ押し」もご覧下さいませ。m(_ _)mお
毎月、オネコと私が「今月のイチ押し‼️」を選ぶ判断基準は⬇️こんな感じです。
①綺麗もしくは興味深い作品。
②制作エピソードがある。
③制作途中の写真があれば尚良し。
2022年5月版の「今月のイチ押し」はどうでしょうか?
①〜④に該当していると思います。(^O^)v
5月30日現在、おママは19枚の貼り絵を制作しました。
もう、ほとんど、おママは1人では貼り絵をしません。
私が週2日実家へ行った時に「遊びましょう」と誘うと取り組んでくれるので、今月の19枚はとても多いと思います。1回に2枚、元気な時は3枚も取り組みました。
今月のおママの傾向としては、正方形の連続で構成された市松模様をとても好んだ事です。市松模様にハサミを入れると、必ず直角を持った四角形が作れます。その四角形の対角線状を切れば、絶対に直角三角形ができるのです。
おママからすると、直角は安定した角度でしょう。幾つか組み合わせれば、おママが長年好んだシンメトリーの構成が作りやすい。
今月のおママはシンメトリーを意識した作品が多かったです。
*謎の紙
今回の「イチ押し」ですが、カッチリとした極めて図形的な構成です。
この画面の肝は中央で正方形を形作る4枚の直角三角形でしょう。しかも、その素材は少々特殊です。写真でも赤のようなブルーグリーンのような、なんとも不思議な色合いが目を惹くと思います。
表面は光反射効果のある生地で、光の当たる角度によって赤系から緑系に色が変化します。シルク風のサテンでしょうか。シワのような凹凸の加工が施されています。生地自体はそれほど厚くありません。
この生地は裏面に白い紙が裏打ちされています。
おママはこの紙をいつどこで買ったのでしょう。
恐らく、認知症診断前のルリユール(ヨーロッパ伝統製本技術)を習っている頃だと思います。
この頃、おママは大事にしていた布を裏打ちに出していたので、元々は布の状態で持っていたのかもしれません。
私はこの特殊な紙がおママの部屋にあるのを随分前から知っていました。
もう、いつまでおママが貼り絵を続けられるか分からなくなってきたので、思い切って出してみようと思いました。
「イチ押しミーティング」の時、ファイルを見ながらオネコさんが「あ!」と声を上げました。
「この紙、まだ有ったんだ❗️昔これを使った貼り絵が素敵だったので、おママに貰ったのよ。また同じようなのを作ってと頼んだんだけど、それきりにだったのよ。」
「それ、いつのこと?」
貼り絵の裏面に日付を書くようになったのは2007年に認知症の診断を受けてからでした。
「日付が書いてないから、2007年より前かも…。」
この話を聞いて、私は20冊以上ある貼り絵のファイルを全て見直しました。しかし同じ素材を使った作品は見つけられませんでした。
実に個性的な紙です。むしろ個性が強すぎて、おいそれとは使いこなせないでしょう。
流石のおママも躊躇してしまったかもしれませんね。
*個性的な紙をいかに使うのか?
今回の作品も「お題方式の貼り絵」です。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
(↓)「お題」の紙をカットするおママ
最近のおママは四角形から三角形を切り出すことが多いです。
(↑)上右側の写真を撮りながら、私は嫌な予感がしていました。
おママは微妙に歪んだ直角二等辺三角形を4枚画面に載せ、どうやら正確な正方形を作ろうとしています。
ハサミで切っているので完全なる直角二等辺三角形ではありませんから、どんなにおママが頑張っても綺麗な正方形ができない可能性が高いです。おママは妙に完璧主義者なので
「なんでちゃんとしないの?なんでこうなるのよ❗️」
と悩んで堂々巡りをするのは目に見えています。
(↓)しかし、おママは渾身の集中力で正方形を作り始めました。
糊付け前の写真です。私の想像以上にピシッと配置できていますね。
「これでやっちゃうわ」
おママは糊を手にしました。しかし、必ずしもこの通りに糊付けできるとは限りません。誤魔化しの効かないデザインです。少し斜めにブレて貼っただけで崩れてしまいそうです。
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年5月6日 14:45〜(3分22秒)
おママは二等辺三角形を慎重に貼っていきました。
だが、しかし❗️最後のピースが、なんだか合わないぞ…。
チ「……ん?ちょっとあれかな〜?」
おママは2枚目の右下のピースが若干左方向にブレている事に気がつきました。
マ「しょうがないからいいよ…。ちょっとこっちが、ちょっとこっちに、にるように、なるくらいじゃないか?」
チ「一番、誤魔化しの効かないデザインでしたね。
なんとか頑張って付けて、ちょっと重なっても良いかもよ。」
しかし、おママは実際に糊を付けて貼る段階になって、手を止めました。
マ「こっちが、ちょっと、あかいよ。」(「高いよ」と言いたかったのか?)
おママはどうしても歪みが許せなくなったのでしょう。
チ「わかりました。直します。」
動画終了後、私は慎重に右下のピースを剥がして、おママに貼り直してもらいました。(↓)私は神経を張り詰めて見守っていたので、もうこの時点で神経が疲れ果てました。
(↓)中央の正方形は出来上がりました。そして金の市松模様を手にしております。
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年5月6日 14:46〜(4分42秒)
おママは金の市松模様をまた直角二等辺三角形にしました。それが、少々底辺が斜めになって直線ではなってしまいました。おママは正方形の辺と三角の底辺がピタッと合わないのがご不満のようです。
マ「どうしてなんだろう。」
チ「どうしてって…直線になってないから…。」
おママはなんとしても辺を綺麗に揃えるために一度は貼った金色の三角形の一部を剥いて、強引に引っ張って、伸ばして貼りおおせたのです。
チャーコはただただ、おママの強引さに呆れておりました。
チ「何とかなるもんなんですね。やっぱり、和紙は強いんですね…。」
(↓)その後、おママは茶と白の市松模様で飾りをつけておりました。
(↑)途中まで横長画面で制作していましたが、おママは完成後に縦長画面と決めました。
(↓)誤魔化しの効かないデザイン、渾身の正方形…。おママ苦労しましたね。
よく頑張りました。出来ました。光の具合で色が変わります。キラキラキラキラ❗️
<おママの貼り絵・キラキラ動画①>
2022年5月6日 14:58(40秒)
まだ完成していない段階ですが、色の変化がよくわかる動画です。
短いし、綺麗だから是非見てくださいませ。(^O^)
兎にも角にも、この苦労して完成した、
誤魔化しの効かないデザイン、渾身の正方形
を今月のイチ押しに決定‼️
👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏
因みに、オネコさんがおママから貰った貼り絵はこちらです。(↓)
制作年月ふめい、2007年ごろか。認知症の診断を受けた頃と思われます。
<おママの貼り絵・キラキラ動画②>
2022年5月30日に撮影
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。」