アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

ブロッコリーでしょうか?

(2022年4月15日 アルツハイマー認知症の診断から約15年2ヶ月)

 

旅の思い出

ここ数年、私は広告や包装紙などを見ると

「おママが切って遊べるかな?」

と考える癖がついています。おママの興味を惹かないことも多いのですが、全てはダメ元です。

 

私は3月に娘のアズキと伊勢・京都を旅行しました。

実家へのお土産は帰りの新幹線に似る直前に京都駅のお土産物売り場で(テキトーに)目に付いたお菓子を買いました。

それが「平安殿」でした。

heianden.shop-pro.jp

私は全く知らずに買ったのですが、白餡に柚の香りがして実に美味。

ジジもおママも喜んで食べてくれたので、買ってよかったです。

それで、そのお菓子が包んであった個別包装を広げて見ると、いかにもおママが好みそうなグリーンで古風な甍模様が描かれていました。

「これ、使えんじゃないか?」

私はふと思い立って、こんな風に(↓)折り目がついていない部分だけ残して置きました。

 

おママは自分で作業を複雑化してしまう。

さて、この切り抜きが日の目を見たのは、ひと月ほど経ってからでした。

おママは気の向くまま「平安殿」の文字と甍模様を分割していきました。

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<おママの貼り絵制作動画①>

2022年4月15日 15:44〜(38秒)

とても短い動画ですが、ここでおママは自分の思っている構成を説明しています。説明というよりは指で指し示しているだけですが…。

結果的に,完成作品はほぼこの当初の計画通りになりました。しかし、記憶が保てないおママはこの先、紆余曲折を経ていくのです。(^◇^;)

 

 

(↓)中央の3ピースは既に糊付けしてあります。

<おママの貼り絵制作動画①>の時は甍模様が2つセットになった紙片を効率よく配置していました

しかし、おママは緑の甍模様をひとつひとつに切り分けることにしました。

作業が余計に増えてしまうので、おママ途中で疲れて完成させられないかもしれない。

私は心配になりました。

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<おママの貼り絵制作動画②>

2022年4月15日 15:51〜(3分27秒)

おママは甍模様を丁寧に切り抜いています。しかし、些か疲れてきたようです。

「ふぇ〜〜」と大きなため息をつきました。しかし、それでも止めようとはしませんでした。

そして,最後の1ピースを切り終わった時、おママは自分の当初の計画をすっかり忘れてしまいました。

チ「どこに置こうかな?」

マ「どうなってんだか…?」

チャーコに「こっち」と言われ、おママは漸く当初の構想に戻る事ができました。

(^◇^;)

 

キラキラは不思議なのです。

記憶が保てない為に、かなり迷走しましたが…、

おママは(↓)緑の甍模様は全て貼り終わりました。

そして、<おママの貼り絵制作動画①>の時に考えた小さな飾りに取り掛かりました。

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<おママの貼り絵制作動画③>

2022年4月15日 16:01〜(1分01秒)

金色の「七福神」柄の千代紙を細かく切ったおママは、その中の金色だけのピースが気になったようです。キラキラしているのです。

しかし、そのキラキラ自体がおママにはその輝き自体が摩訶不思議のようです。

 

しきりに擦ったり、ハアーハアーと息を吹きかけてからまた指で擦り、フーフーと息を吹きかけても、印刷されているのですから金色の輝きは動きません。

しまいには諦めました。

マ「これ、ぜんぜんダメよ。」

チ「ダメなんでしょ、じゃぁ使わなけりゃ良いじゃない。」(^◇^;)

おママの目には、金色だけというのは理解し難い色のようです。

この時、最終的におママが使ったのは赤や緑や橙色の入ったピースでした。

 

やっぱり美味しそう⁉️

(↓)なんとか完成出来そうです。

出来上がりを見ると何かに似ているような気がしました。

ちょっと緑が優しすぎるかしら?

私は家に帰って、アズキとコーヒーを飲みながら、この制作過程の写真などを見直していました。

すると、アズキが言ったのです。

ブロッコリーじゃん❗️」(^O^)

「あ、やっぱり…。」

おママの紆余曲折の苦心の作は、孫の目にかかれば緑黄色野菜の代表格でした。

確信を持って言えることですが、おママにはその意図は全くなかったと思います。

因みに、おママはブロッコリー大好きで、今でも食べます。(^◇^;)

 

(↓)小津和紙で購入した友禅紙です。(2021年4月購入)

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。